“天才” 石原慎太郎 著 〜片麻痺おやじの読書感想文

田中角栄おやじの戯言

先日、東京の歴史に関するちょっとした調ベものをする為に図書館へ行った際に偶然表題のような本を見つけました。これからの日本のゆくえを大きく左右する「4年ぶりの衆議院議員総選挙」まで2週間という時節柄、今回はこの本についてご紹介します。

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「田中角栄」って何者?

自分のような昭和生まれの人なら誰でもが知っている「田中角栄」ですが、今の若者で知っている人は非常に少ないのではないでしょうか?実際に20歳前後の自分の子供達に聞いても「名前は聞いたことはあるけどなにした人?」と予想通りの返事が返ってきました。

そこでまず最初に、若い人たちのために「田中角栄の略歴と主な実績」について簡単に説明しておきます。

 昭和後期に活躍した大物政治家 田中角栄(たなかかくえい)
・1918(大正7年)〜1993(平成5年)

おやじ
おやじ

大正生まれだったんだ。他界してからもう25年以上かぁ、若い人達が知らなくても当然だな・・・。

・1947年に29歳の若さで郷里の新潟3区で衆議院議員に初当選し、その後、戦後の日本の基礎を築いた吉田茂に可愛がられて岸、池田、佐藤首相時代は郵政大臣、大蔵大臣、通産大臣などの国政の重要ポストを歴任。

おやじ
おやじ

まさに戦後の日本経済を作り上げた超大物政治家だったなあ。

・1972(昭和47年)には54歳の若さでついに日本のトップである首相に就任

おやじ
おやじ

高等小学卒(現在の中卒)にも拘わらず、もの凄いスピードで出世したためメディアは「今太閤」と騒ぎ立てていたなぁ。就任後に発表した“日本列島改造論”は高度経済成長期の日本の屋台骨だったなあ。外交面でも「日中の国交正常化」をアメリカを無視して半ば強引に推し進めたワンマンだったなあ。まさにマスコミの付けたあだ名「コンピュータ付きブルトーザー」そのもので、トランプ氏のように国内外で大暴れした政治家だった記憶があるなあ。

1976年12月には金脈問題をマスコミに叩かれ総辞職に追い込まれる。
・翌年にはアメリカで起きた“ロッキード事件”で逮捕され、国政の表舞台から退く。

おやじ
おやじ

ロッキード事件は今だに真相は判明しておらず、「ニクソン政権が角栄を危険人物と判断し表舞台から葬るための陰謀だったという噂もあったなあ。

・逮捕後1ヶ月で保釈される。その後は表舞台にこそ出なかったが、自民党最大の権力者として裏から日本の政治に多大なる影響力を持っていた。
・1985年(昭和60年)脳梗塞で倒れ、以降政治活動は不可能になる。そして、ついに1993(平成5年)肺炎のため75歳で死去。

おやじ
おやじ

メディアでは“目白の闇将軍”とか“キングメーカー”とか呼ばれていたなぁ。

個人的な見解になりますが、本当に日本の将来のことを考え、強引に突き進んだ立派な政治家だったと思います。

田中角栄は、知恵も知識もないが家柄だけは良く、思いつきだけで考動する「浅はかでズル賢く器の小さい安倍元総理」とまさに正反対の人間だと思います。さすがに金に対する認識は古すぎるとは思いますが・・・、様々な面で限界にまで追い詰められているこれからの日本には彼のようなブレない信念とガタガタ人の批判ばかりしている連中を行動力で蹴散らすパワーを持った政治家が不可欠ではないでしょうか?

この本の特徴とおすすめポイント

この本の最大の特徴は、著者が“芥川賞作家”であり“長年国会議員と東京都知事”を務めたあの石原慎太郎であることです。しかも角栄自身が書いた自叙伝のような方式で角栄の一生が綴られているのです。しかも慎太郎が政界を引退した直後の2016年に書かれたものなのです。

ただでさえ歯に衣着せぬ発言で有名な慎太郎が、様々なしがらみから開放された上で彼が後世に伝えたいと考えている教訓が随所に隠れています。

読後の感想

かつて金権政治を批判しアンチ田中角栄の急先鋒であった石原慎太郎が角栄の人間性をこんなに高く評価しているのには驚きました。(※金権政治=金の力で政治権力を掌握すること)

今的にはパワハラの権化のような角栄ですが、何事もオープンで実行力のある気持ちのいい政治家だったため官僚や官僚出身議員には天敵のように嫌われていたようです。一方国民(とくに庶民)には非常に人気のあったようです。自分も中学のころから角栄ファンだったのですがこの本を読んでからますます好きになりました。

国益を考えず私利私欲に走り、国民をさんざん食い物にしている安倍・麻生・甘利の枕元に立ち、自民党の先輩として昔のようにきつく怒鳴りつけて欲しいものです。

良くも悪くも角栄は「昭和の象徴」!

最後に、やや古いのですが偶然見つけた朝日新聞のアンケート調査(朝日新聞読者3,000人、2009年実施)の結果をご紹介します。

昭和の象徴

●昭和といえば思い浮かぶ人物は?(1人自由回答)

1位(733人)昭和天皇
2位(494人)田中角栄
3位(143人)美空ひばり
4位(129人)吉田茂
5位(58人)東條英機
6位(33人)佐藤栄作
7位(31人)長島茂雄
8位(17人)松下幸之助
8位(17人)中曽根康弘
10位(16人)ダグラス・マッカーサー

1位の昭和天皇はほとんど反則なので、それを除くと「田中角栄」が断トツです。これにはさすがに自分も驚きました。皆さんはどう思いますか?

この本を読む読むと、頭の中でもや〜としていた戦後の日本の歩みが明確になると同時に今の政治の裏側が見えてきます。角栄政治と関係がない若い世代の人達にも是非読んで頂きたい1冊です。


 

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