なぜ公共福祉サービスである「移送サービス」が普及しないのだろうか?

片麻痺ライフ

先日、ネットで介護タクシーを探していたら偶然「大田区移送サービス利用券」というものを発見しました。これは自分のような身体障害者にとって非常にありがたいものなので、今回はこの「大田区移送サービス利用券」についていろいろと調べてみました。車椅子利用者やそのご家族の方は是非参考にしてください。

大田区移送サービス利用券って何?

この「大田区移送サービス利用券」とは、厚労省が5-6年ほど前から推し進めている「障害者等の移動の支援事業」の一つで、「ある一定の基準を満たしている身体障害者に移送サービス利用券(いわゆる“タクシー券”のようなもの)を無料支給する」というもので、2020年頃から全国の地方自治体で行われていたようです。自分の住む大田区でも2-3年ほど前からあったようですが全然知りませんでした。それもそのはずで、厚労省が「移送サービス」などという訳の分からない役所用語使っているので、そのサービスを必要としている人達が普段よく検索する「介護タクシー」とか「タクシー券」「タクシー割引」ではたどり着かないから知名度が低いのでしょう

支給対象者の条件は?

この券の支給対象者条件は各自治体によってやや異なっているようで、大田区では以下の通りです。

・身体障害者手帳 下肢、体幹機能障がい1級から3級
・身体障害者手帳 移動機能障がい1級から3級
・身体障害者手帳 視覚障がい1級、2級
・身体障害者手帳 内部障がい1級、2級
・愛の手帳 1度、2度
注)2つ以上の障がいが重複している場合は、総合等級ではなく個別の障がいが要件に該当するかどうかを判断基準とす

まあ車椅子生活をしている人なら、まず対象者になると思います。

具体的な支援内容は?

これも各自治体によってやや異なっているようで、大田区では以下の通りです。

申請のあった月から、下記の区分に応じて利用券を交付します。

・65歳未満→1月あたり200円券を20枚(月額4,000円)
・65歳以上→1月あたり200円券を18枚(月額3,600円)
・生活保護受給者→年齢にかかわらず1月あたり200円券を12枚(月額2,400円)

かなりの金額ですね。なお、普通の障害者手帳の1割引も適用されるそうです。

その他の事項

以下は大田区の場合などでご注意ください。
【申請窓口】  地域福祉課又は障害福祉課
【必要な物】  身体障害者手帳または愛の手帳
【注意事項】
この券を利用可能な事業所(タクシー会社等)は以下のように限定されているのでご確認ください。
令和5年度移送サービス利用券(タクシー券)が利用できる業者一覧(PDF:196KB)
また、以下もご参考にするといいと思います。
令和5年度移送サービス利用券(タクシー券)利用のお知らせ(PDF:178KB)

ガソリン購入にも利用できる「大田区移送サービス利用券」

この「大田区移送サービス利用券」なんですが、なんとガソリン代の支払いにも使えるそうです。
ただし、以下のような制約があるのでご注意ください。
・利用できるのは、障害者本人または一緒に暮らす家族名義の車。
・利用できるのは大田区が契約しているガソリンスタンドのみ。
令和5年度移送サービス利用券契約自動車燃料店名簿(PDF:131KB)
・利用できるのは自動車燃料代のみ。洗車代等には利用不可。
・利用の際には「身体障害者手帳または愛の手帳の提示」が必要。

このような身体障害者の移送サービス事業は、高齢者の移送サービスとは違い全国の大きな自治体ではその多くが実施しているようなので皆さんも調べて見てください。
地方自治体名+身体障害者移送サービス事業」で検索すればまず引っかかってくると思います。試してみてください。

最後にお願いなんですが、みなさんの周りに対象者になりそうな人は是非とも教えてあげてください。よろしくお願いいたします。

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