マスコミがニュースネタがなくなると、必ずはやしたてるのが「世界の人口爆発と食料不足」の問題。
実際に国連の予測では、世界全体の人口は、現在の70億人から、2030年までに約85億人、2050年までには100億人突破、2100年ごろには約112億人にまで爆発的に増加し続けるとのことです。
そこで今回は、世界の人口ピラミッドやさまざまな地域と国を人口ピラミッドを見てみました。

面白そうだなぁ・・・
→→→ 食料自給率、日本はどの程度?
人口ピラミッドの典型的な3つの型
人の移動の影響が少ない国レベル以上の人口ピラミッドには、以下の3つ典型的な型があると言われています。
ピラミッド型(富士山型)
・多産多死の段階にある発展途上国によくみられる型
・医学の進歩とともに死亡率が低下すると人口爆発に直結するタイプ
つりがね型(ベル型)
・人口が増減しない状態で人口の停滞および安定を示している型
・当面安定が予想される先進国でよく見られるタイプ
つぼ型(紡錘型)
・出生数の減少によって自然増加率がマイナスになり将来人口の減少が予想される型
・国そのものが衰退期に向かうことが多い末期先進国タイプ
一般的に経済成長に伴い、ピラミッド型 → つりがね型 → つぼ型へと進むと言われています。
世界全体の人口ピラミッドは?
今後、人口爆発が予想されている74億人の2019年の全世界の人口ピラミッドは下図のとおりです。
見たところ、ピラミッド型とつりがね型の中間のような形をしています。
まあ、世界全体で見れば、人口安定期と言うよりも、まだまだ人口増加期といえると思います。
以下からは、世界の様々な地域と代表的な国の人口ピラミッドを「ピラミッド型 → つりがね型 → つぼ型」の順に紹介していきます。
ピラミッド型の国
アフリカ全体
アフリカは、まさにピラミッド型の手本と言えるような形をしています。
現在でも、アフリカの人口は13億人にものぼり、今後の世界の人口爆発のまさに中心になると言われています。それにしても、中国の14億人って、アフリカ全部より多いとは、あらためて驚きますね。
イラク
ちょっと予想外だったのは、この人口4,100万人の中東の大国イラクです。
イスラム圏での人口増加が激しいとは聞いていましたが、ここまで完全なピラミッド型をしてるとは思いませんでした。
完全に予想外だったのが、 このイスラエルです。
自分は、イスラエルは先進国のようにつぼ型だと思っていたのですが・・・。
インドネシア
イスラム教徒が多いインドネシアも2億7,000万人以上の人口を抱えていまが、形の方はほぼピラミッド型です。45年前はちょうど今の日本と同じ1億3,000万人だったのですが、50年もしないうちに2倍以上に増えています。恐ろしいですね。
インド
インドの現在の人口は13億7,000万人で、中国に肉薄しています。、10年ぐらい前は完全なピラミッド型だったですが、現在はこのようにピラミッド型とつりがね型の中間のような形になっています。さすがに、爆発する人口増加にインド政府も歯止めをかけ始めているのでしょう。
ちなみに国連の予測では、インドの人口は、2022年までに約14億人に達して中国と同水準となり、その後も2070年の23.0億人まで増え続け、そこでやっと減少に転じるそうです。
つりがね型の国
アジア全体
アジア全体で見た場合には、パイの大きい中国や日本の少子化の影響もあるためか、このようにつりがね型になっています。まあ、アジア全体で見れば安定成長期というものですかねぇ。それにしても驚いてしまうのは、アジアの人口は46億人もおり、世界の6割以上も占めていることですね。
フランス
やや意外だったのはこのフランスです。日本と同じようにつぼ型を予想していたのですか、こんな綺麗なつりがね型とは・・・。きっと、フランスは1980年代から少子化対策をやってきた成果なんでしょうね。
アメリカ
アメリカもややつぼ型に近いのですが、つりがね型と言えると思います。ヒスパニックの大量移民の影響でしょうかね。
ただ、米国の白人比率は、1960年の85%から2050年にはヒスパニックやアジアが大幅に増え、47%へと急減するとの予測もあります。この件に関心のある方は下の別記事をご覧ください。
→ 米国の白人比率は1960年の85%から2050年には47%へ

トランプさんが、違法移民に厳しい理由の根底にはこれがあるんだろうぁ・・・
つぼ型の国
西ヨーロッパ全体
西ヨーロッパ全体で見ると人口はアジアの1/2以下の19億人で、 典型的なつぼ型です。
前出のアジア全体(釣り鐘型)と比べてみると、これからの時代は「ヨーロッパの衰退」と「アジアの隆盛」と言われるのもよく理解できますね。
イギリス
このイギリスは、10年ぐらい前までは典型的なつぼ型でしたが、近年はつりがね型への回復の兆しが見えます。こちらも、アメリカ同様に移民の急増の影響でしょうかねぇ。
→→→ 移民の増加で崩壊する欧州の社会
中国
1979年から2015年まで「一人っ子政策」をとってきた中国は、高齢化社会の問題を抱えるつぼ型です。
ドイツ
ドイツの人口ピラミッドは、第2次世界大戦の影響によるクビレはあるものの、典型的なつぼ型です。
日本
日本の人口ピラミッドは、第2次世界大戦の影響によるクビレはあるものの、典型的なつぼ型です。しかも、前の中国と比べるとはるかに高齢化が進展しているのが読み取れます。

横からちょんと押されたら、すぐ倒れそう・・・
こう見てくると、欧米諸国は移民受入や早め早めの少子化対策により、日本のような悲惨な人口ピラミッドの形にならないように対応をしているようです。
それにしても悲惨な日本の人口ピラミッド。
やはり今後は、戦後処理の問題を早く片付け、つりがね型人口ピラミッドを持つアジア全体と、もっと交流を深め、融合していくことが必要だと感じます。


















