以前、平成の30年間がどんな時代だったのかを振り返りましたが、今回は逆に「30年後の2050年には日本と世界はどうなっているのだろうか?」を様々な機関の未来予測をもとに考えてみました。

世界の人口は100億人弱に!
2017年に国連が発表した「世界人口予測2017年改定版」によると、2017年の世界の総人口は76億人から、約30年後の2050年には29%も増加し98億人に到達するそうです。
あまりにも数字が大きいので実感が湧きませんが・・・、
今後30年間で3割以上も新たな人類が生まれ、2050年という次の時代を作っていくわけです。
まあ、どうなっているかわかりませんが、もし今のように、自分の保身だけの政治家が国を食いつぶしていたら・・・、日本国などどうなっているかわかりませんね。
将来、日本国内でのんびり暮らそうと考えているほんの一握りの裕福な高齢者達はいいが、大多数の日々一生懸命働きながらなんとか生きている庶民にとっては大変な時代になっていると考えられます。
ちなみに、その時(2050年)の世界の人口上位10カ国は、国連では以下のように予想しています。
国名 | 2050年人口 | 2017年人口 | 増加率 | |
1位 | インド | 16億6000万人 | 13億4000万人 | 24% |
2位 | 中国 | 13億6000万人 | 14億1000万人 | -4% |
3位 | ナイジェリア | 4億1064万人 | 1億9089万人 | 115% |
4位 | 米国 | 3億8959万人 | 3億2446万人 | 20% |
5位 | インドネシア | 3億2155万人 | 2億6399万人 | 22% |
6位 | パキスタン | 3億694万人 | 1億9702万人 | 56% |
7位 | ブラジル | 2億3269万人 | 2億929万人 | 11% |
8位 | バングラデシュ | 2億193万人 | 1億6467万人 | 23% |
9位 | コンゴ | 1億9740万人 | 8134万人 | 143% |
10位 | エチオピア | 1億9100万人 | 1億496万人 | 82% |
長らくの間「世界一人口の多い国」であった中国は、2025年頃にはインドに抜かれ2位となり、しかも中国は日本と同じまさかの「人口減少国」の仲間となっています。
また、アフリカの大国がたった30年強で2倍以上の増加という人口爆発を起こし上位になっています。
その結果、30年後の2050年には、世界の人口の8割以上がアジア・アフリカ地域という恐ろしいことになります。
相変わらず掘り下げがない(甘い?)日本のマスコミは色々とケチを付けていますが・・・。
▶▶▶ 急速に進むアフリカの中国化(過去記事)
2050年の悲惨な日本の人口実態
一方、日本はどうかと言うと・・・、
総務省によると日本の総人口は2008年の1億2,808万人をピークに減少に転じており、2017年1月1日現在(概算値)の人口は1億2686万人です。
同様に総務省の予測では、30年後の2050年の日本の総人口は2978万人減(-24%)の9708万人となっているのです。
たった30年で、3000万人減ですよ! 信じられない!
しかも、65歳以上の高齢者の比率は38.8%にまで高まっているのです。
実は2017年時点での高齢化率は27.3%ですが、そんな日本でもすでに「年寄りばっかりの国」と感じているのは自分だけでしょうか?
2050年の日本の街や社会はどうなっているのでしょうか・・・。
夢と活気があふれるアジアの中で、日本だけが「新しいものや変化に対応できない老いぼれた国」として、アジアや世界で「蚊帳の外の国」になっているのではないでしょうか?
▶▶▶ 日本の将来人口と高齢化の将来像(過去記事)
GDPという経済面では・・・
次は経済面です。1国の経済力を見るための指標である国民総生産(GDP)がどのように変化していくかを見てみました。
今から30年ほど前の1990年の世界は、ソ連が崩壊し社会主義陣営が大幅に衰退したため、米国が一国で世界全体のGDPの1/4以上を占め、さらに日本と欧州先進国(ドイツ、フランス、イタリア、英国)の6カ国だけで世界全体のGDPの2/3近くを占めていました。
日本は米国に次ぐ圧倒的2位(13.7%)で、米国の1/2以上という莫大なGDPを誇り世界経済に大きな影響力を持っていました。・・・懐かしいですねぇ。
そして、下図が現在の世界のGDPシェアです。この30年間で中国が驚異的に伸び、米国に次ぐ圧倒的2位に、逆に日本と欧州先進国が大きくシェアを落としています。
特に日本は3位の座を守っているものの、その衰退は激しく5割以上もシェアを落としています。
では、次に肝心の30年後の2050年の世界のGDPシェア予測なんですが、残念ながら見つかりませんでした。ただ、代わりにロンドンを本拠地とし、世界158カ国に180,000人のスタッフを擁する世界最大級のシンクタンク、プライスウォーターハウスクーパース社(pwc)が世界上位32カ国について、2050年の購買力平価ベースのGDPを予想しているのでそれを見てみます。
<2050年の購買力平価ベースGDP予想>
国名 | GDP (10億ドル) | |
1位 | 中国 | 61,079 |
2位 | インド | 42,205 |
3位 | 米国 | 41,384 |
4位 | インドネシア | 12,210 |
5位 | ブラジル | 9,164 |
6位 | メキシコ | 8,014 |
7位 | 日本 | 7,914 |
8位 | ロシア | 7,575 |
9位 | ナイジェリア | 7,345 |
10位 | ドイツ | 6,338 |
11位 | 英国 | 5,744 |
12位 | サウジアラビア | 5,488 |
13位 | フランス | 5,207 |
14位 | トルコ | 5,102 |
15位 | パキスタン | 4,253 |
16位 | エジプト | 4,239 |
17位 | 韓国 | 4,142 |
18位 | イタリア | 3,617 |
19位 | カナダ | 3,583 |
20位 | フィリピン | 3,516 |
先の人口という面では、アフリカの躍進が目立ちましたが、ただ今回の経済という面ではまだアフリカ諸国ではなく、いち早く発展したアジアの大国の躍進が世界の経済構造を変えています。
主な順位を見ていくと・・・、
1位は予想通り、中国です。一般的に中国は2030年代半ばには米国を抜き世界№1になると言われています。
2位は・・・、米国ではなく、なんとインドと予想されています。続く3位は米国です。
この3カ国のGDPが飛び抜けて大きく、事実上世界経済を牽引していくBig3と言えるでしょう。
続く4位は意外にもインドネシア、5位はブラジル、6位はメキシコです。
このように上位国の顔ぶれを見てくると、世界経済そのものが今とは一変していることが予想できますね。
ちなみに、日本は7位でトップの中国の1/8。さらに現在の欧州の先進国もすべて10位以下となっています。
もはや日本は、世界経済への影響力は果てしなくゼロに近づき、完全な脇役ですね。(それでも落ちこぼれではなく、裏方さんならいいのですが・・・。)
▶▶▶ 世界のGDPシェアの変遷 ~世界経済勢力図の現在・過去・未来(過去記事)
▶▶▶ 「ドイツに抜かれてしまった日本の名目国内総生産」の本当の意味(過去記事)
では、30年後の日本の社会は?
このような状況下で日本の社会はどうなっているのでしょうか?
それを探るのに非常に参考になるのが、今から1年ほど前にみずほ総合研究所が発表した「2050年のニッポン~課題を乗り越え、輝き続けるために~」といレポートです。この膨大な量のレポートからポイントの部分を整理して紹介します。
<これまでと同じような問題先送りの政策を続けた場合の2050年>
マイナス成長が常態化し、政府債務残高GDP比は現在の186%からますます拡大し2050年には約500%に到達。このような財政破綻の状況下で、皆保険制度や年金制度の維持、老朽化した各種社会インフラの修繕などが困難になり、社会全体が荒廃してしまう。
また、労働人口の高齢化からデータサイエンス・AI技術等の最先端の知識とスキルを要する専門・技術職、管理職での労働力不足が起こり、結果的に最新テクノロジーを活用した社会インフラの整備が他国に遅れ、結果的に高度先端産業の「空洞化」が起こり、国内企業の国際競争力が大幅に低下する。
悲惨な未来ですね。きっとお隣の中国は繁栄を謳歌しているのでしょうね。
▶▶▶ 安倍政権は日本を食いつぶしているだけ?(過去記事)
▶▶▶ ドイツはいかにして財政再建を果たしたのだろうか?(過去記事)
みずほ総合研究所のこのレポートの後半では、このような悲惨な日本の未来を防ぐためにさまざまな政策提言をしていますが、自分には中身も新しさもない絵空事にしか思えません。




















