日本は今後、世界でも類を見ないほど、急激に「少子高齢化社会」をむかえると言われています。
では、いったい日本の人口構造はどのように変化してきて、そしてどのように変化していくのでしょうか?
今回は日本全体の人口ピラミッドの変化だけでなく、あわせて一極集中が問題視されている首都東京と、過疎化が問題視されている地方の人口ピラミッドの変化も見てみました。
なお、今回は地方の代表として四国の高知県を見てみました。
興味津々だなぁ・・・
バブル期直前の1985年の日本
1985年の日本は高度経済成長期に続く安定成長期経て、バブル期に突入していく直前の時代です。
自分は1960年生まれなので、この時代は大卒後に社会人になったばかりの頃でした。
まずは、日本全体の人口ピラミッドですが・・・、
団塊世代が働き盛りの30代であり、また子供世代も十分なボリュームが有り、極めて健全で活力溢れる社会構造でした。
また首都「東京」は、20代の若者が極めて多い構造で、非常にエネルギッシュな都市であった思われます。
一方、地方である「高知県」は、東京などの大都市圏への若者の流出で、20代が少ないものの、30-50代の働き手はまだ十分なボリュームがありました。
この時代の日本は、大都市も地方も非常に元気だったと想像できます。続いて、15年後の2000年です。
バブル崩壊後の低成長期まっただ中の2000年
2000年はバブル崩壊から10年で、長引く景気低迷の下で日本全体がもがき苦しんでいる最中でした。
まずは、日本全体の人口ピラミッドですが・・・、
団塊世代も50代になり1985年当時と比べると、ピラミッド全体の重心が上方にシフトしています。まだ、救いなのが30歳前後の団塊ジュニアの存在です。また、この頃から少子高齢化の兆しが見え始めました。
この時の「東京」は、相変わらず20代の若者が多いのですが、団塊世代が50代になった影響で徐々に高齢化の兆しが出てきました。企業内でも「窓際族への肩たたき」や「早期退職制度の強化」など様々な変化が・・・。
一方、「高知県」の方は50代中心の構造になっており、将来が心配される構造になっています。
この時代の日本は、大都市も地方も将来がやや心配される暗雲が・・・。ちなみに日本で介護保険制度が始まったのはこの2000年です。
次は、15年後の2015年です。
2015年、ほぼ今の日本の姿は?
さて、現在の日本ですが・・・、
団塊ジュニアにあたる40代がまだまだボリュームがありますが、その上には団塊世代を中心に非常に多くの高齢者世代が。将来の働き手の若い世代は減る一方。
すでに、高齢者社会の入り口で社会保障費の増大とそれを支えるための年々増加する財政借金で青色吐息の日本。
ニッポンは本当に国の将来が不安視されます。
「東京」はすでに20代若者の膨らみはなくなり、ボリュームゾーンは40代を中心とした構造へと変化しています。また、着実に高齢者も増えています。
一方、「高知」は60代以上の人口が大幅に増え、ピラミッドの下部は萎み、完全に少子高齢化状態となっています。
2000年から2015年の間の低成長期に、日本の人口構造は大きく変わり、少子高齢化社会の到来となっています。
最後は、15年後の2030年です。
思ったより東京もいびつだなぁ・・・
悲惨な2030年の人口ピラミッド
どう見ても、この後数十年間は少子高齢化社会が続いていくことが確実な2030年の日本全体の人口ピラミッドです。この頃自分は70歳ですが・・・、ほんと悲惨な人口構造ですね。
厳密な計算はしていませんが、グラフを見る限り人口の重心は50代後半のようです。
これでは、移民による労働力サポートが今より大幅に増えていなければ、とても社会は成立しないと思います。
こりゃあ、酷い!
「東京」の方も日本全体と似たような状況です。とても世界のトレンドを牽引する「若者の活力が溢れる街」とは思えません。
また「高知」は、このような人口構造で「社会は本当になりたつのか?」と疑問を持ってしまうほど悲惨な状態です。
いったい日本の将来はどうなるんでしょうか?
本当に安倍政権の掲げる「一億総活躍社会の実現(少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持し、家庭・職場・地域で誰もが活躍できる社会を目指す)」政策で、ますます激しくなるグローバル経済社会で競争力を維持していけるのでしょうか?
また、急速な高齢化を背景とする年金・医療・介護を含めた社会保障費の増大とその財源不足には、どう対処するのでしょうか?
現在の弱者切り捨ての安倍政権の政策で、なんだかんだ言いながらも結局は国民に負担を強いる(増税やサービスカット)のにも限界があるでしょうに・・・。
いったい、日本はどうなるんだろう・・・