スーパー台風とは?

大人の基礎知識

最近TVを見ていると「スーパー台風」という言葉をちょっくちょっく耳にするようになりました。ここ数日のマスコミ報道によると、恐ろしいことに「この週末にはスーパー台風(台風16号)が関東に接近!」するようです。ようやくコロナの緊急事態宣言が解除されるので、今週末は秋の行楽でも楽しもうと思っていたのに・・・、本当に残念です。

そこで今回はその実体がよくわからない“スーパー台風”について詳しく調べてみました。

“スーパー台風”は米軍が使っている基準!

この「スーパー台風(Super Typhoon)」という言葉は、気象庁は使っておらず、驚くことになんと米軍合同台風警報センター(JTWC)が定めた最強の台風の階級で、日本のマスコミが勝手に転用報道している言葉なのです。まあ、世界中の海で常に海軍を展開している米国なら当然のインフラなんでしょうね。恐ろしや米国!
ちなみにこの米軍合同台風警報センターが使用している台風の強さの階級基準は以下の通りです。

階級最大風速 (1分間平均)
スーパー台風130 knot =240 km/h=66.8m/s以上
台風63〜129 knot =118〜239 km/h=32.4m/s〜66.3m/s
熱帯性暴風雨34〜62 knot =63〜117 km/h=17.4m/s〜31.8m/s
熱帯低気圧22〜33 knot=41〜62 km/h=11.3m/s〜16.9m/s

日本で生まれ育った我々は、最大風速を秒速で表すのに慣れていますが、国際的には自動車や電車などと同じように時速で表すようです。それにしてもスーパー台風の時速240km以上とは凄いですねぇ。

一方、日本の気象庁が最近決めた台風の強さの階級基準は以下の通りです。

階級最大風速
猛烈な台風54 m/s (105 knot) 以上
非常に強い台風44 m/s (85 knot) 以上 ~ 54m/s (105 knot) 未満
強い台風33 m/s (64 knot) 以上 ~ 44 m/s (85 knot) 未満

これを見て頂ければわかる通り、日本の基準をはるかに上回るのが「スーパー台風」なのです。ただ、注意しなければならないのは「最大風速の解析方法として、米国は1分平均、日本は10分平均であるため米国の方が大きく出る」という点は留意しておかなければならないそうです。ちなみに今回の台風16号は昨日26日にスーパー台風にまで発達したと米軍合同台風警報センター(JTWC)は発表しています。

風速60m超ってどんな世界?

風速と被害の目安は、気象庁によれば以下の通りです。

風速の範囲
(3秒平均)
主な被害の状況(参考)
25~38m/s・木造住宅において、目視でわかる程度の被害、飛散物による窓ガラスの損壊が発生する。比較的狭い範囲の屋根ふき材が浮き上がったり、はく離する。
・園芸施設において、被覆材(ビニルなど)がはく離する。パイプハウスの鋼管が変形したり、倒壊する。
・物置が移動したり、横転する。
・自動販売機が横転する。
・コンクリートブロック塀(鉄筋なし)の一部が損壊したり、大部分が倒壊する。
・樹木の枝(直径2cm~8cm)が折れたり、広葉樹(腐朽有り)の幹が折損する。
39~52m/s・木造の住宅において、比較的広い範囲の屋根ふき材が浮き上がったり、はく離する。屋根の軒先又は野地板が破損したり、飛散する。
・園芸施設において、多くの地域でプラスチックハウスの構造部材が変形したり、倒壊する。
軽自動車や普通自動車(コンパクトカー)が横転する
通常走行中の鉄道車両が転覆する
地上広告板の柱が傾斜したり、変形する
道路交通標識の支柱が傾倒したり、倒壊する
・コンクリートブロック塀(鉄筋あり)が損壊したり、倒壊する。
樹木が根返りしたり、針葉樹の幹が折損する。
53~66m/s・木造住宅において、上部構造の変形に伴い壁が損傷(ゆがみ、ひび割れ等)する。また、小屋組の構成部材が損壊したり、飛散する。
・鉄骨造倉庫において、屋根ふき材が浮き上がったり、飛散する。
普通自動車(ワンボックス)や大型自動車が横転する
・鉄筋コンクリート製の電柱が折損する。
・カーポートの骨組が傾斜したり、倒壊する。
コンクリートブロック塀(控壁のあるもの)の大部分が倒壊する
・広葉樹の幹が折損する。
・墓石の棹石が転倒したり、ずれたりする。
67~80m/s木造住宅において、上部構造が著しく変形したり、倒壊する
・鉄骨系プレハブ住宅において、屋根の軒先又は野地板が破損したり飛散する、もしくは外壁材が変形したり、浮き上がる。
鉄筋コンクリート造の集合住宅において、風圧によってベランダ等の手すりが比較的広い範囲で変形する
・工場や倉庫の大規模な庇において、比較的狭い範囲で屋根ふき材がはく離したり、脱落する。
・鉄骨造倉庫において、外壁材が浮き上がったり、飛散する。
アスファルトがはく離・飛散する
81~94m/s・工場や倉庫の大規模な庇において、比較的広い範囲で屋根ふき材がはく離したり、脱落する。
95m/s~・鉄骨系プレハブ住宅や鉄骨造の倉庫において、上部構造が著しく変形したり、倒壊する。
・鉄筋コンクリート造の集合住宅において、風圧によってベランダ等の手すりが著しく変形したり、脱落する。

はっきり言って自分のような片麻痺などの歩行障害がある人にとっては、風速10mでも危なくて単独では外出は困難だと思います。そのため、風速10mでも風速60mでも頑丈なマンションの中にいるのでほとんど何も心配していません。しかし、風速60mともなると看板・標識や街路樹がたくさんある街中は様々なものが飛び交い、非常に危険な状態が容易に想像出来ます。怪我をしたくなければ絶対に外出などしないことですね。

あと、気象庁の方では取り上げていませんが、“停電”は各地で起こるでしょう。これは覚悟しておいた方がいいと思います。当たり前のことですが、“外に出ることが出来ない時”に最も役に立つのは“スマホ”です。特に車椅子生活者である自分にとっては、まさにスマホは肌身離さず携帯する必需品です。そのため、モバイルバッテリーも常に2台携帯しています。(自宅にはそれ以外に災害用太陽光発電付きリチウムイオン蓄電池を用意してあり、スマホ充電だけではなく、パソコンもネット利用程度なら24時間以上使えます)

まあ、都会のマンションに住んでいる人なら、“引きこもり”をしていれば台風程度の風ならほとんど心配する必要はないようです。(家具や大型家電製品が飛んでくる“竜巻”は別だと思いますが・・・)

この週末はどうなる事やら。どうせまたマスコミは明日あたりから無責任に“大騒ぎ”すると思いますが・・・。

 

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