子供の頃「時速500km/hで走行する夢の超特急」と言われていたリニアモーターカー。
しかし最近では、すっかり耳にしなくなったので「どうなったのかなぁ?」と思い、色々調べてみました。
すると、 驚くなかれ、2027年の開業目指してリニア中央新幹線(品川~名古屋)の建設工事が始まっていました。
リニアモーターカー開発の歴史
東海道新幹線開業の3年前、1962年に研究プロジェクトがスタートしたリニアモーターカー。
予定通り2027年にリニア中央新幹線が開業ということとなれば、実に研究スタートから実用化まで実に65年の歳月がかかったことになります。
この間の主な出来事だけを拾ってみると、下記のようになります。
1962年 | 東京-大阪間1時間を目指し、研究がスタート。 |
1972年 | 初めて浮上走行実験に成功。 |
1977年 | 九州の宮崎県に「宮崎実験線」を開設。 |
1979年 | 実験車両の無人走行で世界最高速517km/hを記録。 |
1987年 | 有人走行で時速400.8km/hを記録。 |
1990年 | 山梨リニア実験線の建設がスタート。 |
1997年 | 設計最高速度である550km/hを記録。 |
2003年 | 時速500km/hによる試乗会を開始。 |
2005年 | 試乗者数10万人を突破。 |
2007年 | JR東海、2025年リニア中央新幹線営業開始の方針を表明。 |
2014年 | 中央新幹線の工事実施計画(品川~名古屋間)が認可。 |
※その後、営業開始予定は品川~名古屋間が2027年、品川~大阪間が2045年開業と修正発表しました。
リニア中央新幹線の計画概要
JR東海の話では、リニア中央新幹線の東京サイドの始発駅は、東京駅ではなく品川駅で、まず 2027年に品川―名古屋間が先行開業し、最高時速500キロ最速40分(現行ののぞみでは約90分)で結ぶそうです。また、18年後の2045年には大阪まで延びる予定で、品川―大阪間を67分(現行ののぞみでは約145分)で結ぶそうです。
早いことは早いのですが(所要時間)・・・、計画から開通まで結局83年ですよ。しかも、最近ではさらに遅れるのは不可避ではと言われています。ほんと、気の長い話ですねぇ。
また、品川―名古屋間286kmのうちトンネル区間が86%も占めるそうです。自分はきっと2倍の時間がかかっても日本の風土が楽しめる東海道新幹線の方を選ぶなぁ。
これだから、日本はすぐに中国に追い抜かれるんだろうなぁ・・・。
気になる料金の方は・・・、
品川-名古屋間は現行ののぞみ(指定)では約1万1千円ですが、JR東海の話では、リニアはこののぞみの料金(指定)に700円の上乗せにとどめたいとのこと。
全線開通となる品川-大阪駅間でも、のぞみの料金(指定)に1,000円程度上乗せした約1万5千円にとどめたいとのことです。
みなさん、この料金設定はビックリするほど安いと思いませんか?
きっと、開業からしばらくの間は「一度は乗ってみたい」という観光客が押し寄せ、肝心のビジネスマンの予約が取れないという状態がしばらく続くのではないんでしょうか。
自分も乗ってみたい!
すでに始まっているリニアの駅建設
驚いたことに、すでに2016年1月からリニア中央新幹線の始発・終着駅となるリニア品川駅の建設工事、2016年12月にはリニア名古屋駅が始まっていました。
中間駅はまだ全く工事は始まっておらず、ターミナル駅である品川と名古屋が先行して工事を進めるようです。
ちなみに、リニア品川駅は東海道新幹線品川駅の地下約40mに建設が進められており、ホームは2本で全長450メートル。
地下約40mというと、ちょうど大江戸線六本木駅(1番線:42.3m、2番線:32.8m)と同じぐらいですね。地下十数階というところですね。
開通までまだまだ前途多難なリニア中央新幹線
総工費9兆円という史上最大の鉄道事業となるリニア中央新幹線(品川~名古屋)ですが、2027年の開通後10年間での経済波及効果は計14兆8204億円になると試算されています。この経済波及効果が多いのか少ないのかよくわかりませんが、きっと1965年同時の東海道新幹線開業時と比較すると、自分は恐ろしくし小さいような気がしますが・・・。
このようなリニア中央新幹線(品川~名古屋)ですが、工事に伴う膨大な残土、地下水脈を断ち切る水枯れ、住民の立ち退き、リニア建設が環境や社会生活に及ぼす影響などなどたくさんの問題を掲げており、地元住民からの反対が多くなっていて、工事の遅れが目立っているそうです。
2027年には5Gが普及しているのは確実となっている現在、本当に「大都市間の人の移動」が今よりも減少するのは確実ではないのでしょうか?どうしても首をひねってしまう今日この頃です。