屋久杉高級工芸品の高騰のうらがわに中国人

屋久杉工芸品社会・経済

先日、鹿児島の友人と話をしていると、「最近、良質な屋久杉工芸品が高騰している」と聞きました。

もともと、日本の工芸品に興味があった自分は「なぜだろう?」と思い、いろいろ調べてみました。

スギと日本人の深ーい関係

スギは、スギ科スギ属の樹木で、日本では南の屋久島から北は津軽半島にかけて広く分布している日本の特産種と言われています。
最近では、「スギ =スギ花粉=花粉症」とどうしてもマイナスイメージが強いのですが、実はこのスギと日本人の関係は長く、昔から日々の暮らしの中で御神木や並木などとして親しまれていました。

また、スギの幹はまっすぐで軽く加工しやすいため、広く全国で家や様々な家具などの原材料として利用されてきました。
ただ、長年の伐採の結果、日本にはスギの自然林はほとんど残っていません。そんな中で、屋久杉は貴重な自然林のスギの一つなのです。

屋久杉ってどんな特徴があるの?

一般的に、スギの寿命は500年余りと言われていますが、屋久杉は、屋久島に自生するスギの中で樹齢1000年以上のものを言いますが、中には樹齢2,000年を超える巨木もあります。

では、なぜ屋久杉だけがそんなに長寿なのでしょうか?

その理由は、屋久杉は新鮮な水に恵まれながら(屋久島は日本でも有数の多雨地帯)、栄養が乏しい花崗岩の山地で非常にゆっくりと育つため、その木目はぎっしりと詰まっていて、同時に防腐・防虫・抗菌効果のある樹脂分も多いため、腐ること無く長生きすると考えられています。

実際に、日光の杉並木では、樹齢360年程でも直径が150cmを越えるものが多数ありますがすが、屋久杉の場合、樹齢500年でも直径が40cm程しかないそうです。

屋久杉の巨木

高騰する屋久杉工芸品

風雨に耐え抜き数千年も生き続ける屋久杉の生命力は、「長寿」の代名詞であると同時に、厄が過ぎる「厄過ぎ」という語呂の良さもあり、昔から屋久杉工芸品は縁起物とされていました。
しかし、その屋久杉工芸品を作るための屋久杉伐採は、すでに2001年に終了しており、 また今後も伐採が開始されることはまず考えにくい状況です。
そのため、わずかに今も流通している屋久杉は、土埋木とよばれる台風などの影響で自然倒木した二流品が中心なのです。ただでさえ稀少価値の高い屋久杉工芸品なんですが、今後はますます価値が上がると予想されているようです。

屋久杉工芸品テーブル何百万円の値で取引される屋久杉工芸品

聞くところによると、中国から鹿児島への団体ツアーの中には、「屋久杉工芸品買い付けツアー」なるものが存在し、毎回一人数千万から数億円も購入していくそうです。

骨董品や希少品好きな中国人らしい行動ですが、これが屋久杉工芸品の異常な値上がりを引き起こしている原因との声も・・・。

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