誰にもどうすることもできない「少子高齢化の進行」ですが、そんな中で日本の高度成長を支えた東京の「ベッドタウン」はどうなっていくのでしょうか?
そこで今回は、郊外型ベッドタウンの典型である「多摩市」と住職混在の近郊型ベットタウン「大田区」の人口構造の変化を見てみました。
大田区の将来、・・・不安だなぁ。
東京の典型的なベッドタウン多摩市は?
多摩市は東京都の多摩地域南部にある市で、1970年代半ばから都の「多摩ニュータウン計画」とともに急成長した都市です。
そのため、人口は1980年の10万人弱から現在の15万人弱までたった30年間で5割も増えました。
そんな多摩市の1980年、2015年、2045年の人口ピラミッドは以下の通りです。
多摩市 | 1980 年 | 2015 年 | 2045 年推計 |
人口 | 95248 人 | 146631 人 | 122287 人 |
年少人口割合 | 30.8 % | 11.8 % | 9.9 % |
生産年齢人口割合 | 64.7 % | 61.7 % | 49.5 % |
老年人口割合 | 4.5 % | 26.5 % | 40.7 % |
後期老年人口割合 | 1.6 % | 11.2 % | 23.5 % |
1980年の年少人口割合は30%を超えており、一方で老年人口割合はわずか4.5%です。まさに「ニュータウン」ですね。きっと、街の中は小さな子供を持つニューファミリーが一杯の活気あふれていたのでしょう。
しかし、2015年には年少人口が約2割減少し、代わりに老年人口が2割強増加しています。きっと多摩市ではほとんど住民の入れ替えがなかったのでしょうね。まあ、せめてもの救いは生産年齢人口割合がほとんど減少していない点でしょうか。
最後は2045年です。恐ろしいほど頭でっかちの人口ピラミッドですね。人口はたったの30年で17%も減少しています。
さらに、生産年齢人口は2015年に比べ13%も減少し、50%を割っています。一方で老年人口は24%も急増し、40%以上になっています。後期老年人口も人口の1/4近くになっています。
こんな人口構造で、街として機能していくのでしょうか?
多摩市は丘陵地帯なので、お年寄りはサポートなしでは生活していけないのでは?
一方で、多摩市の収入が激変するのは当然のことなので、いったい財政は大丈夫なんでしょうか?
確かに、財政破綻も心配だ。
住宅地という面と産業都市という面を持つ大田区
実は自分が長年住んでいる大田区です。
大田区は早くから都心の近郊型ベットタウン=住宅地という面と産業都市という面の両面で発達してきました。まあ、産業については区の南端にある羽田空港の存在が大きいですね。
そんな大田区の1980年、2015年、2045年の人口ピラミッドは以下の通りです。
大田区 | 1980 年 | 2015 年 | 2045 年推計 |
人口 | 661147 人 | 717082 人 | 749865 人 |
年少人口割合 | 19.5 % | 10.9 % | 10.0 % |
生産年齢人口割合 | 72.2 % | 66.7 % | 61.6 % |
老年人口割合 | 8.3 % | 22.5 % | 28.3 % |
後期老年人口割合 | 2.7 % | 10.5 % | 14.8 % |
表中の年少人口とは0~14歳、生産年齢人口とは15~64歳、老年人口とは65歳以上、後期老年人口とは75歳以上を表します。
特に2015年から2045年までの変化の少なさは意外でした。
大田区は安泰なんだ、よかった。