これまで様々なデータから「日本の将来」を見てきましたが、どれも暗い未来を暗示しているものばかりです。一方、相変わらず視聴率競争に明け暮れるメディアは、「日本の暗い未来」を封印するかのように、毎日毎日くだらないお笑い番組やグルメ番組ばかりを流しています。そんな中で、今多感な時期を過ごしている中高生は、自分たちの将来をどのように考えているのでしょうか?
そこで今回は、ソニー生命保険が2019年6月に実施した「中高生が思い描く将来についての意識調査2019」の結果を中心に、将来の日本を支えていくことになる今の中高生がどんな将来像を考えているのかを見てみました。
なお、このソニー生命保険の調査の対象者は、「全国の中高生の男女1,000名(中学男女各100名、高校男女各400名)」です。
中高生の大半が10年後の日本に不安を感じている現実
まず初めに、全員に対して「10年後の日本について、明るい見通しをもっているか、不安を抱いているか?」と尋ねてみた結果です。ちなみに、10年後と言えば2029年で彼らは23-29歳になった時です。
結果は・・・、
「明るい」と回答したのは、中学生で33.5%、高校生で26.4%しかおらず、ともに過半数以上が「不安」と回答しています。この数字は2年前の2017年の調査時と比較しても明らかに悪化しています。
今の中高生は、「日本の将来」について非常に悲観的に見ているのですね。
参考までに下の図は、2029年時点での日本の人口ピラミッドです。超少子高齢化社会ですねぇ。
人生観は「結婚よりも自由とお金」!
次にどのような人生観を持っているのかを尋ねてみました。
すると、「結婚しているけれど自由な時間やお金が少ない」よりも「結婚していないけれど自由な時間やお金が多い」方が幸せとする人が、中学生で48.5%、高校生で53.4%もいました。
日本の将来を悲観的に見ている今の中高生にとっては、「結婚=幸福」という図式はもはや当てはまらず、一方で「自由と金=幸福」と考える人が約半数もいるなんて、ますます日本は少子化が進行しそうですね。
将来なりたい職業は?
最後は「将来なりたい職業」に関する質問です。結果は以下の通りです。
まずは、男子ですが・・・、
さすがに中学生は「夢追い人」的な感じがまだまだ強く、数年前までは無かったネット系職業である1位の「YouTuberなどの動画投稿者」と2位の「プロeスポーツプレイヤー」を合わせると過半数を超えています。
また、3位の「ゲームクリエイター」、4位の「ITエンジニア・プログラマー」もやはりネット系職業となっています。
自分が子供の頃はみんな「プロスポーツ選手」や「社長などの会社経営者・起業家」にあこがれていたのに・・・、時代は完全に変わったのですね。
男子高校生では、中学生と比べるとだいぶ現実的になってきており、1位は「ITエンジニア・プログラマー」、2位は「社長などの会社経営者・起業家」となっています。しかし、3位には「YouTuberなどの動画投稿者」、4位は「ゲームクリエイター」とやはりネット系職業が人気となっています。
いつの時代も職業選択は個人の自由ですが、このままではこれまで日本経済を支えてきた日の丸先端技術産業はどうなってしまうのでしょうかねぇ?
次は女子です。
中学生では、女子の方は男子に比べかなり現実的な人も多く、1位は「歌手・俳優・声優などの芸能人」、2位は「絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)」、3位は「医師」、4位は「公務員」「看護師」となっています。それ以外にも、「ショップ店員」や「教師・教員」「デザイナー」「美容師」といった現実的な職業を挙げていました。
最後は女子高生ですが・・・、
1位は「公務員」、2位は「看護師」、3位は「歌手・俳優・声優などの芸能人」、4位は「カウンセラーや臨床心理士」、5位は「会社員」、6位は「教師・教員」「保育士・幼稚園教諭」と非常に現実的な職業となっています。
なんか、安心しました!
皆さんは、どう思いますか?
やっぱり、これからの日本を支えるのは女性か・・・。