トランプ大統領誕生で日本はどうなる?

11月9日に米国大統領に当選したトランプ氏。これまで政策に関する発言はあまりなかったようですが、2週間たった昨日、「就任初日にTPP交渉離脱を(他の参加国に)通告する」と 明言したとのこと。
選挙中は、いろいろバラバラの報道が多く、「いったい、トランプ大統領になると日本はどう変わるの?」と自分もやや困惑。

そこで、いろいろ調べていたところ、英国営放送BBCが11/9に非常にコンパクトに報道していたので、それを引用しながら自分なりに掘り下げてみました。

■ 自由貿易拡大よりも国内産業を保護政策

もしドナルド・トランプ氏がこれまで主張してきた通商政策を実施するならば、米国と世界各国とのビジネス関係が数十年来なかったほど大きく変わることになる。米国・メキシコ・カナダが交わしている北米自由貿易協定(NAFTA)などが米国の失業につながっていると批判してきたトランプ氏は、複数の既存の通商協定から離脱すると主張してきた。世界貿易機関(WTO)から離脱する可能性にさえ、言及してきた。
企業の海外流出、特にメキシコへの流出を阻止すると公約してきたトランプ氏は、輸入関税を支持し、中国には45%、メキシコには35%を課す考えも示している。

下のグラフは、世界の輸出ベース貿易額の推移ですが、2008年のリーマンショックまでは順調に伸びてきましたが、実は近年ではすでに頭打ち状態です。そのため、貿易立国日本には既に厳しい環境にあったので、安倍さんは何としても「TPP」を成立させ、さらなる貿易拡大を狙っていたのですが・・・、水の泡に。

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また、JETROのデータによると、2014年の世界の輸出ベース貿易額は18.7兆ドル。その中で、米国は1.6兆ドル、英国は0.5兆ドルで2国合わせると世界全体の11.2%。ただ、貿易なのでこの2国の貿易方針の変更が影響を受ける貿易額は、倍の22.4%

トランプ大統領の誕生、この6月に決定した英国のEU離脱といい、ここ数十年の間に急速に進んできた経済のグローバル化は、どうやら方向転換の時代が来るようですね。

■ 地球温暖化対策より、国内エネルギー産業保護政策

トランプ氏は、気候変動対策のために2015年12月に195カ国が締結したパリ協定を「キャンセル」すると発言している。さらに、国連の気候変動対策計画のすべてに対する米国の拠出金を停止すると述べている。
ひとつの国が単独でパリ協定を破棄することはできないが、米国が離脱したり、バラク・オバマ大統領が導入した国内施策を取りやめたりすれば、協定の実効性に大きな打撃となる。
トランプ氏は、化石燃料の採掘拡大、規制緩和、「キーストンXLパイプライン」と呼ばれるカナダと米国との間の石油パイプライン敷設を支持している。

どうやら、トランプ氏は「気候変動懐疑派」で、地球温暖化対策は必要ないと考えているそうだ。そして、そのトランプ氏のエネルギー政策の中核は、国内エネルギー生産の拡大と米国のエネルギー自給の確立とのこと。
一方、「パリ協定」は、1992年から国連が中心になり、地球温暖化対策を国際的に進めるために作られた気候変動枠組条約(COP)の最新版(京都議定書を掘り下げたもので2015年にパリで採択)です。この「パリ協定」、トランプ氏は「米国経済の復活のための妨げになる」なると考えているそうです。

■ 自国の防衛費は自国の財布から!

トランプ氏はNATO(北大西洋条約機構)について、時代遅れな存在で、加盟国は米国の気前の良さに感謝していないと批判してきた。米国はもはや、相応の報酬を受けなければ欧州やアジアの国々を守るための費用負担はできないし、相手国が費用を分担しなければ米軍は引き上げる考えを示している。
ほとんどのNATO加盟国が国内総生産(GDP)比2%以上の国防費負担という目標に達していないことは、米政府がかねてから問題視してきたもので、トランプ氏はある意味でそれをあえて口にしているに過ぎない。しかし、60年前から米外交政策の礎石だったNATOから、トランプ氏は遠ざかるつもりではないかと複数の専門家が指摘している。

ここのところ、年々微増している日本の国防費ですが、その額は平成28年度予算で前年度と比べて386億円増額の4兆8,607億円。ただ、米国の国防費は、日本の約12倍!
国の経済力の指標としてよく使われるGDP(国内総生産)に対する上記の国防費の比率を見てみると、日本は1.0%、一方の米国は3倍以上の3.4%です。
どうやら、この事実が、トランプ氏の主張の根底にあるようです。

この問題に関しては、以前詳しく記事化しておりますので、こちらをご参照下さい

■ 共通の敵「イスラム国」(IS)掃討でロシアと共同戦線!

トランプ氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は強力な指導者だと称え、良好な関係を築きたいと発言。自分ならば、プーチン氏との緊張関係を緩和できるはずだと主張してきた。
これが具体的に何を意味するのかはほとんど言及していないが、過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)掃討のため共同戦線を張りたいという意向は示している。
その前にはロシアが「道理をわきまえた」相手かどうか確認するつもりだというトランプ氏は、プーチン氏はヒラリー・クリントン氏やオバマ大統領よりも自分のことを尊敬するはずだと自信を示している。

うーん、これに関しては、「日本のレベルを遥かに超えた世界情勢」への対応なのでノーコメントですねぇ・・・。

 

 

この5つの基本政策の中で、日本に直接大きな影響を与えるのは、最初の3つでしょう。
しかも、トランプ氏としては、手の付けやすい政策のような気がします。

安倍さんは、日本のマスコミを通して「脳天気な発言」をしていますが、海外先進国のマスコミは冷たい目で見ています。
これって、海外情報が無かった「大本営発表」の時代とあまり変わらないような、国民をバカにしたやり方のような気もしますが・・・。

 

  ▶▶▶ アメリカ大統領を途中解任ってできるの?
  ▶▶▶ レーガン元大統領とトランプ大統領の政策は似てる?
  ▶▶▶ 在日米軍の駐留費用負担っていくら?

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