見た目の美しい刺身の「てっさ」や、冬の味覚の鍋の「てっちり」で有名な美食の王と言われる高級魚ふぐですが、その「ふぐの漁獲量が多い都道府県」というと、どこを思い浮かべますか?
自分は・・・、「ふぐといえば下関のある山口県でしょう」と思っていました。
漁獲量は意外にも北海道が1位で山口県は7位!
ところが調べてみると、意外や意外、なんと北海道がダントツで1位なのです!
2位は石川県、3位は愛知県、そして7位でやっと山口県が出てきます。漁獲量も北海道は山口県の8倍もあるのです。驚きました!
都道府県別のふぐの漁獲量(水揚げ量)
順位 | 都道府県 | 漁獲量 | シェア |
1 | 北海道 | 1,990t | 32.2 |
2 | 石川県 | 547t | 8.9 |
3 | 愛知県 | 402t | 6.5 |
4 | 高知県 | 394t | 6.4 |
5 | 福井県 | 350t | 5.7 |
6 | 新潟県 | 278t | 4.5 |
7 | 山口県 | 226t | 3.7 |
8 | 福岡県 | 190t | 3.1 |
9 | 三重県 | 139t | 2.3 |
10 | 富山県 | 115t | 1.9 |
11 | 和歌山県 | 111t | 1.8 |
12 | 岩手県 | 100t | 1.6 |
12 | 宮城県 | 100t | 1.6 |
12 | 愛媛県 | 100t | 1.6 |
15 | 青森県 | 97t | 1.6 |
15 | 千葉県 | 97t | 1.6 |
17 | 香川県 | 90t | 1.5 |
18 | 宮崎県 | 74t | 1.2 |
19 | 神奈川県 | 73t | 1.2 |
20 | 島根県 | 71t | 1.2 |
20 | 徳島県 | 71t | 1.2 |
22 | 長崎県 | 65t | 1.1 |
23 | 秋田県 | 63t | 1.0 |
24 | 静岡県 | 59t | 1.0 |
25 | 大分県 | 58t | 0.9 |
26 | 熊本県 | 49t | 0.8 |
27 | 福島県 | 40t | 0.6 |
27 | 兵庫県 | 40t | 0.6 |
29 | 山形県 | 39t | 0.6 |
30 | 京都府 | 29t | 0.5 |
31 | 鹿児島県 | 27t | 0.4 |
32 | 茨城県 | 21t | 0.3 |
32 | 岡山県 | 21t | 0.3 |
34 | 広島県 | 19t | 0.3 |
35 | 大阪府 | 12t | 0.2 |
36 | 鳥取県 | 10t | 0.2 |
37 | 佐賀県 | 7t | 0.1 |
実は、ふぐには種類が多く、日本近海には約60種類が生息しており、その内で食用として漁獲されているふぐは、22種に限定されているそうです。ただ、現在では最高級のトラフグは天然物は非常に少なく、流通している9割は養殖モノ
だそうです。
北海道でふぐが採れるようになったのは最近のこと!
圧倒的な漁獲量を誇る北海道ですが、実は昔はそれほど水揚げされなかったそうです。下のグラフは「ふぐ類の漁獲量推移」(出典:農林水産省「海面漁業生産統計調査」)です。これを見るとわかるように、全国ベースでは漁獲量はほとんど横ばい状態なのですが、北海道に限るとここ10年ほど前から急激に増えているのです。実際に函館の漁師さんの話では「地元の名産であるイカをとるために仕掛けた定置網に、最近ではイカよりも大量のふぐが入るようになった」そうです。
そうなんです、地球温暖化の影響で海水温が急上昇し、近海で採れる魚の種類が「ガラッと変わってしまった」ようなんです。「スルメイカやサンマが採れなくなった」という話は有名ですが、逆に「ブリやサワラが北の海で採れるようなった」という話もよく聞きます。一体全体、将来日本の食卓にはどんな魚が並んでいるのでしょうか?
なぜ、みんな「ふぐと言えば山口(下関)」と思っているのか?
ふぐはその毒性の強さから、明治時代にはしばらくの間漁及び食が禁止となっていたですが、明治21年、時の総理大臣・伊藤博文鶴の一声により、下関と福岡に限って解禁されたそうです。そうなのです、下関は実は日本初のフグ食解禁の地なのです。
また、この様に本当に古くからフグに深くかかわってきた下関ですから、安全で美味しいふぐ料理を作れる多くの料理人や料亭が集まっていたのです。その結果、「ふぐの本場と言えば下関・山口」と言われ、その名は全国に知れ渡るようになったそうです。ちなみに近年大量に水揚げされるようになった北海道では、ふぐの料理人が少なく非常に困っているそうです。
東京に3軒しかないミシュラン星付き「ふぐ料理専門店」
一生に一度は行ってみたい高級料亭ですね。
臼杵ふぐ 山田屋
西麻布の閑静な住宅街に佇む名店で、ミシュラン2つ星の都内でも有数の高級ふぐ料理店です。山田屋自体は、大分県臼杵市浜町で明治38年創業の老舗です。その歴史と味を三代目が引き継ぎ、ここ東京西麻布店でも大分産「白杵ふぐ」を使ったふぐ料理を各種楽しむことができます。
住所 東京都港区西麻布4-11-14 FLEG西麻布VIERGE地階A
平均予算 ¥30,000~¥39,999
アクセス 東京メトロ日比谷線【広尾駅】4番出口より徒歩12分
公式HP https://www.usukifugu-yamadaya.jp/nishiazabu/introduction.html
い津み
こちらも、赤坂の閑静な住宅街に佇む名店で、ミシュラン1つ星の都内でも有数の高級ふぐ料理店です。本店は博多にありますが、「天然物の絶品とらふぐ」にこだわるとらふぐ専門店です。熟成した天然とらふくが持つ上質な旨味を愉しむ唐揚げや、広く引いた二枚引きのふく刺、い津み特製のポン酢にたっぷりのちり鍋など「極上の天然もののふく料理」が堪能できます。
住所 東京都港区赤坂6-11-11 乃なみビル
平均予算 ¥20,000~¥29,999
アクセス 東京メトロ千代田線 赤坂駅 6番出口 徒歩3分
公式HP https://www.hakata-izumi.com/