温泉の種類と特徴を正しく知って自分に合った温泉を選ぼう

道後温泉レジャー・観光
出典:道後温泉HP

今回は、“温泉の種類”について調べてみました。

どうやら、通常、温泉は以下の4つの基準に基づいて分類されるようです。

1.温度 (泉温)
これは、鉱泉が地上に湧出した時の温度、または採取した時の温度よる分類です。

2.液性 (pH)
これは、鉱泉の湧出時の水素イオン濃度(pH値)による分類です。

3.浸透圧
これはちょっと難しいのですが、簡単言うとヒトの体への温泉成分が入りやすさ(浸透しやすさ)による分類です。

4.泉質 (化学成分)
これは、鉱泉の含まれる様々な成分とその濃度による分類です。

この4種類の分類法の中で、最も重視されているのは・・・、
もちろん、4の「成分」のようです。

では、それぞれの分類法について、より詳しくご説明してきます。

温度(泉温)について

鉱泉の元の温度により、以下の4種類に分類されています。

■ 冷鉱泉       25度未満。
■ 低温泉       25度以上34度未満。
■ 温泉 (普通泉)   34度以上42度未満。
■ 高温泉       42度以上。

通常、実際の湯船に入れるお湯は、加熱や加水により温度調整がされています。

自分のような高血圧の人は、熱いお湯は避けたほうが無難ですよ。
参考のために、自分が医者から注意されていることを書きます。

熱いお湯は避け、ぬる湯に浸かる
→ 熱いお風呂に入ると、血圧は30-50も上がるそうです

全身浴よりも半身浴がお薦め
→ 半身浴は心臓への負担が軽いそうです

こまめに水分補給をする
→ 大量の汗をかくと、血液がドロドロになり、脳梗塞の危険が高まるそうです
(自分はいつも水筒を持って、温泉に入っています!)

急激な温度差を避ける
→ 冬の露天風呂に入る時は、内風呂で十分に体を温めてから外に出る

せっかく温泉に来て、「脳卒中」で倒れる人もいるそうです。
十分注意しましょう。

液性(pH)について

鉱泉の湧出時の水素イオン濃度(pH値)により、以下の5種類に分類されています。

■ 酸性        pH3.0未満。
■ 弱酸性      pH3.0以上6.0未満。
■ 中性        pH6.0以上7.5未満。
■ 弱アルカリ性   pH7.5以上8.5未満。
■ アルカリ性    pH8.5以上。

一般的に、火山性温泉には酸性泉が多く、逆に、平地などの非火山性温泉にはアルカリ泉が多いそうです。
また、pH値が高過ぎる(あるいは低過ぎる)場合は、体への刺激が強すぎるため、加水して薄めるそうです。

高血圧治療に効く温泉としては、ナトリウム硫酸塩泉、カルシウム硫酸塩泉、マグネシウム硫酸塩泉、二酸化炭素泉などの酸性泉が多いようですが、アルカリ泉のなかにも効く温泉もあるそうです。ようは、pH値よりも泉質の影響が大きそうですね。

浸透圧について

鉱泉の湧出時の溶存物質総量(g/kg)により、以下の3種類に分類されています。

■ 低張性泉  8g/kg未満
■ 等張性泉  8以上10g/kg未満
■ 高張性泉  10g/kg以上

高張性泉は、温泉の成分が浸透しやすく効果は高いのですが、その分、体への刺激が強く「湯あたり」を起こしやすくそうです。
まあ、一般的には、高張性泉は効果が高い温泉、低張性泉は体にやさしい温泉、と言われているそうです。

泉質(化学成分)について

泉質は、含まれている温泉成分の違いにより決まりますが、これが極めてわかりづらい。
というのも、以前は温泉法の中で「11種類」に分けられていたが、昭和54年に国際基準に合わせる形で、“含まれる化学成分に基づいて、化学成分をそのまま分類名で表す”ように変更したためです。
温泉を楽しむ一般人にとっては、「科学成分名」など馴染みがありません。そこで、今度は昭和57年に新たに「掲示用泉質名」というものが付けられました。
そのため、今現在は、「旧泉質名」と「新泉質名」、さらには「掲示用泉質名」の3種類がある状態なのです。

自分としては、「旧泉質名」だけに戻したほうがいいような気もしますが・・・。

ちなみに、10種類の「掲示用泉質名」とその特徴は以下の通りです。

単純温泉

温泉水1kg中の溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg未満で、湧出時の泉温が25℃以上のものです。このうちpH8.5以上のものを「アルカリ性単純温泉」と呼んでいます。
肌触りが柔らかく、癖がなく肌への刺激が少ないのが特徴で、アルカリ性単純温泉は、入浴すると肌が「すべすべ」する感触があるのが特徴です。
<泉質別適応症>
浴用:自律神経不安定症、不眠症、うつ状態

塩化物泉

温泉水1kg中に溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が塩化物イオンのものです。
陽イオンの主成分により、ナトリウムー塩化物泉、カルシウムー塩化物泉、マグネシウム―塩化物泉などに分類されます。日本では比較的多い泉質です。塩分が主成分となってぃるので、飲用すると塩辛く、塩分濃度が濃い場合やマグネシウムが多い場合は苦く感じられます。
<泉質別適応症>
浴用:きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
飲用:萎縮性胃炎、便秘

炭酸水素塩泉

温泉水1kg中の溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が炭酸水素イオンのものです。
陽イオンの主成分により、ナトリウムー炭酸水素塩泉、カルシウムー炭酸水素塩泉、マグネシウムー炭酸水素塩泉などに分類されます。カルシウムー炭酸水素塩泉からは、石灰質の温泉沈殿物、析出物が生成されることがあります。
<泉質別適応症>
浴用 きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
飲用 胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常(糖尿病)、高尿酸血症(痛風)

硫酸塩泉

温泉水1kg中に溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が硫酸イオンのものです。
陽イオンの主成分により、ナトリウムー硫酸塩泉、カルシウムー硫酸塩泉、マグネシウムー硫酸塩泉などに分類されます。
<泉質別適応症>
浴用 きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
飲用 胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘

二酸化炭素泉

温泉水1kg中に遊雛炭酸(二酸化炭素)が1,000mg以上含まれているものです。
入浴すると全身に炭酸の泡が付着して爽快感があるのが特徴です。ただし加温をすると炭酸ガスが揮散する場合があります。飲用すると炭酸の爽やかな咽越しが楽しめます。日本では比較的少ない泉質です。俗に「泡の湯」とも呼ばれることがあります。
<泉質別適応症>
浴用 きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症
飲用 胃腸機能低下

含鉄泉

温泉水1kg中に総鉄イオン(鉄Ⅱまたは鉄Ⅲ)が20mg以上含まれているものです。陰イオンによって炭酸水素塩型と硫酸塩型に分類されます。
温泉が湧出して空気に触れると、鉄の酸化が進み赤褐色になる特徴があります。
<泉質別適応症>
飲用 鉄欠乏性貧血症

酸性泉

温泉水1kg中に水素イオンが 1mg以上含まれているものです。
口にすると酸味があります。殺菌効果もあります。ヨーロッパ諸国ではほとんど見られない泉質ですが、日本では各地でみることができます。
<泉質別適応症>
浴用 アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症

含よう素泉

温泉水1kg中によう化物イオンが10mg以上含有するものです。
非火山性の温泉に多く、時間がたつと黄色く変色します。
<泉質別適応症>
飲用 高コレステロール血症

硫黄泉

温泉水1kg中に総硫黄が2mg以上含まれているものです。
硫黄型と硫化水素型に分類され、日本では比較的多い泉質です。タマゴの腐敗臭に似た特有の臭いは、硫化水素によるものです。
<泉質別適応症>
浴用→アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症(硫化水素型については、末梢循環障害が加わる)
飲用→耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症

放射能泉

温泉水1kg中にラドンが30×10-10キュリー以上(8.25マッへ単位以上)含まれているものです。
放射能というと人体に悪影響を及ぼすと考えられがちですが、レントゲン等の放射線量よりずっと少ない量となっています。ごく微量の放射能は、むしろ人体に良い影響を与えることが実証されています。
<泉質別適応症>
浴用 高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊椎炎など

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▶▶▶ 身体に良い療養泉

 

 

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