日本人って本当に幸福？

先日ネットを見ていたら「国連の世界幸福度ランキング調査で日本は世界146か国中54位」という記事に出くわしました。自分は「こんなに平和で自由な国の日本が、なぜこんなに下位にランキングされるんだろうか？」と非常に疑問に感じたので、今回はこれに関して詳しく調べてみました。

21世紀はアメリカでも中国でもインドでもなくユダヤ人の時代

今、世界中が大騒ぎしている「イスラエルとパレスチナ」の問題。私たち日本人にとっては非常に縁遠くわかりにくい問題の代表でしょう。実はこの問題を理解するには、「ユダヤ人」というものを理...

feel-japan.net

「世界幸福度ランキング」っていったい何？

今回題材にしているこの「世界幸福度ランキング」は、国連機関の1つである「持続可能開発ソリューションネットワーク（SDSN）」というところが2012年から毎年実施している世界幸福度調査（World Happiness Report）の結果に基づき、各国の幸福度をポイント化し順位付けしたものだそうです。より詳しく調べてみると、ポイント化の際には、以下の6要素を説明変数としているそうです。

①１人当たり国内総生産（GDP） ②社会的支援の充実（社会保障制度など） ③健康寿命 ④人生の選択における自由度 ⑤他者への寛容さ（寄付活動など） ⑥腐敗の認識（不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府の腐敗度合い）

もともと「幸福感」自体が極めて主観的な感情に左右されるものなので、日本のような生真面目な国民の感じ方と米国やラテン系民族国家の楽観主義的国民の感じ方を同じ土俵で比べることにやや無理も感じますが、まあ多種多様な国を抱えている国連としてはしょうがないのでしょうね。

上位国は全て欧州、日本は54位！

さて結果の方ですが・・・、最新版の2022年の上位20ヵ国のランキングは以下の通りです。

上位の5ヵ国は最近の常連で、中でも1位のフィンランドは4年連続トップだそうです。この上位20ヵ国のうち15ヵ国が欧州の国で、残念なことにアジアの国は一つもありません。日本はというと・・・、ずっと下の54位。参考までに20位以下の主な国の順位は以下の通りです。

24位 アラブ首長国連邦 25位 サウジアラビア 26位 台湾 27位 シンガポール 29位 スペイン 31位 イタリア 38位 ブラジル 46位 メキシコ 54位 日本 56位 ポルトガル 57位 アルゼンチン 58位 ギリシャ 59位 大韓民国 60位 フィリピン 61位 タイ

日本は同じアジアの台湾やシンガポールよりもはるかに「幸福度」が低く、大韓民国やフィリピン・タイと同レベルなのです。経済発展度や治安の良さやさらには社会保障制度の充実度の割に日本の幸福度が低い理由は、前述の説明変数の『一人当たりGDP』や『平均健康寿命』というスコアは高いものの、『人生の選択における自由度』と『他者への寛容さ（寄付活動など）』のスコアが異常なくらい低く、全体の足を引っ張っているからなのです。 確かに日本での生活では、生活には困らないがいつも何かに縛られたらり、追われているような気がして、「自由でノンストレスな暮らし」とは程遠いのも事実でしょうね。きっと今後は、社会の高齢化進展による基本的な国力低下とそれに伴う国家財政のさらなる悪化で、日本人の幸福度はますます低くなって行くのは避けられないのでしょうね。

現代の日本人が求めているのは「自由な時間」

前述の国連とは違い、様々な国の「国民自身が考える幸福度」を比較した調査データがありましたのでご紹介します。それは「イプソス」と言うフランス系の世界有数のグローバルリサーチ会社のオリジナル幸福度調査です。詳しい調査概要は分からないのですが、日本を含む世界の主要30カ国を対象に最近（2022年？）実施されたもののようです。 ※以下のグラフはIpsosのサイトからの転用→https://www.dreamnews.jp/press/0000265782/

Ｑ.あなたは幸福ですか？

やはりこの調査でも日本人の幸福感は低く30カ国中21位で、欧米先進国の中ではほとんどビリなのです。毎日毎日一生懸命働いたり勉強したりしている私たち日本人ですが、実はそのうちの半数近くが「自分は幸福ではない」と感じているのです。きっと多くの日本人は「幸福ではないのは自己責任」と考え、ただただじいーと我慢しているのでしょうね・・・暴動が起きていないのが不思議なくらいです。本当に日本人って真面目でおとなしい国民ですね。

次の質問は「幸福に必要なもの」を尋ねたものです。ここで日本人の価値観の特異性がはっきりとわかります。なお、下の表の数字は「各国における左項目の順位」です。

Ｑ.あなたを最も幸福にするものは何ですか？

日本人が挙げたベスト３は、「自由な時間の多さ」、次いで「生活環境（水、食事、家）」、「趣味」ですが、全体でのベスト３は、「身体的健康」、「精神的健康」、「パートナー・配偶者との関係」とまったく異なっています。

“おいおい、日本人って奴隷かよ！”と言いたくなるような回答ですね。なんか、あらためて日本は「生活することだけで手いっぱい」で「人生を楽しむこととは無縁」な寂しい社会になっているんだなぁ・・・と感じます。

自分は・・・10年ほど前に突然脳出血で倒れ以来右半身麻痺になってしまったので、仕方なく現役を引退し、早期社会復帰を目指したリハビリ中心のかなり辛い毎日を送ってきました。しかし2年ほど前に、自分が倒れたときにまだ小学生だった下の子も一応は巣立ったので、以来気ままに一人で車椅子生活をしています。 そんな自分ですが、もし「自分が幸福だと思いますか？」と聞かれたら・・・迷わず「幸福です」と答えます。理由は、いい歳濃いてお金も地位もありませんが、「何からも追われることもなく、日々自由に生活出来ている」からです。さしたるストレス要因もなく「時間と自由」だけはある