「安全神話崩壊」とともにここまで低下した日本人の警察への信頼度

警察署政治・行政

最近、信じられないような現職警察官の不祥事が増えたと思いませんか?この1年だけでも・・・

「警察官の不祥事を取り締まる部署の男性警察官が、自転車で歩いていた女性のバッグをひったくり逮捕」
「男性警察官が特殊詐欺対策で知り合った高齢男性から現金約1,100万円をだまし取り逮捕」
「既婚者の男性警察官と部下の婦警が、勤務中に交番内の休憩室で性的行為」

本当に「市民の安全を守ることが仕事の警察官がやる事か!」と呆れ返ります。
そこで今回は、日本をはじめ世界主要国の市民の警察への信頼度を調べてみました。

予測以上に低い日本の警察へ信頼!

自分は「不祥事が増えているとは言え、日本人の警察に対する信頼感は世界トップクラスだろう」と思っていたのですが、OECD(経済協力開発機構)の資料を見つけて、ビックリ!

その資料は、OECDが毎年行っている「各国の市民1,000人へのアンケート調査結果」です。その質問の1つに、
あなたの住んでいる地域の警察に信頼を持てるか
とものがあり、下の表は2019年の調査でこの質問に「YES」と答えた人の割合です。

順位国名
1アイスランド93
2オーストリア91
3ルクセンブルク90
4スイス89
5フィンランド88
5ドイツ88
7ノルウェー86
8インドネシア85
8ニュージーランド85
10フランス84
10スロベニア84
10スペイン84
13オーストラリア83
13カナダ83
15オランダ82
15ポルトガル82
17チェコ81
17デンマーク81
19スウェーデン80
20ベルギー79
20米国79
22ハンガリー77
22アイルランド77
22イタリア77
25エストニア75
25インド75
27日本74
28イギリス73
29リトアニア72
29スロバキア72
31ポーランド70
32ギリシャ68
32トルコ68
34イスラエル65
35韓国64
36チリ59
37ラトビア58
38コスタリカ56
39ブラジル53
39コロンビア53
41ロシア46
42南アフリカ45
43メキシコ38

日本人の警察に対する信頼度は、あの白人警察官による黒人男性暴行死事件が起きたアメリカより低くなんと74%!自分はこの数字を見た時、「えっ、嘘でしょ。何かの間違えでは?」と自分の目を疑いました。日本人の4人に1人が、「自分たちを守っているはずの警察が信用できない」と考えているとは本当に驚きです。!

度々メディアで報じられる「警察官の有り得ないような不祥事」が、このような調査結果をもたらしたのでしょうか?
多くの日本人は、子供の頃から疑うことなく「警察官=正義」と考えていたと思いまが、もはや日本人の頭の中ではこの大原則が崩れつつあるのです。よく、「発展途上国の警察官は信じられない」という話は聞きますが、道徳の国日本がこんな状況とは・・・。

ちなみに12年前の2007年調査では、日本は85%で8位だったのです。たった10年足らずで、日本の警察官は1割以上の市民の信頼を失っているのです。皆さんはどう思いますか?
理由はわかりませんが、日本と同じように大きく市民の信頼を失っている(84%→73%)のが、銃を持たないことで有名なイギリスの警察官です。

日本の警察官

昔は絶対的な信頼を得ていた日本の警察官でしたが・・・

お洒落なイギリスの警察官

まる腰のお洒落なイギリスの警察官

また、逆に大幅にスコアアップしているのは、バルト三国のリトアニア(34%→72%)とエストニア(40%→75%)です。この両国は2004年に北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)へ加盟したことが大きく影響いると思われます。
また、近年経済発展が目覚ましいインドネシアも69%から欧州先進国並みの85%へと大幅にアップしています。この背景には、2000年まで警察が軍の一部だった警察軍時代のイメージを一新するために、日本のように街中に交番を設置したり、女性警察官を大量に採用するなどより市民に信頼されるようにさまざまな改革プログラムを実施してきたことが大きく影響していると言われています。

インドネシアの女性警察官

ちょっと派手なインドネシアの女性警察官

堕落した警察官が増えている日本も、インドネシアのように国主導で閉鎖的になりがちな警察組織をテコ入れしたほうがいいのではないでしょうか。

昔に比べかなり落ちている犯罪検挙率

市民の信頼を失いつつある日本の警察官ですが、仕事の方はどうなっているのでしょうか?
下のグラフは法務省が発表している日本における犯罪検挙率の推移です。(出典:犯罪白書)

これを見る限り、昭和後期には60%前後あった検挙率は、平成に入ると急激にダウンし始め、平成13年にはなんと20%にまで低下しています。その後検挙率は回復し、令和元年には37.9%にまで回復しているのです。なぜ、このように日本の警察の検挙率は平成時代にこんなにも低下したのでしょうか?
色々と調べてみると、バブル崩壊とともに日本は不況の嵐に飲み込まれる中、世間では様々な犯罪が急増し、元来より検挙率が低かった泥棒や詐欺のような犯罪にまで警察官の手が回らなくなっためのようです。

最後に参考までに、ここ30年あまりの主な犯罪の種類別検挙動向を見て見ました。

殺人

下のグラフは、法務省が発表した平成時代の殺人事件の認知(発生)&検挙件数とその検挙率です。
これを見ると、発生件数は平成15年をピークに徐々に減少し、平成30年には915件となっています。ということは、日本のような平和な国でも毎日日本の何処かで2~3件の殺人事件が起きているということですね。また、その検挙率はずーと90%台後半で推移しています。昔に比べ、科学的捜査技術が飛躍的に進化した現在でも100件のうち何件かは迷宮入りしてしまうようです。
ちなみに、銃が蔓延しているアメリカでの殺人事件の認知件数は日本のおよそ20倍で、またその検挙率は60%台前半だそうです。なんだかんだ言っても、やはり日本の警察官は優秀なんですね。真面目に働いている多くの警察官の名誉のためにも、不祥事を起こした一握りの警察官には1~2ヶ月の減給のような甘い懲罰ではなく、懲戒免職のような厳罰課すべきだと自分は思います。

傷害

下のグラフは、法務省が発表した平成時代の傷害事件の認知(発生)&検挙件数とその検挙率です。
これを見ると、発生件数は殺人事件同様に平成15年をピークにその後徐々に減少しています。また、検挙率は60%台前半から83%にまでかなり上昇していますが、先の殺人事件と比べ未だに15%も開きがあるのが気になります。

強盗

下のグラフは、法務省が発表した平成時代の強盗事件の認知(発生)&検挙件数とその検挙率です。
これを見ると、発生件数は殺人事件同様に平成15年をピークにその後急速に減少し、平成30年にはピーク時の1/4の1,787件となっています。また、検挙率も50%から87%にまで大幅に上昇しています。これは警察の力と言うよりも、住宅そのもののセキュリティ機能と街中の至る所に設置された防犯カメラの影響が大きいようです。もはや、今の日本では「強盗に成功してもどうせその後直ぐに捕まる」という認識がほとんどの人に浸透していた結果でしょうね。

傷害

下のグラフは、法務省が発表した平成時代の傷害事件の認知(発生)&検挙件数とその検挙率です。
これを見ると、発生件数は殺人事件同様に平成15年をピークにその後徐々に減少し、平成30年にはピーク時の6割程度の22,523件となっています。また、検挙率も60%から83%にまで大幅に上昇しています。

 

詐欺

下のグラフは、法務省が発表した平成時代の詐欺事件の認知(発生)&検挙件数とその検挙率です。
これを見ると、発生件数は平成14年から突然増えだし、同17年にピークに達します。その急増の理由は、未だに警察が手をこまねいている「振り込め詐欺」が日本全国各地で多発したためです。その後は警察の検挙率アップとともに発生件数も急速に減少したのですが、近年でもまだピーク時の半分程度の年間4万件前後で推移しています。

しかし、検挙率の方は平成10年頃まではほぼ100%近い数字だったのに、その後急速に低下してしまい、平成16年には4割を切る水準にまで落ちてしまったのです。情けないことに最近でも検挙率は40%強に留まったまま=半数以上は成功したままなのです。
情報化とネットワーク化が進んでいる現在では、この手の「IT知能犯罪」に弱い日本の警察世界中の犯罪組織に好き勝手にやられているのが現状なのです。
90歳近い一人暮らしの親を持つ自分としては、警察には予防を呼びかけることよりも、最もしっかりと検挙率アップをして欲しいと思います。検挙率が100%近くまで上がれば、発生件数は劇的に減少するのは確実なのだから・・・。
皆さんはどう思いますか?

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