スペインのマドリードで開催されていた第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)は、今回もさしたる成果を得られないまま閉幕しました。毎年、地球温暖化が原因と思われる異常気象は、世界各地で頻繁に起こっていますが、いったい日本はどうなってしまうのでしょうか?
その地球温暖化対策のカギを握ると言われているのが、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス発電による再生可能エネルギーですが、皆さんは「再生可能エネルギー比率が最も高い都道府県」は、どこだと思いますか?
自分は・・・、「黒部ダムがある富山県か、自然が豊富な北海道かなぁ」と考えていました。しかし、なぜか「大分県」が1位だったのです。
そこで今回は、消費電力量に占める再生可能エネルギー比率について詳しく調べてみました。
再生可能エネルギー比率が最も高い都道府県はどこ?
下のグラフは、各都道府県別の電力消費量に占める再生可能エネルギー発電量(太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス)が占める割合を表わしたものです。(データ出典:環境エネルギー政策研究所)
これを見ると、意外にも第1位は38.6%で大分県です。発電の内訳をみると、地熱が非常に多く再生可能エネルギーの発電量のうち半分近くを占めているのです。別府温泉や湯布院温泉で全国的に有名なこの大分県には日本最大の地熱発電所である「八丁原(はっちょうばる)発電所」をはじめ、大規模な地熱発電所が3カ所もあるそうです。
ちなみに、地熱発電は化石燃料は全く使わず、地下の岩盤の中に閉じ込められマグマの熱で高温になっている地下水を蒸気井(じょうきせい)で取り出して発電に使うため、CO2排出がほとんどゼロで、また天候・昼夜を問わずに安定した発電が可能であるなど非常に優れたクリーンエネルギーだそうです。
続く2位は、これまた意表を突く秋田県です。この秋田県は風力・地熱・水力がバランスよく混ざっています。3位は、水力発電中心の富山県です。
まあ、この上位3県は人口も少なく消費電力量が少ないということも少なからず影響していると思いますが、CO2 排出削減や脱原子力というこれからの世界の潮流を考えると、これらに地域から学ぶべきことがたくさんあるのではないでしょうか?
欧州主要国の再生可能エネルギー比率は?
下のグラフは、欧州主要国と中国・日本の再生可能エネルギー比率(2018年)のグラフです。グラフ内の「VRE比率」は、太陽光や風力といった変動する自然エネルギーの割合を示しています。
これを見ると、日本は16.5%しかなく、軒並み30%以上の欧州各国から大きく遅れていることがわかります。それにしても、アルプスの国オーストリアと昔から風車が有名なデンマークは凄い数字ですねぇ。
また、デンマークやスペインでは2030年に自然エネルギー比率100%を目標としており、ドイツでも同65%という高い目標を決めているそうです。一方日本は同24%という目標という非常に低い目標だそうです。
日本も、いつまでも原発再稼働にこだわるのではなく、再生可能エネルギー開発にお金を向け、早く欧州各国のようになって欲しいものですね。


















