よくTVや新聞を見ていると、国の経済の状況を現す基準として「実質経済成長率」というものが使われていますが、この実質経済成長率の正確な意味はご存知ですか?
実質経済成長率の算出方法
実質経済成長率の算出の仕方は以下の通りです。
(その年の実質GDP-前年の実質GDP)/前年の実質GDP✕100
つまり、その年に国内で産み出されたモノ・サービスの合計金額が、前年のそれよりどれくらい増えたか=経済規模がどれだけ伸びたかを表しています。また、「実質」というのはその間の物価変動を加味していることを表します。
戦後の実質経済成長率推移
では、戦後日本の実質経済成長率がどのように推移してきたかを見てみます。
日本の場合、1950年台半ば~1973年までの間が「高度成長期」と呼ばれいます。また、その後第一次オイルショックを経てバブル崩壊までの間の1970年台半ば~1991年までの間が「安定成長期」と呼ばれています。そして1990前半~現在に至るまでの間は「低成長期」と呼ばれています。
それぞれの期間の実質経済成長率の平均は以下の通りです。
高度成長期 9.1% → 安定成長期 4.2% → 低成長期 1.0%
戦後の日本経済は、景気変動により毎年の変動は小さくないものの長期的な傾向としては、実質経済成長率が段階的に低下してきたのが上のグラフから読み取れると思います。
低成長期後の最近の実質経済成長率の落ち込みが激しい年は・・・、
2008年が世界経済全体が大きく影響を受けたリーマン・ショック(世界金融危機)の影響で、2011年は東日本大震災の影響です。
ちなみに、2016年の日本の実質経済成長率は1.3%。他国を見てみると・・・、
米国 1.6%、イギリス 1.8%、ドイツ 1,9%、フランス 1.2%、中国 6.7%、インド7.1%
欧米先進国はみな日本とほとんど変わりませんね。
こう見てみると、日本の高度成長期17年間の平均実質経済成長率9.1%は本当に凄いですね。「奇跡の復興」と言われるのもわかります。
驚異的な中国の経済成長率の推移
では次に、ここ20年以上も世界経済を牽引してきたと言われる中国の実質経済成長率の推移を見てみます。参考までに日本や他の主要先進国のグラフも入れてあります。
(出典:世界経済のネタ帳)
これを見るとわかる通り、先進国は国ごとのばらつきはあるものの、2008年の「リーマン・ショック」を除くとこの40年弱ずーと0‐5%の間で推移しているのです。
低成長社会なのは日本だけではないんですね。
一方、驚くことに中国はこの40年弱の間、ずーと10%前後の高い成長率を続けていたのです。前述のように日本は、高度成長期の17年間の平均実質経済成長率9.1%です。中国は本当に驚異的ですね。
そのため、中国のGDPは1980年から2016年で約40倍に増えているのです。ちなみに日本は同期間で約4.5倍です。
自分が、30年ほど前に出張で見ていた中国社会と現在の中国社会が、まるで別物のように見えるのも当然なんですね。















