皆さんは核兵器には「戦略核兵器」と呼ばれるものと「戦術核兵器」と呼ばれるものの二種類があることをご存知でしょうか?自分は名前や大体の違いは聞いたことはあるのですが、正確な違いは知りませんでした。
そこで今回はこの2つの違いや意味性などを詳しく調べてみました。
米ソ間で勝手に決められた分類基準!
自分もビックリしたのですが、戦略核兵器と戦略核兵器の違いはたった一つだけで、核爆弾を積んだ兵器が「射程距離500km以下かそれ以上か」という点だけで、核爆弾そのものの破壊力や殺傷能力などは関係ないそうです。500km以下なら戦術核兵器と呼び、それ以上なら戦略核兵器と呼ぶそうです。
そもそもこの定義は東西冷戦後期の1980年代後半に米ソ間で行われた核軍縮戦略兵器削減条約(START: Strategic Arms Reduction Treaty)交渉で決められたそうです。
戦略核兵器と戦略核兵器の意味性
ただ、軍事専門家や科学者たちが開発段階で考えていた両兵器は・・・、
戦略核兵器→戦略的目標(敵国の軍事基地や行政機関、人口密集地、エネルギープラントなど)に対して使用される核兵器のこと。
戦術核兵器→局地的戦争下において敵国の船や戦車、歩兵などを直接的に攻撃する事が目的のため、比較的破壊力が弱い核兵器こと。
核兵器と聞くと我々日本人の大半は「核爆弾」を頭に思い浮かべると思いますが、広島・長崎の時代とは違い現在では大幅に核爆弾そのものが小型化(核弾頭とよばれるもの)されたため核爆弾以外にも様々な種類があります。代表的なものは以下の通りです。
1.核爆弾→飛行機に搭載し上空から落す
2.核ミサイル→核爆弾を搭載したミサイル
3.核魚雷→核爆弾を搭載した魚雷
4.核地雷→.核爆弾を使った地雷
5.核砲弾→核爆弾を搭載した砲弾
先の分類基準で考えると、これらの中で2のミサイル以外は全て戦術核兵器ということになりますね。それにしても「各地雷」や「各砲弾」まであるとは・・・😨。これじゃ戦略核兵器であるICBM(大陸間弾道弾)だけを減らしても現代では大して意味を持たないかもしれませんね。
ウクライナ侵攻でロシアによる戦術核兵器が使われる可能性が・・・
恐ろしいことに米ソの代理戦争と言われる50年前のベトナム戦争の時に悪戦苦闘していた米国は秘密裏に、なんと戦術核兵器の実戦使用を検討していたそうです。
この戦術核兵器は今現在どこの国がどれくらい保有しているかほとんど不明だそうです。ただ核軍縮戦略兵器削減条約(START)で大幅に戦略核兵器を削除したロシアは、代わりに大量の戦術核兵器の保有を始めたと言われています。
今世界中が注目している「ロシアによるウクライナ侵攻」ですが、恐ろしいことに悪戦苦闘しているロシアのプーチン大統領が公式に戦術核兵器の使用をちらつかせました。ベトナム戦争の時と同じですね。ただ、当時と異なるのは50年の間に戦術核兵器が非常に多様化かつ高性能化しており効果的にピンポイント利用が可能だという点です。例えば、既に戦略核兵器が持ち込まれたと言われるベラルーシから日本の永田町や霞が関のような国家の中核施設が集中しているキエフの中心部に戦術核ミサイルを撃ち込むといったものです。おそらくモスクワにいるプーチン大統領がGOサインを出せばものの数十分で全ては終わるでしょう。まさに「肉を切らせて骨を切る」という捨て身の戦略ですね。
ただこうなれば広く欧米各国の参戦で第三次世界大戦は避けられないというのが世界中の識者の共通した見解です。日本も含め世界中の首脳は「目先の内輪ウケ」重視の対応から、もう少し真剣に「21世紀の世界」を考えた対応をして欲しいものです。
皆さんはどう思いますか?













