自分が初めて中国(上海)に行ったのは、30年前の1987年。
同時は、まだ兌換紙幣しか使えず、街には懐かしの人民服を来ている人もたくさんいました。
その時代の「共産党員」と言えば、エリート中のエリートで、訪中した外国人ビジネスマンは必ず挨拶に行き、会食をしたものでした。
建国時の共産党員数は448万人、今では8779万人に!
1949年の中国建国時の共産党員数は448万人で、当時の人口は5億4167万人だったので、人口に占める割合は0.83%。
ところが今では、共産党員の数は20倍に膨れ上がり、8779万人(2014年末)で人口比は6.7%。
なぜ、こんなことになったのでしょうか?
確かに人口の方も、5.4億人から13.7億万人と2.5倍に増えています。
ただ、共産党員の数は20倍です。
よく言われているのは、「江沢民時代の2002年に私営企業経営者の入党が認められたこと」が大きな要因という説です。
でも自分は、ややこの説に疑問を感じ、やや突っ込んで調べてみました。
<中国共産党員数の推移>
人口 | 共産党員数 | 人口比 | |
1949年 | 5.4億人 | 448万人 | 0.83% |
1977年 | 9.5億人 | 3605万人 | 3.8% |
1992年 | 11.7億人 | 5279万人 | 4.5% |
1999年 | 12.6億万人 | 6100 万人 | 4.8% |
2010年 | 13.4億万人 | 7800万人 | 5.6% |
2014年 | 13.7億万人 | 8779万人 | 6.7% |
無茶苦茶な歯抜けなんですが、上の数字をグラフ化してみると・・・、
そうなんです、中国共産党は多少の波はあるものの、建国以来一貫して党員を増やし、勢力拡大を図ってきたのです。
確かに共産党員の膨張は、2002年の江沢民よる「私営企業経営者の入党許可」による影響もあるかもしれませんが、その事自体よりも・・・、
2010年代の長引く好景気の中で「共産党員になれば、簡単に儲けられる」という風潮が広がり、私営企業経営者等が共産党になだれ込んできた結果が現在ではないでしょうか?
ちなみに、日本の自民党の党員数は、絶頂期のバブル期には500万人もいたそうですが、現在は約100万人にまで減少。・・・中国共産党は基盤が強い!
意識の低い党員の増加とモラルの低下
このような党員の水ぶくれが原因で、急拡大してきた「党員による汚職」。そのため、習近平主席はここ数年、必死になって「反腐敗キャンペーン」の実施や「共産党の綱紀粛正=ぜいたく禁止令」の発令ですが・・・、
中国はもともと「口利きの国」。どこまで効果が上がるのやら?
上記の問題とは別に、中国共産党が最近頭を悩めている問題が、党費の滞納問題のようです。その額は、この8年間で合計約100億元(約1,500億円)。
共産党の党費は、個々の月給の額によって、以下のように決められているそうです。
- 月収が3,000元以下の場合は、月収の0.5%
- 3,000~5,000元の場合は、月収の1.0%
- 5,000~10,0000元の場合は、月収の1.5%
- 10,0000元以上の場合は、月収の2.0%
例えば、月収10,000元(約15万円)ならば、党費は200元(約3,000円)/月ということです。
また、6ヶ月未納が続いた場合は離党手続きを取らなければならないそうです。
このような党内での長引く「汚職の蔓延」や「モラルの低下」を受け、中国共産党は、今後は党員の「総量を抑え、質を高める」という方針を発表したそうです。
今年の3月5日に開かれる、中国の最高機関である全国人民代表大会(いわゆる全人代)。いったい、その場でどのようなことが発表されるのやら・・・。







