ただでさえ、少子高齢化の影響で労働力が不足している日本ですが、今回の「コロナ」の影響で日本に入国できない外国人研修生・技能実習生がたくさんいて、彼らの労働力を頼りしている農家や零細企業は大変な状況に追い込まれているそうです。
そこで今回は、この外国人研修生・技能実習生について詳しく見てみました。
外国人研修生・技能実習生が一番多いのは岐阜県!
法務省によると、2018年時点での全国の外国人研修生・技能実習生の数は、312,122人で、これは日本の総雇用者数の0.55%にあたります。自分のように都心で暮らしていると、この外国人研修生・技能実習生を見かけることはめったにありませんが、いったいどこで働いているのでしょうか?
下の表は、都道府県別に見た2018年の人口10万人あたりの外国人研修生・技能実習生の数です。
<人口10万人あたりの外国人研修生・技能実習生の数>
1 | 岐阜県 | 644.47人 |
---|---|---|
2 | 富山県 | 540.57人 |
3 | 三重県 | 534.67人 |
4 | 福井県 | 532.30人 |
5 | 茨城県 | 516.23人 |
6 | 香川県 | 507.48人 |
7 | 広島県 | 504.90人 |
8 | 群馬県 | 442.11人 |
9 | 石川県 | 440.07人 |
10 | 愛知県 | 428.59人 |
11 | 岡山県 | 419.76人 |
12 | 愛媛県 | 406.29人 |
13 | 熊本県 | 398.46人 |
14 | 徳島県 | 366.30人 |
15 | 栃木県 | 341.16人 |
16 | 滋賀県 | 333.64人 |
17 | 静岡県 | 325.69人 |
18 | 佐賀県 | 311.36人 |
19 | 大分県 | 307.69人 |
20 | 山口県 | 304.75人 |
21 | 鹿児島県 | 293.06人 |
22 | 宮崎県 | 285.85人 |
23 | 島根県 | 275.44人 |
24 | 鳥取県 | 265.18人 |
25 | 長野県 | 264.71人 |
26 | 千葉県 | 236.29人 |
27 | 岩手県 | 231.10人 |
28 | 高知県 | 222.52人 |
29 | 福岡県 | 210.63人 |
30 | 埼玉県 | 207.89人 |
31 | 長崎県 | 204.77人 |
32 | 山梨県 | 203.55人 |
33 | 北海道 | 198.88人 |
34 | 福島県 | 194.74人 |
35 | 兵庫県 | 186.47人 |
36 | 山形県 | 181.47人 |
37 | 宮城県 | 167.57人 |
38 | 青森県 | 157.80人 |
39 | 奈良県 | 157.13人 |
40 | 新潟県 | 150.45人 |
41 | 京都府 | 146.28人 |
42 | 大阪府 | 144.29人 |
43 | 沖縄県 | 136.88人 |
44 | 神奈川県 | 112.94人 |
45 | 和歌山県 | 107.49人 |
46 | 秋田県 | 101.63人 |
47 | 東京都 | 61.24人 |
これを見ると、最も多いのはダントツで岐阜県で644.47人、2位は富山県で540.57人、3位は三重県で534.67人、4位は福井県で532.30人、そして5位は茨城県で516.23人となっておりますのでいます。逆に最も少ないのは東京都で61.24人とトップの岐阜県の1/10程度にとどまっています。地域によってずいぶんと差があるんですね。
では、何故岐阜県に外国人研修生・技能実習生が多いのでしょうか?
調べてみると、岐阜県は昔から労働集約型産業の代表とも言える縫製加工業が盛んで、戦後は地方からたくさんの若い女性が集団就職していたそうです。しかし最近では、日本の若い人はこのような仕事を好まず、結果的に極端な労働力不足に陥っていたそうです。そこで岐阜県は1993年にはじまった外国人技能実習制度に目をつけ、早くから県を挙げて外国人研修生・技能実習生の受け入れを図ってきたそうです。その結果、県内の外国人研修生・技能実習生の数が非常に多くなったようです。
外国人研修生・技能実習生はどこから来ているの?
下のグラフは国籍別に見た技能実習生の数です。これを見ると、ベトナムと中国が大半を占めています。7~8年前までは中国人が大半を占めていたのですが、最近では中国人は減り、代わりにベトナム人が急激に増えてきています。平成29年(2017年)時点では、この両者だけで7割以上を占めています。
この国の変化って、安い労働力を求める日本企業の生産拠点の変化と同じですね。日本企業、そして日本自体も、いい加減に安い労働力を求めて世界中を転々とするようなビジネスモデルから脱却しないと、いつまでも経っても明るい未来は来ないと思いますが・・・。
皆さんはどう思いますか?