世襲議員だらけの日本の政治は世界的に見て異常!?

政治・行政

年の暮れも迫ってきたこの時期に、世界は「イスラエル・ハマス問題」や「ロシアのウクライナ進行問題」で大騒ぎしていますが、わが国日本の政界やマスコミは「自民党・安倍派の政治資金パーティー」をめぐる問題で一人大騒ぎしています。皆さんもご存知のように、この日本政治資金パーティー問題の根底には日本独特とも言える「世襲議員」の存在と彼らを中心とした「世襲政治」の存在があります。

そこで今回は、この「世襲議員」についていろいろと調べてみました。

そもそも「世襲議員」って何?

一般的に「世襲議員」とは・・・、

祖父母や親や親族が議員で、その政治地盤や資本などを受け継いで議員となった人のこと

で、似た言葉に「二世議員(=親が議員)」などがあります。現総理大臣の岸田総理も祖父(岸田正記)も父(岸田文武)も衆議院議員という典型的な「世襲議員」です。

日本の国会議員に占める「世襲議員」の比率は?

そんな「世襲議員」ですが、今現在国会議員の中の何パーセントぐらいが「世襲議員」なんでしょうか?
・・・残念ながら「○○%」という正確な数字は出てきませんでしたが、経済アナリストの神樹兵輔氏によれば「日本の国会議員の3人に1人が世襲議員」で、さらに「衆議院の自民党に限れば4割が世襲」だそうです。また彼は「わが国の政治家の5割以上が世襲議員」とも語っています。さらには大阪大学法学部准教授濱本真輔氏も「日本の国会議員の25~30%は世襲議員です。」と語っています。

またちょっと古いのですが、下のグラフは衆議院における「世襲議員」比率の推移です。

これらのデータから考えると日本の国会議員の世襲議員比率は3割前後で、中でも自民党は4割以上と思われます。

では、海外はどうなんだろう・・・?

実は、民主主義国家の最高権力機関である国会、その議員の世襲比率が高い国は、世界中で日本ぐらいしかないそうです。立命館アジア太平洋大学(APU)学長出口治明氏によれば・・・
「ほとんどの先進国は、たとえばG7で見ると、国会議員の中での世襲議員の割合は1割以下。」
米国議会における世襲議員の比率は約5%にすぎない。ブッシュ家、ケネディ家などは少数派である。
英国では世襲議員はほぼいない。
そうです。ちなみに英国では下院議員の約7割が、生まれ故郷でも職場でもない選挙区から立候補する「落下傘候補」が普通で、保守党も労働党も各選挙区で「公募」を実施し候補者を決定する「実力主義」が貫かれている為世襲議員などほとんどいないそうです。健全ですね。

なぜ日本は世襲議員が多いのだろうか?

選挙は、昔から「地盤(地元の後援会組織)」「看板(地元での知名度)」「カバン(資金力)」の3バンが大事と言われています。この3つのバンの中でも「カバン」は世襲議員の大きな強みと言われています。というのは、なんと「政治家の政治資金管理団体は、無税で身内に引き継げる」のです。つまり親の議員がかき集めた資金を子供(=世襲議員)へ「無税での贈与や相続」も行えてしまうのです。こんなでたらめな法律が日本ではまかり通っているのです。また、親の時代に地元の既得利権を得ていた支援者もの利権を継承させたいので、十二分な応援体制を作ってくれます。

これではいくら「お国の為にやる気満々」で優秀な立候補者がいても、「潤沢な活動資金」と「たくさんの支持者(=ステークホルダー)」を持つ世襲立候補者を打ち負かすことなど至難の業です。そのため、議員枠が一人の「小選挙区」は世襲議員大量生産の温床となってしまったのです。

国会にとどまらず内閣(=行政府中枢)までもが世襲議員天国ニッポン!

実は国会よりもひどいのが国家の中枢“内閣”なのです。なんと平成元年(1989年)~令和3年(2021年)の32年間に誕生した首相は19人(非常に多い!)なんですが、そのうち13人は世襲議員なのです。世襲でない首相はたったの6人(宇野宗祐、海部俊樹、村山富市、菅直人、野田佳彦、菅義偉、しかも3人は非自民)しかいなかったのです。つまり総理大臣の世襲率約70%という異常さなのです。そして、2022年10月24日時点の第二次岸田内閣における閣僚20名のうち、12名が世襲議員なのです。脆弱なボンボン世襲議員達が30年以上もひたすら自分の既得権益を守ることだけを考えて、日本の行政を行って来たのです。これでは「失われた30年」も当然だと思いませんか?

 

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