訪日外国人旅行者の日本への経済効果はどのくらい?

自分のように東京に住んでいると、季節に関係なくいたるところで外国人観光客を目にするようになりました。

実際、観光庁の発表によると、2018年の訪日外国人観光客数は3119万人と過去最高を記録、5年前の3倍に増えているそうです。またこの訪日外国人観光客による消費額は、全体で4兆5,064億円、1人当たりの旅行支出は15万3千円だそうです。

今回はこの訪日外国人観光客が日本経済にもたらす影響(いわゆる経済効果)について見てみました。

訪日外国人観光客の経済効果は微々たるもの!

2003年当時、バブル崩壊から10年以上も経つのに、依然として出口の見えない不況のもと、当時の総理大臣小泉首相が以下のような“観光立国宣言”をし、訪日外国人観光客の消費を国の重要産業として育てていくような政策を立てたのが外国人観光客拡大の始まりでした。

「観光の経済波及効果は大きい。急成長するアジアをはじめ、世界中から日本に観光客を呼び込もう。そうすれば、地域活性化や雇用機会の増大などの効果が期待できまる。」

その結果、当時500万人程度だった訪日外国人観光客数は、どんどん増え今では当時の6倍の3,000万人にまで膨れ上がったのです。
最近政府が発表した将来の目標は・・・、2020年4,000万人、2030年6,000万人となっています。

出典:インバウンドNOW

さて、本題の訪日外国人観光客の経済効果の方ですが、直近の2018年の訪日外国人観光客の日本での消費額は、全体で4兆5,064億円となっています。
2017年度の日本のGDP(国内総生産)が549兆円なので、今現在外国人観光客の日本での消費額はGDPの約0.8%を占めていることになります。この額がどの程度のものなのかピンとこないので、各産業のGDP構成比を見てみました。

一番多いのは製造業で21.2%、続いて卸売・小売業 13.8%、不動産業11.4%、専門・科学技術、業務支援サービス業7.3%、保健衛生・社会事業7.1% となっています。
そうなんです、GDPの0.8%を占める外国人観光客の日本での消費額は、日本経済全体への貢献度という面で見ると微々たるものなのです。ちなみに、農林水産業は1.2%となっています。

「観光立国」はただの妄想

 次に、訪日外国人観光客の日本での消費額(2017年 出典元:観光庁)を国別に見ていくと・・・、

1位:中国 1兆6,946億円
2位:台湾 5,744億円
3位:韓国 5,126億円
4位:香港 3,415億円
5位:アメリカ 2,503億円

 となっています。
日本各地でさんざん迷惑をかけている中国人観光客は、確かに2兆円近い額に上っていますが、しかしGDP比で考えるとたったの0.3%でしかないのです。
「爆買い、爆買い!」と中国人観光客の一部の恩恵を受けている人たちが、なりふり構わず「目指せ観光立国!」と騒ぎすぎているのではないでしょうか?
この程度の産業規模では、日本のような大きな国の「立国」など到底不可能なのです。

政府は「観光立国」などという妄想は早く捨て、もう少し狭い日本で日々暮らしている国民の事を考え、日本のモラルを守らない外国人観光客には厳しく対処すべきではないでしょうか?

欧米の先進国の外国人観光客の状況

では、欧米の先進国にはどのくらいの外国人観光客が来ていて、どのくらいの金額を消費しているのでしょうか?

下の表は国連世界観光機関(UNWTO)が発表している「世界の入国者数上位国」です。

これを見ると、フランスが最も多く8,690万人(2017年)です。これは現在の日本の3倍弱です。
フランスの人口が6,700万人であることを考えるとすごい人数ですね。この数字を今の日本に当てはめて考えると・・・、
現在の6倍近い1億7,000万人もの外国人観光客が毎年押し寄せてきて、日本国中、どの観光地や繁華街も中国人をはじめとしたアジアからの外国人観光客で溢れかえることになります。

みなさん、どう思います?

次に、欧米の先進国の外国人観光客からの収入です。
下の表は国連世界観光機関(UNWTO)が発表している「世界の外国人観光客からの収入上位国」です。

これを見ると、観光客数では3位だった米国が2,107億ドルでダントツ1位です。日本円に換算すると約23兆円になります。すごい額ですが、米国のGDP比で見てみるとたったの0.1%に過ぎません。

同様に2位と3位のスペイン、フランスもGDP比で見てみると、スペインが5.1%でフランスが2.3%です。

やはり、人口が多く経済規模の大きな国では「観光立国」など枝葉の政策でしかないのでしょうね。

日本の場合、「観光立国政策」では「少子高齢化社会」から日本経済を救うことなどハナハナ無理な話ですね。

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