今回のロシアのウクライナ侵攻に深く関係していると言われている「NATO」。このNATOとはいったい何なんでしょうか?
今回はいい機会なので自分の頭を今一度整理するためにも最新のNATO情報を調べてみました。
第二次世界大戦後の冷戦時に生まれた軍事同盟NATO
NATO(North Atlantic Treaty Organization)は第二次世界大戦後の東西冷戦が激化した1949年に米国・カナダ及びイギリス・ベルギーなどの西欧10か国、計12か国によって創られた国際軍事機構です。日本語名は北大西洋条約機構です。このNATOは、イギリス、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクが1948年に結んだ「ブリュッセル条約」にもとづく軍事機構が創設母体となっています。
【当初加盟国】
アメリカ、カナダ、イギリス、ベルギー、デンマーク、フランス、アイスランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル
NATOの本部はベルギーのブリュッセルにありNATO軍と呼ばれる独自軍(加盟国が個別国軍とは別)を持っています。ただ、このNATO軍自体は国連軍と同じで加盟国からの寄せ集めでその多くは派遣事案ごとにその都度招集組織され、通常はほとんど戦力はありません。そんなNATOの最終的な目的は、加盟国の領土及び国民を防衛することです。そのために「集団防衛」「危機管理」「協調的安全保障」の3つを中核的任務としています。
NATOの宿敵、ワルシャワ条約機構の誕生
その後、1952年にギリシャとトルコ、1955年にはドイツ(当時の西ドイツ)がNATOに加わり、同時に第二次世界大戦で疲弊したNATO加盟各国も徐々に国力を復活させ、NATOは名実共に世界最大の軍事同盟となりました。
一方のスターリン率いるソ連は、1953年のスターリンの死去やドイツのNATO加盟に危機感を持ち、1955年に東欧圏7か国(アルバニア、ブルガリア、ハンガリー、東ドイツ、ポーランド、ルーマニア、チェコスロバキア)と共にモスクワに本部を置く「ワルシャワ条約機構」(=東側陣営のこ国際軍事同盟)を立ち上げました。
ソ連崩壊とNATOの拡大
その後、ソ連を始め東側陣営各国は社会主義経済の低迷の結果から事実上の国家破綻状態になってしまい、ついに1980年代後半には東欧諸国が次々と社会主義からの離脱し、ソ連から離れていきました。ソ連自体も1991年7月には連邦国家を解散し崩壊してしまいました。これによりワルシャワ条約機構も自動消滅してしまいました。
一方のNATOは、1982年にはスペイン、1999年には元々の東側陣営だったチェコ、ハンガリー、ポーランド、2004年にはエストニア、スロバキア、スロベニア、ブルガリア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、2009年にはアルバニア、クロアチア、2017年にはモンテネグロ、2020年には北マケドニアが次々と新規加盟しその勢力を拡大してきたのです。ちなみに2022年3月現在、加盟国は30か国、トップの事務総長は元ノルウェー首相の イェンス・ストルテンベルグ氏となっています。
このようなNATOですが、その規定の中に侵略サイドを震え上げさせる非常に珍しい規定があります。それは・・・
加盟国中の一国に対する武力攻撃は全加盟国に対する攻撃とみなし、攻撃を受けた国の安全を回復・維持するために兵力使用を含む援助行動を取る(=集団的自衛権を行使する)。
というものです。実は今回のロシアの無茶なウクライナへの軍事侵攻の理由はここにあります。ウクライナのユーシチェンコ大統領がNATOへの早期加盟意思を示したことにロシアのプーチン大統領がキレたのです。
NATOと日本の関係は?
大半の日本人は「NATOは大西洋だから地球の裏側。日本には関係ないでしょ。」と思っていると思いますが・・・、実は関係あるのです。NATOには30か国の加盟国以外にパートナー国と呼ばれる国が41か国もあり、その中の1つが日本なのです。
ただ、このパートナー国とNATOとの取り決めは非常に緩く、まあエイヤアーで言うと「世界平和実現のためにお互い協力していきましょう。」ということです。例えば、2014年合意した,「日・NATO国別パートナーシップ協力計画(IPCP)」では、「日本の各分野専門家と連絡員を派遣する」といったものです。まあ、日本らしいですね。















