自動運転車時代の幕明けと免許証返納~明るい未来への選択

社会・経済

先日、自動車の自動運転に関するニュースで「日本での自動運転タクシーサービスを2026年初頭に開始予定」という驚くべきべきものを目にしました。自分は「日本で?それも3年後?そんなバカな!」とびっくりしてしまいました。

実は自分は数年前に「片麻痺が全然回復しない」ので、自動車を運転することを諦め免許証を返納してしまったのです。しかし、このニュースを知ってからは「返納してしまったこと」を非常に後悔するようになったのです。

運転経歴証明書

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そこで今回は、「自動運転と免許証返納」についていろいろと調べてみました。

ホンダの発表の詳細

このニュースはホンダ発のものでプレスリリースの内容は以下の通りです。

GM クルーズホールディングスLLC(以下、クルーズ)、ゼネラルモーターズ(以下、GM)と本田技研工業株式会社(以下、Honda)は、日本での自動運転タクシーサービスを2026年初頭に開始するために、サービス提供を担う合弁会社の設立に向けた基本合意書を締結しました。関係当局の承認を経て、2024年前半の設立を目指します。

自動運転という領域で、日本よりはるかに先行している米国の企業がやはり関与しているのですね。ゼネラルモーターズ(GM)は誰でもご存知だと思いますが、GMクルーズホールディングスLLCは、サンフランシスコに本社を置くゼネラルモーターズの自動運転関係専門の子会社だそうです。この会社、元々は10年以上も前から自動運転技術を研究するベンチャー企業だったのですが、2016年にGMに買収されたそうです。

また、この計画ではタクシーとして使用するのは共同開発した自動運転専用車両「クルーズ・オリジン」という車で、運転席の無く対面6人乗りとのことです。

ハンドルどころか運転席そのものがない自動運転車!

具体的なサービス内容は、スマホで予約すると自動で「クルーズ・オリジン」が指定場所まで迎えに来てくれ、それに乗り込むと自動で指定した目的地まで連れていってくれるというものです。なお、配車から決済まで全てスマートフォンのアプリを通じて行うそうです。さらに驚くことには、このサービスを2年ほど先の2026年初頭には東京都心部で開始する計画だそうです。信じられないような気がしますが・・・、まあホンダとGMがプレスリリースで言っているのだから、かなり自信があるのでしょうね。

現実はキビシイ!

米国ではすでに7年ほど前からカリフォルニア州をはじめ全米各地で公道を使った実証実験が行われており、サンフランシスコ市は遂にこの夏(2023年8月)GMクルーズホールディングスLLCによる無人自動運転タクシーの営業許可を認可したのです。

ところが実際に運航が始まると、交通事故や予想外のトラブルが多発したため、たった2ヶ月後の10月にはGMクルーズホールディングスLLC社は営業中止に追い込まれてしまったのです。

自動運転タクシーの事故

カルフォルニア州での自動運転タクシーの事故。このタクシーの車体にはたくさんのセンサーカメラが付けられていますが・・・。

あの道路がだだっ広いアメリカでこのざまでは、日本のような道が狭くさらに歩道と車道がぐちゃぐちゃに入り組んでいる東京での2026年実用化など、とても不可能としか考えられません。何かホンダにGMにはないウルトラCの技術があるのでしょうか?

自動運転レベル4とは?

最近よく「自動運転レベル4」という言葉を目にしますが、これは2014年に「米運輸省道路交通安全局」(NHTSA)が定義した自動運転の自動化水準の1つで、以下のようなレベルです。

“特定の状況下(大雨、大雪など)を除き、加速、操舵、制動のすべてをシステムが行い、その条件が続く限りドライバーが全く関与しない状態。しかし、特定の状況下になると人間の運転が必要になる。”

さらに自動運転にはもう一段階上のレベルがあり、それが「レベル5」で以下のように定義されています。

“考え得る全ての状況下及び、極限環境での運転を完全にシステムに任せる状態。いわゆる無人運転。”

そう、皆さんもおわかりの通り、ホンダが計画している「無人自動運転タクシー」はこの「レベル5」なのです。それを認可してしまうとは、コロナワクチンでもそうでしたが相変わらず米国はチャレンジャブルな国ですね。まあ世の中にやっぱり「虎穴に入らずんば虎子を得ず」ですね。どこかの国の政府のように、どんなことでも「石橋を叩いて渡る」だけでは、世界にますます遅れをとってしまうだけでしょうね。悲しいなぁ・・・。

自動運転と自動車免許証

ホンダの発表した事業の実現性はともかく、もし仮にレベル5をクリアする車が発売されたら世の中どうなってしまうのでしょうか?

もうお気づきの方も多いと思いますが、「レベル5」をクリアしている自動車を運転?する人には「運転免許証」など全く無意味なのです。ただ、いきなり世の中の自動車全てが「レベル5クリアー車」に置き換わるわけではないので、運転免許証制度というものは当分の間は残るでしょうが・・・。いったい日本政府はそのへんのところはどう考えているのでしょうか?

最近の自動運転技術の進化には、目を見張るものがあります。きっと5年もしないうちに、「レベル5クリアー車」は一般消費者にも発売されるのでしょうね。その時までに日本の運転免許証制度が変わっているとはとても思えません。自分は5年後でもまだ68歳です。だから自分は、運転免許証を返納してしまったことを後悔しているのです。

教訓:世の中どう変わるかわかりません。だから、一度取得した資格は大切にしましょう?

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