世界で最も平和で安全な国ランキング

社会・経済

先日、ネットを散策してたら「世界平和度指数」なるものに出くわしました。それによると、2022年の「世界で最も平和な国」は北欧の島国アイスランドで日本は10位でした。

今世界は、ロシアによるウクライナ侵攻、中国の軍事力強化などで戦々恐々としている真っ最中なので、自分は非常に興味をそそられました。
そこで今回は、この「世界平和度指数」をはじめ世界平和に関していろいろと調べてみました。

世界一平和な国アイスランド

世界平和度指数とは?

この「世界平和度指数」は、オーストラリアのシンクタンク経済平和研究所が2007年に考案したもので現在では世界163か国が分析の対象になっています。この指数の算出方法は以下の24項目について5段階評価し、その平均スコアをその国の平和度指数としているようです。

≪指数算出対象項目≫
「対外戦、内戦の数」「対外戦による推定死者数」「内戦による推定死者数」「本格的な内戦の程度」「近隣国との関係」「他の市民に対する不信感の程度」「人口に対する難民・追放者の割合」「政治的不安定さ」「人権尊重のレベル(政治テロの程度)」「テロ活動の潜在的可能性」「殺人事件の数」「暴力犯罪の程度」「暴動の可能性」「犯罪収容者の数」「警察、治安維持部隊の数」「GDPに対する軍事費の比率」「軍人の数」「普通一般兵器の輸入量」「普通一般兵器の輸出量」「国連の介入度」「国連以外の介入度」「重兵器の数」「小型武器、携帯兵器の入手しやすさ」「軍事力、精錬度」

しかし、「おいおい、いったいどうやって評価するの?」と考えてしまうような項目の多々見られるため、この指数そのものの意味性に疑問を持つ人達もいるようです。まあ、この手のものは「一つの目安」なので、みんなそうですけど・・・。

最新(2022年)の順位は?

まずは上位30か国です。

順位名称単位: 指数2008年の順位地域
1位  アイスランド1.1071ヨーロッパ
2位  ニュージーランド1.2692オセアニア
3位  アイルランド1.2887ヨーロッパ
4位  デンマーク1.2963ヨーロッパ
5位  オーストリア1.3005ヨーロッパ
6位  ポルトガル1.30110ヨーロッパ
7位  スロベニア1.31612ヨーロッパ
8位  チェコ1.31817ヨーロッパ
9位  シンガポール1.32620アジア
10位  日本1.3364アジア
11位  スイス1.35715ヨーロッパ
12位  カナダ1.3899北米
13位  ハンガリー1.41114ヨーロッパ
14位  フィンランド1.43913ヨーロッパ
15位  クロアチア1.44049ヨーロッパ
16位  ドイツ1.46221ヨーロッパ
17位  ノルウェー1.4656ヨーロッパ
18位  マレーシア1.47126アジア
19位  ブータン1.48158アジア
20位  スロバキア1.49918ヨーロッパ
21位  オランダ1.52219ヨーロッパ
22位  ベルギー1.52616ヨーロッパ
23位  カタール1.53324中東
24位  ブルガリア1.54135ヨーロッパ
25位  ポーランド1.55229ヨーロッパ
26位  スウェーデン1.56411ヨーロッパ
27位  オーストラリア1.5657オセアニア
28位  モーリシャス1.57023アフリカ
29位  スペイン1.60337ヨーロッパ
30位  台湾1.61848アジア

ご覧の通り、上位30か国のうち20か国はヨーロッパの国です。自分がちょっと意外に感じたのは、以前社会主義国だった東欧の国が7か国も入っている事です。やはり冷戦後の欧州は平和なんですね。欧州各国のウクライナ問題への対応を見ていても、みんなの「何としても今の平和を守るぞという覚悟」がにじみ出ていると感じます。
あと、日本やシンガポールのベスト10入りや台湾の30位は妥当な線だと思います。ただ、ここ15年ほどでシンガポールは11位もランキングを上げているのに比べ、哀しいかな日本は逆に6位も下げているのです。まあ、今後日本がどうなるかは、地政学的にみてもお隣の中国さん次第のような気もしますが・・・。

次に下位30か国です。

順位名称単位: 指数2008年の順位地域
134位  イスラエル2.576150中東
135位  インド2.578143アジア
136位  チャド2.591154アフリカ
137位  メキシコ2.612106中南米
138位  レバノン2.615151中東
139位  ミャンマー2.631134アジア
140位  ニジェール2.655107アフリカ
141位  イラン2.687135中東
142位  カメルーン2.70985アフリカ
143位  ナイジェリア2.725147アフリカ
144位  コロンビア2.729152中南米
145位  トルコ2.785138中東
146位  ブルキナファソ2.78661アフリカ
147位  パキスタン2.789157アジア
148位  ベネズエラ2.798125中南米
149位  エチオピア2.806146アフリカ
150位  マリ2.911127アフリカ
151位  リビア2.93084アフリカ
152位  北朝鮮2.942158アジア
153位  ウクライナ2.971104ヨーロッパ
154位  スーダン3.007156アフリカ
155位  中央アフリカ3.021153アフリカ
156位  ソマリア3.125159アフリカ
157位  イラク3.15796中東
158位  コンゴ(旧ザイール)3.166154アフリカ
159位  南スーダン3.184163アフリカ
160位  ロシア3.275149ヨーロッパ
161位  シリア3.356129中東
162位  イエメン3.394161中東
163位  アフガニスタン3.554160中東

こちらの方はアフリカと中東で20か国を占めています。日本にとっては、やはりロシアと北朝鮮は極めて危険な存在であることが分かると思います。

最後にここまでに出てこなかった主要国の順位は以下の通りです。

順位名称単位: 指数2008年の順位地域
32位  イタリア1.64331ヨーロッパ
34位  イギリス1.66746ヨーロッパ
42位  モンゴル1.77588アジア
43位  韓国1.77943アジア
44位  ベトナム1.78654アジア
47位  インドネシア1.80052アジア
65位  フランス1.89550ヨーロッパ
89位  中国2.010158アジア
103位  タイ2.098137アジア
118位  南アフリカ2.283108アフリカ
119位  サウジアラビア2.288131中東
129位  アメリカ2.440117北米
130位  ブラジル2.46575中南米

アメリカはいったいいつまで「ガキ大将」を続けるんだろうか?アメリカにしろロシア・中国にしろもう少し大人にならないとネットという武器を持った世界市民の一揆で撲滅させられるぞ!

この15年で大きく順位を上げた(下げた)国はどこ?

この指数が発表されるようになった2008年(=リーマンショックの年)から現在までに主要国な中で大きく順位が変わった国は以下の通りです。

≪平和度アップ組≫
クロアチア 49位→15位
台湾 48位→30位
イスラエル 150位→134位
レバノン 151位→138位
イギリス 46位→34位
サウジアラビア 131位→119位
シンガポール 20位→9位
ブルガリア 35位→24位

≪平和度ダウン組≫
イラク 96位→157位
ブラジル 75位→130位
ウクライナ 104位→153位
シニア 129位→161位
メキシコ 106位→137位
ベネズエラ 125位→148位
オーストラリア 7位→27位
ロシア 141位→160位
スウェーデン 11位→26位
ノルウェー 6位→17位
フランス 50位→65位
アメリカ 117位→129位

これを見る限りアメリカやロシアが手を引き内戦が激化したイラクとシニア以外の中東はやや落ち着いてきたようですね。また、内戦が落ち着いたクロアチアやいち早くリーマンショックから立ち直った台湾やシンガポールは大幅に平和度が上昇しています。一方、経済悪化に苦しむ中南米はかなりきな臭くなってきてますね。さらに、ウクライナ侵攻の影響でヨーロッパも東部諸国は大幅にスコアを落としています。なお、オーストラリアも大幅にスコアを落としていますが、残念ながら自分にその理由はわかりませんでした。

なお上には出て来ませんが、依然として内戦が続いているアフリカの各国は低スコアのままです。

 

世界は今が正念場!

第二次世界大戦は、第一次世界大戦後に多額の賠償金に苦しめられたドイツの暴走とアメリカウォール街で起こったブラックマンデー後の大不況に苦しめられた日本の暴走に端を発したものです。
今世界の国々は、「地球温暖化に端を発する異常気象による膨大な経済損失」や「コロナパンデミックに端を発する膨大な経済損失」、更には「ロシア(プーチン?)の暴走による戦争被害(経済・エネルギー・食料等々)」に苦しめられている真っ最中です。米ロや米中の間にちょっとした「ボタンの掛け違え」があったら、第三次世界大戦にまで拡大し兼ねない下地は十分にあると思います。

ちなみに、あの有名な「世界終末時計」は今回のロシアによるウクライナ侵攻を受けて「90秒前」にまで針は進んでしまったようです。
※世界終末時計→核戦争などによる人類の絶滅(終末)を『午前0時』になぞらえ、その終末までの残り時間を「0時まであと何分(秒)」という形で示す米雑誌『原子力科学者会報』 が発表している時計。

参考)東西冷戦終結後の終末時計の主な動き

1990年10分前東欧の民主化。冷戦の終結。
1991年17分前ソビエト連邦の崩壊。
1998年9分前インドとパキスタンが核兵器の保有を宣言。
2002年7分前前年にアメリカ同時多発テロが発生。テロリストによる大量破壊兵器使用の懸念が高まる。
2007年5分前北朝鮮の核実験強行。イランの核開発問題。
2010年6分前オバマ米大統領による核廃絶運動。
2012年5分前福島第一原子力発電所事故を背景とした原子力の安全性への懸念。
2015年3分前気候変動や核軍備競争のため。
2017年2分30秒前トランプ米大統領が核廃絶や気候変動対策に対して消極的な発言。
2018年2分前北朝鮮が行っている核開発の影響による核戦争への懸念。
2020年1分40秒前中距離核戦力全廃条約失効。
宇宙・サイバー空間における軍拡競争の激化。
新型コロナウイルスの蔓延と度重なる変異株の出現。
2023年1分30秒前ロシアのウクライナ侵攻における核戦争のリスク増加。
北朝鮮のミサイル発射や中距離弾道ミサイル実験の開始。

自分はここ2,3年が勝負かなあと思っています。ここを乗り切れば、あと20-30年くらいは総じて平和な世の中が続くような気がします。皆さんはどう思いますか?

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