「はたらけど、はたらけど猶わが生活楽にならざり、ぢっと手を見る」
これは石川啄木の有名な俳句ですが、まさに今の日本の庶民の現状を表しているような気がしませんか?
そこで今回は、厚生労働省が毎年実施している国民生活基礎調査の結果から、所得にフォーカスして見てました。
この20年で2割も減った国民の平均所得
下のグラフは、ここ30年余りの「一世帯あたりの平均所得の推移」です。
そうなんです、平成6年にピーク(664.2万円)を打ってからは平均所得は徐々に減少していき、平成27年には541.9万円になっているのです。実に20年間で約2割の減少です。
まさに「はたらけど、はたらけど猶わが生活楽にならざり、ぢっと手を見る」状態です。
次に、平均所得541.9万円の内訳を、どれぐらいの所得金額の世帯がどのくらいいるのかで見てみます。
下のグラフは平成27年度の「所得金額階級別の相対度数分布」です。
平均所得は541.9万円と言っても、国民の61.2%はこの平均所得以下の世帯なのです。さらに驚くのは、所得金額が100万-400万円未満の世帯が全体の約4割もいるのです。
このグラフと下の平成7年度の相対度数分布を比較すると・・・、
明らかに中所得層が減少し、低所得層が増加しているのがわかると思います。
そうなんです、ここ20年余りの間に中間所得層が崩壊し、低所得層と高所得者層にどんどんに2極化されているのです。現在では、中間層と呼ばれる一般的なサラリーマン世帯までもが貧困層へシフトチェンジし始めているのです。
「一億総中流」と言われた1970年代から、バブルとバブルの崩壊そして低成長時代、実はこの間に日本の所得分布構造は低所得層と高所得者層の2極化へと大きく変わっていたのです。
街で見かける車も、軽自動車や高級車ばかりだと思いませんか?
ここ10年、国民の6割が生活苦
下のグラフは「生活状況」を聞いたものです。ここ10年もの間、国民の6割が「生活が苦しい」と言い、「普通」と言っているは1/3程度です。
先進国でこんなに「国民が貧しい国」が、あり得るのでしょうか?
その国がどれだけ豊かであるかを表す指標、GDP(国内総生産)は、日本は世界第3位となっています。しかし、その一方でOECD(経済協力開発機構)の貧困率の調査では、日本は発展途上国と同等かそれ以下の、世界第4位となっているのです。なんだかとても矛盾しているように見えますね。
進行する子供の貧困
日本の子供の貧困率は、先進国の中でも最悪のレベルにあると言われています。全国の平均所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子供の割合は過去最悪で、今では6人に1人が貧困に直面しているのです。
実際、子供の貧困はかなり深刻で、高等教育どころか学校給食が唯一の食事という子供や保険証がないため病気や怪我で病院に行けない子供、家庭崩壊からホームレス同様の生活を送っている子供など、信じられないような話が現実にこの日本で起こっているのです。
子供の貧困にはさまざまな理由がありますが、中でも問題になっているのが一人親である母子家庭や父子家庭の貧困です。日本はこの分野で、世界1位の貧困率を記録していると言われています。
国会でさんざん騒いでいる森友学園や加計学園は、所詮お金持ちのための学校です。あの問題は、安倍さんのような世間常識を知らないお金持ち連中と、安倍さんに対して完全にヒラメである役人がやったことです。
日々の生活で精一杯の我々庶民には関係のない話なのに、 レベルが低いマスコミ連中がただ騒ぎ立てていただけではないでしょうか?
政治家や行政の本当にやるべきことは、少子高齢化社会の到来でますます苦しくなるこの国をどうするのかを議論することではないのでしょうか?
















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