最近テレビや新聞では、日本各地で「空き家の急増」が社会問題化していると報じています。実際、自分の住んでいる地域にもあちこちで空き家を見かけます。
それもそのはずで、総務省によれば2018年時点で日本全国にはなんと846万戸もの空き家あるそうです。これは日本の総住宅数の13.6% にも達し、実は日本では7軒に1軒は空き家という状態なのです。
では、全国で空き家率が高い都道府県は、どこだと思いますか?
意外にも和歌山県が空き家率№1!
5年に一度行われる総務省の「2018年住宅・土地統計調査」によると・・・、
別荘などの「二次的住宅」を除いた空き家率が最も高いのは和歌山県で18.8%、つまり約5軒に1軒が「空き家」という状況になっているのです。続く2位は徳島県で18.6%、3位は鹿児島県で18.4%、4位は高知県、5位は愛媛県という結果でした。自分は当然人口減少率の上位県である東北北部の秋田県や青森県かと思っていたので、上位県が全て西日本とはやや驚きました。
<都道府県別空き家率(二次的住宅を除く)>
都道府県 | 空き家率 | |
1 | 和歌山県 | 18.8 |
2 | 徳島県 | 18.6 |
3 | 鹿児島県 | 18.4 |
4 | 高知県 | 18.3 |
5 | 愛媛県 | 17.5 |
6 | 山梨県 | 17.4 |
7 | 香川県 | 17.4 |
8 | 山口県 | 17.3 |
9 | 大分県 | 15.8 |
10 | 栃木県 | 15.6 |
11 | 岩手県 | 15.5 |
12 | 宮崎県 | 15.1 |
13 | 岡山県 | 15.1 |
14 | 群馬県 | 15.0 |
15 | 鳥取県 | 14.9 |
16 | 大阪府 | 14.9 |
17 | 島根県 | 14.7 |
18 | 長野県 | 14.7 |
19 | 岐阜県 | 14.7 |
20 | 広島県 | 14.6 |
21 | 長崎県 | 14.5 |
22 | 青森県 | 14.5 |
23 | 三重県 | 14.4 |
24 | 茨城県 | 14.1 |
25 | 石川県 | 14.0 |
26 | 佐賀県 | 14.0 |
27 | 静岡県 | 13.9 |
28 | 福島県 | 13.6 |
29 | 奈良県 | 13.4 |
30 | 福井県 | 13.3 |
31 | 秋田県 | 13.2 |
32 | 熊本県 | 13.2 |
33 | 北海道 | 13.1 |
34 | 兵庫県 | 13.0 |
35 | 富山県 | 12.9 |
36 | 新潟県 | 12.7 |
37 | 福岡県 | 12.5 |
38 | 京都府 | 12.3 |
39 | 滋賀県 | 11.9 |
40 | 千葉県 | 11.8 |
41 | 山形県 | 11.6 |
42 | 宮城県 | 11.5 |
43 | 愛知県 | 11.0 |
44 | 東京都 | 10.4 |
45 | 神奈川県 | 10.3 |
46 | 埼玉県 | 10.0 |
47 | 沖縄県 | 9.7 |
出典:総務省「2018年住宅・土地統計調査」
日本中でますます増えると予想されている空き家
核家族化の進行や超高齢化社会の到来により、今後もますます空き家が増えるのは確実と言われています。大手シンクタンクの野村総合研究所の予測では、積極的な住宅の除却・減築などが進まない場合、今から13年後の2033年には、日本の空き家数は現在の2.5倍の約2,150万戸へ増加すると見込んでいます。なんと全住宅の3軒に1軒が空き家になってしまうということです。いったいどんな世の中になっているのでしょうか?
一般的に空き家が増えている主な背景には、以下の二つ問題点があると言われています。
①一人暮らしの高齢者が老人ホームなどに入った後、元住んでいた自分の家をそのまま放置してしまう。
②空き家を壊して更地に戻すと、固定資産税が6倍に跳ね上がるためそのまま放置してしまう。
いずれにしても、老朽化が進んだ空き家は倒壊の危険があったり、ゴミ捨て場のようになったり、立ち木が道路にはみ出したりするなど、安全面、衛生面や防犯面、町の景観といった点から、近隣住民にとって本当に迷惑な問題ばかりです。
一方で、2013年に価値総合研究所が実施した調査によれば、空き家所有者の71%が「現在は何もしていない」と回答しており、「売却や賃貸など何かしらの手立てを考えている」と回答した人はわずか19.3%しかいないのです。
これから日本は、本格的に人口減少社会かつ超高齢化社会に突入します。
いい加減に、国が本気になって抜本的な対策を取らないと、このままでは目も当てられないひどい社会になってしまうのではないでしょうか?
皆さんはどう思いますか?