日本の労働生産性は国際的に見てどれだけ低いのだろうか?

日本の労働時間と労働生産性経済・社会

長時間労働が社会問題になるほど「休めない」というイメージが強い日本ですが、現在、
そこで今回は、国際的に見た日本の労働環境と労働生産性について詳しくみてみました。

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世界一多い日本の祝祭日数

まだ記憶に新しいのですが、安倍政権が半ば強引に推し進める働き方改革」の一環として、2019年のゴールデンウィークは4月27日から5月6日までなんと10連休でした。

しかし、多くの庶民の反応はというと・・・、

「ゆっくり旅行でもしたかったが、お金がない!」
「介護のパートは休むことが出来ず、学校が休みの子ども世話が大変だっただけ!」
「連休が長すぎて何をしたらいいかわからなかった!」

といったネガティブなものも多かったようです。やはり、今の日本では一部のお金持ちを除いて、お金に余裕がない大半の人はやることがなく時間を持て余してしまうだけではないでしょうか?

そんなニッポンですが、実は日本の祝祭日の日数は、今現在でも諸外国と比べて群を抜いて多く、日本は祝祭日数世界1位の国なのです。
バカンス大国と呼び声の高いフランスが年間9日米国10日だが、日本は欧米勢より1週間以上も多い17日もあるのです。

一方、有給休暇について見てみると・・・、

フランスは有休付与数、消化数とも30日100%消化しています。また、スペイン、ブラジル、オーストリア、イタリアと総じてヨーロッパの国々では、有休付与数が多くまた取得率も高くなっています。
しかし、日本は・・・有休付与数20日、消化数10日で取得率50%という燦燦たる数字です。

最後に、これらの祝祭日と消化有給休暇を合わせた休暇日数合計を見ると、やはりフランスとスペインが39日など、ヨーロッパ各国が上位を占めています。日本は27日とランキングの中位に入る水準にあり、意外にも米国は24日にとどまっています。

こう見てくると、日本の労働環境の改善のためには、よく言われる「有給休暇日数とその取得率UP」は当然の課題ですが、国主導型の祝祭日については増やすのではなく、むしろ減らすべきのような気がします。

日本人は「休み」を取ることに「罪悪感」

下のグラフはエクスペディア・ジャパンが毎年実施している「有給休暇の国際比較調査(世界28ヶ国18歳以上の有職者男女計9,424名対象)」の中の「休みを取ることに罪悪感があるか?」という質問に対する回答です。

有給休暇を取ることに罪悪感

罪悪感がある」と考える日本人の割合は59%にものぼり、なんと韓国に次いで世界で2番目です。

また、日本人が休みを取らない理由は・・・、

1位 「人手不足」
2位 「同僚が休んでいない」
3位 「お金がない」

ということです。なんか、寂しくなるような結果ですね。

石川啄木の有名な俳句「働けど働けどなお我が暮らし楽にならざりじっと手を見る」が頭に浮かびませんか?でもこれが、中間所得層が崩壊し、富裕層と貧民層にどんどん二極化が進んでいる日本社会の現実ですかね。

このような日本の実情を変えていくために、政府では「第4次男女共同参画基本計画」のなかで、「2020年までに、有給休暇の取得率を70%にする」という目標を掲げています。さらに、労働者が有給休暇を取得することを企業の義務とする法案も検討されています。
本当に、今年中にそんなことが出来るんでしょうか?

おやじ
おやじ

政府は現実をよく見て欲しいなぁ・・・。

日本の労働時間は本当に長いのか?

次に1人当たりの年間実労働時間をみてみました。
やや古いのですが、2015年のOECDの統計によると、世界の1人当たり年間実労働時間は1,749時間となっています。日本はというと1,719時間で世界平均を下回っていて、ランキングでは38か国中11位という結果です。
ちなみに1位は南アフリカの2,209時間で、2位はメキシコの2,142時間、3位は韓国2,114時間となっています。逆に最下位(=実労働時間が短い)はドイツ1,368時間フランス1,482時間、デンマークは1,457時間となっています。ちなみに、アメリカ日本より長く1,790時間、オーストラリアは1,665時間、カナダはほぼ日本並みの1,706時間です。

こう見てくると、確かに日本の労働時間は欧州各国よりは長いが、世界的に見ると平均的な水準のようですね。

おやじ
おやじ

自分がサラリーマンをやっていた20年以上も前は、有給休暇をとる人などおらず、逆に休日出勤の代休が消化しきれない人が多い時代だったなぁ。

極めて低い日本の労働生産性

しかし、労働生産性のという面はどうでしょうか?
同じくOECDのデータによると、2015年の日本人の1時間当たりのGDP(国内総生産)は39.5ドルです。一方、アメリカ は62.9ドルデンマークは63.4ドル、フランスは同60.8ドルドイツは同59.5ドルオーストラリアでも同53.4ドルと、みな日本より大幅に高くなっています。やはり、日本の労働生産性は欧米先進国に極めて低いんですね。

もう皆さんもおわかりの通り、日本の一番の問題点は「労働時間」ではなく、「労働生産性の低さ」にあるのです。では、その原因は何なんでしょうか?

様々な意見がありますが、自分は・・・、
時代遅れなピラミッド型の組織構造の残存と人材有効活用のための取り組みの不足
と思っています。
日本では、20-30年もの間の経済低迷期ですら、世界でも有数な豊富な高学歴かつ勤勉な良質労働者適材適所に配置せず活かしきれていなかった結果が、現在のような「労働生産性の低さ」という社会問題を生み出したのではないでしょうか?

みなさんは、どう思いますか?

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