最近話題になっているた「カジノ法案」ですが、いったいどうなっているのでしょうか?
このカジノは、欧米先進を中心に120以上の国・地域ですでに合法化されており、アジアでも中国のマカオや韓国やシンガポールにもあります。しかし、日本ではカジノは刑法で賭博として禁止されています。
そこで今回は、この「カジノ法案」や実際に実現する日本のカジノについていろいろ調べてみました。

おいおい、なぜ公営の競馬・競輪やパチンコなどのギャンブルは野放しなんだろうか・・・?
カジノ法案とは?
カジノ法案とは、海外ではすでに一般的なものとされているカジノを日本でも合法化して建設できるようにする法案で、その正式名称は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(IR推進法)」です。
まあ、少子高齢化社会で将来は日本国民や企業から税金収入があまり期待できない日本政府が、お金のある外国人から税収入を得ようという中期的に見れば非常にレベルの低い政策です。
この特定複合観光施設とは、通常国際的には「統合型リゾート(IR:Integrated Resort)とは呼ばれる施設で、国際会議や国際展示・イベントの受け皿となるMICE施設、ホテル、劇場、映画館、アミューズメントパーク、ショッピングモール、レストラン、スポーツ施設、スパなどの温浴施設、カジノなどをある特定エリアに集中させた半ビジネス&半リゾート施設です。
注)MICE施設とは?
MICEは会議(Meeting)、研修旅行(Incentive Travel)、国際会議(Convention)、展示会・イベント(Exihibition/Event)の頭文字をとったもの。MICE施設とはこれらの催しを行うスペースを持った施設のことを指します。日本では、昔東京の晴海にあった晴海国際展示場が有名でしたが、現在は今から30年ほど前の1989年に作られた千葉県の幕張メッセが最大規模となっています。
安倍政権では、このカジノ法案で実現するIR施設に富裕層の娯楽施設であるカジノを導入することで、海外からの観光客の増加など経済効果が見込まれるとし、結果的に「観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資する」とアベノミクスの成長戦略の目玉として位置付けています。
ちなみに、安倍政権ではその経済波及効果を年間最大7兆7千億と試算しています。
本当なんでしょうか?
最近の日本は、世界的な日本ブームに支えられ訪日外国人観光客数は増え続け、2018年には5年前の3倍の3,119万人と過去最高を記録し、その訪日外国人観光客による消費額は、全体で4兆5,064億円になったそうです。しかし、安倍政権はにカジノのあるIR施設を国内に2-3ヶ所作るだけで今の上乗せで7兆7千億円もの経済波及効果があると言っているのです。自分には、とても信じられないのですが・・・。
少子高齢化社会で将来は日本国民や企業から税金収入があまり期待できない日本政府が、お金のある外国人の消費から税収入を得ようという中期的に見れば非常にレベルの低い政策としか思えないのですが・・・。皆さんは、どう思いますか?
カジノ合法化の「負」の面
結局、安倍政権は将来に向けた新たな財源確保という面から、このカジノ法案を野党や国民の反対を無視して国会での力(数)でごり押しし成立させましたが、すでに建設運営されている世界各地のカジノの例からみると、カジノを建設すると・・・、
国民の「ギャンブル依存症の拡大」、「多重債務者の増加」、「マネーロンダリングの温床」、「青少年への悪影響」、「地域の治安悪化」といった様々な問題が起こると言われています。
ちなみに、厚生労働省の発表によると、「すでに日本にはギャンブル依存症の疑いがある人は500万人以上いる」とのことです。
そこで、政府はこれらの「負」の面への対応策として・・・、
「世界最高水準のカジノ規制」が必要とし、「クリーンなカジノ」を目指した日本独特のカジノ制度設計とするとしています。
まあ、どんな仕組みにしても、「大金」が絡めば必ず抜け道を探し出す人が出てくるのが世の常では・・・。
海外のIR建設の成功例
様々な規制が非常に厳しいこと、また狭い国土で観光するところがないことで有名なシンガポール。
そのシンガポールに2010年に「マリーナ・ベイ・サンズ」というカジノ施設のある統合型リゾートが開業しました。政府の狙いは「来訪旅行者数UP」でした。
この「マリーナ・ベイ・サンズ」は、カジノばかりでなくホテルやコンベンション・センター、高級ショッピングモール、美術館やシアターなどのアトラクション施設も併設され、今ではシンガポール観光の目玉の一つになっています。
結果的にシンガポールを訪れた旅行者は、2009年の970万人から2014年には1,508万人へと55%増加しました。旅行者の支出額も2009年には106億USドルであったのに対して2014年は195億USドルと83%も増加しました。
また、マリーナベイ・サンズの利用客数は2014年単年で、延べ4,000万人だそうです。これは1日当たり10万人以上です。ただ、当時のシンガポールへの年間の外人旅行者数が1,508万人であることを考えると、地元のシンガポール人が相当利用しているようですね。カジノの「負」の面は、大丈夫なんでしょうか?
→→→ アジアの中心都市の座を固めるシンガポール
日本のカジノ建設候補地は?
現在のところ、カジノ建設の有望な候補地は全国で3カ所のようです。
■ 大阪「夢洲(ゆめしま)」
大阪はIR誘致に特に積極的であり、臨海部にある人工島「夢洲(ゆめしま)」を候補地にあげています。どうやら、2025年の万博との相乗効果を狙いたいという思惑があるようです。
■横浜「山下ふ頭」
神奈川県(横浜)の候補地は「山下ふ頭」です。横浜市としては山下ふ頭を新たな観光地として再開発しよう積極的な姿勢なのですが、ただ市民の反対が七割近くにのぼるようでかなり実現は難しい状況にあるようです。
■東京「お台場」
東京都は、臨海副都心エリアにあり、いまでも外国人観光客の人気観光スポットである「お台場」を候補地としています。一時は誘致レースから脱落したと言われていましたが、現在の東京都知事である小池知事がIR誘致に積極的な構えをみせていることから有力地として浮上しています。
以上の3カ所ですが、他にも沖縄や長崎などの地方の観光地が手を挙げています。個人的には、「横浜」だけはやめて欲しいと思います。
本当に日本の中心地である首都東京にカジノが必要なんでしょうか?
世界を見渡しても、米国では政治経済の中心地の東海岸ではなく、遠く離れたネバダ州のラスベガスにあり、中国も首都北京から遠く離れたマカオにあります。また、フランスでは首都パリから100キロメートル圏内にはカジノを作ってはいけない、という規制があり、ロシアでも当初は首都モスクワにもカジノを作りましたが、後に法律を改正し、モスクワをはじめ大都市から離れた僻地でしかカジノは開設できないようにしています。
参考)国民の7割反対、それでも成立したカジノ法案
このカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案(通称カジノ法案)ですが、朝日新聞社の世論調査では、実に7割以上が反対していたのです。
いったい、誰のための、そして何のための政策なんでしょうか?
早くから貴族や事業成功者などのお金持ちのレジャーとしてギャンプルが根付いていた欧米と、ギャンプルがヤクザや暴力団の資金源として暗いイメージが定着している日本とはぜんぜん違うのではないでしょう?
<朝日新聞社世論調査の設問>
「政府は、ギャンブルができるカジノの入場料などを定めた法案の成立を今の国会で目指しています。この法案が成立すると、カジノが実際に国内でできるようになります。あなたは、この法案を今の国会で成立させるべきだと思いますか。その必要はないと思いますか。」
<回答結果>
今の国会で成立させるべきだ22%
その必要はない71%
その他・答えない7%
このような国民の声を無視した自民党独裁の無茶苦茶な政治は、いったいいつまで続くのでしょうか?















