池上本門寺界隈を散歩 ~車椅子利用者にお薦めの大田区散歩コース

池上本門寺大堂片麻痺ライフ

現在自分は、日蓮宗の大本山として有名な池上本門寺の近くに住んでいます。その本門寺自体の敷地は7万坪以上もあり、隣接する他の寺院や公共施設とともに巨大な癒し空間を創りあげています。そのため、自分は雨の日以外は毎日のように本門寺界隈を1-2時間ほど散歩しています。

池上本門寺周辺の航空写真

住宅街にポツンある緑の一角が池上本門寺

池上本門寺界隈の航空写真。住宅地の真ん中にある緑溢れる異空間となっています。

そこで今回は、池上本門寺とその界隈の車椅子利用者にお薦めの散歩コースをご紹介します。

池上本門寺までの公共交通機関を使ったアクセス方法は?

東京近郊にお住まいの方には、JR京浜東北線を利用してJR蒲田駅を目指すルートをお薦めします。その理由は・・・JR京浜東北線はバリアフリー化が進んでいるため、車椅子利用者でも駅員さんの介助無しでピンク色の乗降口を利用して乗降りが可能だからです。 ※詳しくはこちらの記事を!→東京都心部の最新公共交通機関のバリアフリー化状況

JR蒲田駅の中央改札口を出たら右に向かいそのまま案内表示に従い東急線蒲田駅改札を目指してください。100mもありません。 東急線の改札口に着いたら窓口で必ず駅員さんに「乗降時のスロープ板」をお願いしてください。実は、東急線の大半の駅ではスロープ板無しで乗降り可能なんですが、池上駅は大きくカーブした駅でスロープ板無しでの乗降りは非常に危険なのです。

池上駅自体は、2020年に新しく建て替えられたものなのでバリアフリー化は非常に進んでおり何も問題はないので(以前は最悪の駅でしたが・・・)改札を出たら北口に向かってください。

ここでちょっと話は変わりますが・・・、池上本門寺の界隈にはコンビニや食料品店はまったくないので、駅周辺にいるうちに散歩時の昼食や飲料等は購入していくことをお薦めします。個人的にお薦めの店は、改札口の上の3階にある東急ストア、駅ビルの真ん前にあるローソンとオリジン弁当です。

池上駅を出てから本門寺までは5~600mぐらいです。ルートはいろいろありますが、自分がいつも車椅子で通っている車通りが少なく路面状態がいい以下のルートです。

①まず池上駅北口を出ると正面にローソンがあるので、その右側の歩道を20m程直進してください。

②すると信号のある交差点があるので写真の赤い矢印の道(本門寺通り)に向かってください。

本門寺通りは昔の参道なので、いまでもお土産物を売っている店や飲食店が残っているので退屈しない散歩コースです。
にれの木

ここの鶏料理は大田区界隈ではかなり有名です。特に釜めしは絶品です。常連さんは参拝に行く前に釜めしを予約し、参拝後に食べています。

にれの木

料金も池上らしく庶民的で参拝客以外にも地元の方もよく利用しています。

③本門寺通りを道なりに3-400mほど行くと稲垣商店というタバコ屋さんに突き当たりますのでそこを右折し、次に目の前にある信号を左折してください。

④この道は新参道と呼ばれる道で1-200mほど行けば本門寺の総門と呼ばれる正門に着きます。

総門をくぐるとそこからは池上本門寺の敷地内です。目の前には急な階段が続いています。

以上が池上本門寺までのお薦めルートのご紹介です。最後に車でお越しの方へのアドバイスです。多くのお寺と同じように池上本門寺には参拝客用の無料駐車場があります。ただし、地元民でない限りたどり着くのは至難の業です。初めての人でも迷いにくいアクセスルートは、以下の通りです。 ①第二京浜(国道1号)の「千鳥一丁目」という信号(ファミマが目印)を都心方面から来た人は左折、川崎方面から来た人は右折してください。 ②そのまま6-700mほど道なりに進み、「本門寺新参道」という信号(ここもファミマが目印)を左折します。 ③その後4-500mほど行くと本門寺総門に突き当たるので、そこを左折します。 ④左折後100mほど進むと小さな十字路があるので、そこを右折します。あとは300mほど坂道を登り最初のT字路を右折すれば到着です。

なお、第二京浜には「本門寺入口」という信号がありますが、ここを曲がると地獄を見る(迷う)ので無視してください。以上です。

車椅子利用者にお薦めする理由は?

自分が皆さんにお薦めする主な理由は、次の2つです。

①散歩時の拠点として便利な「池上会館」の存在

この池上会館は本門寺総門のすぐ近くにあり、大田区が運営する公共施設なので誰でも自由に利用できます。下の写真のように非常に大きく、管理の行き届いたきれいな施設なのです。

地元民以外にはあまり知られていませんが、実はこの建物の屋上の展望広場と本門寺の大堂や五重塔のあるところとは平らな道で繋がっているのです。そのため、自分のような車椅子利用者をはじめお年寄りでもベビーカーでもこの施設のエレベーターを利用すれば急な階段や坂道など登ぼらずに、簡単かつ安全に本門寺境内を散歩することが出来るのです。

広々とした1階ロビー。カフェもあります。
このエレベーターに乗り屋上まで行けば、五重塔までは50m!

また、区の公共施設なのでバリアフリートイレや休憩や飲食スペースは完備されており、自分は散歩の時はいつも利用させて頂いております。

1階ロビーにある広々としたラウンジ
エレベーターを降りて外に出るとすぐ目の前には五重塔が・・・。
屋上広場からの眺めはなかなかのものです。

 

 

②車も少なく静かで緑が豊富なので自然と心が安らぐ

本門寺界隈はお寺と住宅以外と学校以外はほとんど何もなく、車通りも驚くほど少ないエリアです。自分は30年以上も前から、大田区や目黒区の色々な街に住んできましたが、この本門寺界隈には他のエリアにはない独特の雰囲気を持ったエリアだと思います。

今回ご紹介するエリアの概略マップ

以下の写真は、自分のいつもの散歩の途中での一コマです。

一般の参拝客が参拝をする大堂です。いつ来ても荘厳な空気が漂っています。

五重塔(国の指定重要文化財)

松濤園

境内北側に位置する日本庭園の松濤園は、意外と穴場スポットになっています。車椅子で回遊することはできませんが、隣の朗峰報会館から眺めているだけでも癒されます。

 

呑川

池上本門寺の山のすぐ南を流れている川(用水路?)です。以前はヘドロだらけの汚い川でしたが、最近は大田区が水質浄化に向けて様々な取り組みを行っているためだいぶきれいになってきました。

散歩の時にはいつも利用している「呑川」沿いの道路。車はほとんど通らず、朝夕はジョッキングしている人がたくさんいます。
桜の季節の呑川。季節によっては鴨や鷺も泳いでいます。
ゴールデンウィークには近くの小学校学童が作った鯉のぼりがいっぱいでした。
このあたりの呑川沿いでは季節ごとに様々な野生?の花も楽しめます。

養源寺

本門寺に隣接する呑川沿いの日蓮宗のお寺で、門をくぐった方がほっこり癒される空気が広がっているお寺を志向しているそうです。非常に住民に開かれたお寺で、定期的に「寺食堂」を開いたり、季節ごとに様々なイベントを実施しています。 →養源寺公式ホームページはこちら

こちらもいつも寄る呑川沿いにある「養源寺」。この日はお盆中だったので、夕暮れ時からは盆踊り大会をするようでした。
提灯の後ろにはいくつもの風鈴🎐が吊り下げられており、風情たっぷりの音を奏でていました。
このお寺の境内は非常に綺麗で季節ごとに様々な花が楽しめます。
お寺らしく蓮の花も!
春には、本門寺へと繋がる山腹の様々な種類の桜の花が楽しめます。
なぜか、この養源寺の境内の庭には20cmほどの小さなお地蔵様がたくさんいるのです。
お寺の横にはお寺のカフェがあり、散歩途中の休憩にもなります。(店内へは車椅子では入れません)
テラス席ならば車椅子でも大丈夫です。

照栄院/妙見堂・久遠林

前述の養源寺から呑川沿いを西へ30-40mほど行くと、照栄院という日蓮宗のお寺があります。このお寺にはお隣にある久遠林という洒落た個人会員制の集合墓(合同墓)や本門寺の山の上にある妙見堂という小さな御堂があるちょっとユニークな寺院です。

なかなか洒落た門で中の植木は手入れがよく行き届いています。

自分はよくここで持参のコーヒーを飲みながらタバコを吸い庭を眺めながらゆっくりと寛いでいます。

本堂の隣の敷地にはいつも様々な季節の花で飾られた久遠林があります。
緑に囲まれた古墳のような墓。普段はテントは無いのですが・・・お盆だったからなのかなぁ。
本堂と久遠林の間にあるこの急な妙見坂の上には妙見堂があります。
坂の上にある妙見堂。人もいなくて静かなので、自分はよく木陰でコーヒーを飲みながら本を読んだり音楽を聴いたりして寛いでいます。
本門寺の境内に繋がる裏門。

大森めぐみ教会

妙見堂の東側には、意外にも「大森めぐみ教会」があります。この教会には大田区で一番古い幼稚園も併設されています。周辺は和風どっぷりの世界なので、西洋的な景色には驚かされます。

本門寺境内に登る坂の途中にあるめぐみ教会。数十m先には五重塔があるんですが、残念ながら急坂過ぎて自分の車椅子では登れません。
綺麗な中庭があり、春には庭を取り囲む桜の花に集まる小鳥でいっぱいです。

本門寺公園

本門寺境内の東側には木々生い茂る広大な本門寺公園があります。昔はグランドと散歩道と池しかなかったのですが、最近は大田区がいろいろ整備しているようでデイキャンプ場やドックラン、子供遊具や高齢者向けの健康遊具がたくさんある子ども広場などがあります。しかし残念なことにバリアフリー化はほとんど進んでおらず、車椅子で行ける所は限られています。

赤い矢印のところ以外は車椅子で行くと地獄を見ます。そのため、車椅子利用者は本門寺境内からはたどり着けないので、 一度境内から出てぐるーと回ることが必要です。
かなり広いグランドなので、近所の子供たちが様々なスポーツを楽しいでいます。
いつ行っても釣りをしている人がいる弁天池。
春には鷺や鴨の親子もいて、なかなか楽しめます。
子供用遊具と健康遊具が混在する「子ども広場」

池上梅園

大田区が運営する有料の公園で入園料は大人(16-65歳)100円、小人(6-15歳)20円ですが、6歳未満と65歳以上、及び障害者なども無料です。名前の通り2月前後に梅の花が楽しめますが、1月中旬ごろから6月中旬ごろまでは梅以外にも桜やツツジ、アジサイなども楽しめます。うれしいことに梅の季節以外はガラガラなので、園内にたくさんあるベンチやテーブルでお弁当などを楽しむこともできます。また園内には茶室や池のある和風庭園を眺めながら休める和室もありますが、有料かつ事前予約が必要なので、ご注意ください。

車椅子で行ける所は赤い点線のところです。見晴台など斜面の上のほうには上がれません。
見晴台から見た園内の梅。下からの眺めとひと味違います。
夏場の風景です。誰もいない園内で蝉の鳴き声だけが響き渡っていました。やはり、ここは春に来るところですね。
5月のツツジもなかなかのものです。
自分は利用したことはありませんが、半日単位で貸し切りだそうです。(午前600円、午後850円())
最近できた無料休憩室。冷房が効いていて助かりました。

本門寺内でお薦めの散歩スポット

広大な池上本門寺の敷地内には大堂や五重塔をはじめ様々な歴史的建造物がありますが、その中で一見の価値ありと自分が思うものを幾つかご紹介します。

総門

今の黒い総門は4年前の2019年に改装されたもので、自分が見慣れてた昔の素木の門と比べると格段に映えるものになりました。

昔の総門。歴史的建造物といった風格はなく、いつも自転車がいっぱいでした。
今の総門。記念撮影する人もたくさんいるようになりました。

 此経難持坂 ( しきょうなんじざか )

総門を入った正面にある急な石段で、400年以上も前に加藤清正の寄進により造られたそうで現在も正式な参拝ルートに当たるそうです。段数は96段で高低差は約25m(7-8階ビルの高さ!)もあるそうです。健康な方はどうぞ!

仁王門(三門)

此経難持坂を登り切ると、その正面には左右を大きな仁王様に守られている大きな山門が現れます。この門は仁王門と呼ばれ江戸時代初期の1608年に五重塔(*後述)と共に建立され、以前は国宝に指定されていたそうです。しかし、1945年に戦争中の空襲で焼失してしまい、現在のものは1979年に新造されたものだそうです。

 此経難持坂の階段を登り切ると目の前に広がる仁王門。この門の奥には砂利が敷かれた広大な境内が広がっています。

大堂

仁王門をくぐり抜けると正面に見える巨大な大堂をはじめ様々な建造物がある境内が広がっています。普通はこの大堂でご祈祷します。また、お守りやおみくじは右側にある建物(総合案内所)にあります。

五重塔

仁王門の右手には国の重要文化財に指定されている五重塔があります。これと言って同ということはないのですが、そのシルエットが美しいのでいつ来ても写真撮影している人や絵を描いている人がいる長閑な場所です。(ちょっとカラスがうるさいのですが・・・)

夕日で真っ赤に染まる五重塔
大堂横の手水舎から見た春の五重塔

 

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