先日テレビを見ていると、「世界の人口爆発と食糧難および日本の食料自給率」について話をしていました。番組によれば、「主食の米以外はほとんど輸入に頼っているのに、コンビニ弁当の廃棄とか、家庭内残飯の多さなど国民の食料に対する意識が低すぎる」 とのことでした。
そこで今回は、海外と比較しながら日本の食料自給率の現状について見てみました。なお、この記事の資料の出典は農林水産省HPになります。
食料自給率はカロリーベースで39%、金額ベースで66%
まずはじめに食料自給率とは何かですが、農林水産省によれば「国内の食料消費が、国産でどの程度賄えているかを示す指標」とのことです。裏を返せば、「日本の食料がどれだけ輸入に頼っているか」と言うことです。
その示し方については、単純に重量で計算することができる品目別自給率と、様々な食料について「カロリーや金額という共通のものさし」で単位を揃え計算する総合食料自給率の2種類があるようです。
下のグラフは、50年余の日本の総合食料自給率の推移です。
これを見ると、50年前にはカロリーベースで73%、金額ベースで86%もあった自給率でしたが、ともに右肩下がりで推移し、現在はカロリーベースで39%、金額ベースで66%にまで落ち込んでいます。
ちょっと余談になりますが、カロリーベースのスコアを金額ベースが大幅に上回っているのは、国産の食材が価格が高いということを間接的に示しています。まあ食の安全性や微妙な味覚を考えるとやむを得ないような気もしますが・・・。
西欧先進国を大きく下回る日本の食料自給率
この総合食料自給率を他国と比較してみたのが以下のグラフです。
ドイツやイギリス、イタリアといった先進工業国でも 食料の自給率はかなり高く、カロリーベース・金額ベースともに50%を割っている国はありません。農業国としても有名なフランスはともかく、ドイツやイギリスは日本と変わらないだろうと思っていたので、この数字はかなり意外でした。 w(゚o゚)w
最後に品目別自給率ですが、やはりタンパク源となる品目は極めて自給率が低く、海外依存率が異常に高くなっています。
国は、平成37年度までに食料の自給率を39%→45%(カロリーベース)に引き上げようとしており、「ごはんを食べよう。和食を食べよう。」 などと下記のように一生懸命宣伝しています。
しかし、「食は個人の好み」なので今さら国民の食生活が昔のように和食中心の食生活に戻るとは考えられません。いい加減に「米に偏重」したの政策を抜本的に見直し、どんどん洋食化していく国民の食生活の変化に合わせた農業構造に変えていく必要があるのではないでしょうか?