2年後に迫ってきた2020年東京オリンピックですが、新設する競技施設の工事も本格化しているようです。
そこで今回は、今回のオリンピックを機に東京都が新設する6施設について詳しく見てみました。
総額建設費は合計で2,241億円
東京都が新設するのは、以下の6施設です。
1.アクアティクスセンター:水泳会場
2.アーチェリー会場
3.カヌー・スラローム会場
4.有明アリーナ:バレーボール会場
5.森水上競技場:ボート、カヌー会場
6.大井ホッケー会場
これら6つの施設の総額建設費は、圧縮されてもなお計2,241億円に上ります。
完成後の運営収益は5施設が赤字
これらの新設施設は、巨額を投じ建設してもオリンピック後の利用が順調に進まなければ、維持費がかさみ都財政の重荷となります。
そこで、これら6施設のオリンピック後の利用計画と見てみると・・・、
6施設のうち、バレーボール会場の有明アリーナ(江東区)以外の5施設が赤字運営となる見込みです。大会後を見据え、収益向上や維持管理の効率化が重要な課題ですね。
特に、臨海部で建設中の海の森水上競技場は、2,000メートル8レーンのコースを備えた国内最高峰の水上競技施設で、当初の建設予定費は491億円と巨額。しかし、その後建設コストがやり玉に挙げられ、見直し検討の対象となり、施設構造の修正などでコスト圧縮を図りましたが、・・・それでも298億円。
都は、大会後の来場者目標を年間約35万人に設定していますが、日本国内のボート競技人口はたったの9,000人足らず。都の担当者は、「国内外の大会誘致や、隣接する公園との一体利用などを促す考えで、決して無理な数字ではない」と言っていますが・・・、都の有識者会議では一部の委員が「過大な期待は難しい。身の丈に合った計画でやるべきだ」と指摘しています。
収益向上へ工夫必要
また、6施設の中でオリンピック後の赤字額が最も大きいのが水泳会場のアクアティクスセンター(江東区)です。都は、大会後にワールドカップやアジア選手権などを開催したり、都民の健康づくりの場として開放したりして年100万人の動員を目指すが、プールの水質維持などに費用が掛かり、毎年6億3,800万円の赤字に陥ると試算しています。
一方、唯一黒字が予定されている有明アリーナでは、施設の運営権を民間に売却する「コンセッション方式」を検討しているそうです。
このように巨額の建設費や維持費がかかる大型スポーツ施設は、ただ器を作って終わりではなく、今後は民間の商業施設などと連携を図る等、もっと人を呼び込む仕掛けづくりが必要なようです。
ちなみに、さんざんもめた「新国立競技場」は、当初は2520億円でしたが、その後あちこちから「お金のかけ過ぎ」と非難され約半分の1300億円に圧縮、最終的には2割オーバーの1550億円です。このオーバーした250億円で、100人規模の保育園が80個以上も新設ができるそうです。
皆さんはどう思いますか?























