日本企業の驚くべき衰退とここまで高まっている外資の持ち株比率

鴻海に買収されたシャープ経済・社会
出典:sankeibiz.jp

最近のTVの民放の報道番組は、「目先の時事問題」ばかりを取り上げるものばかりで、制作が大変な「中期的な視野に立った番組」はほとんどなく、たまにあったとしてもコメンテーターの知識レベルがあまりにも狭く、がっかりさせられます。

そこで、今回は経済面での「1,300兆円といわれる国の借金」の問題とともに、もう一つの大問題である「日本企業の凋落」についていろいろ調べてみました。

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たった30年で信じられないような凋落ぶりの日本企業

下の二つの表は、「平成元年(1989年)」と「平成30年(2018年)」の世界の時価発行額ベスト20企業です。
データ出典元はダイヤモンド社のサイトになります。

まずは、バブルの絶頂期だった平成元年です。

<平成元年(1989年)>

なんと驚くこと1-5位はすべて日本企業で、さらにベスト20のうち14企業が日本企業だったのです。
実際にその力は凄まじく、アメリカの象徴ともいわれるロックフェラー・センターを三菱地所が買収し、ハリウッドではソニーがコロンビアを、松下電器産業(現・パナソニック)がユニバーサル買収しました。また、欧州ではF1チームを次々と買収したのです。まさに、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われ、日本企業は世界中から恐れられ(嫌われ?)ていたのです。

おやじ
おやじ

この時代、自分は銀座の大手広告会社にいたので、まだ20代だったが毎晩のように銀座のクラブに行ってたなぁ・・・。

そして、次は平成30年(昨年)です。

<平成30年(2018年)>
平成30年(2018年)の世界の時価発行額トップ30

現在の世界の上位には、皆さんもよくご存じの米国と中国のIT企業が、ずらーと並んでいます。残念ながら日本の企業は、35位のトヨタが最高位となっているだけで、他はすべて50位以下となっています。

これだけ世界のトップ企業との間に資本力で差があると、研究開発費や人材投資という面から考えても、これからの時代に日本の名門大企業が再び成長し、ベスト20入りできるとはとても思えません。

実は既に外国人の手に落ちている日本の名門大企業

下の表は、現在の「日本企業の時価総額ベスト50」とそれぞれの会社の「外国人持ち株比率」です。
また、表の中の赤字の企業は外国人持ち株比率50%以上の企業(=事実上外国人に支配されている企業)で、同じく橙色の企業は40%以上の企業(=役員人事等の重要な経営事項で外国人の意向を無視できない企業)です。逆に、青字の企業は外国人持ち株比率30%未満の企業(=純粋に日本の企業と言える企業)です。

また、これら50社の時価総額は合計で159兆円です。前述の世界の時価総額ナンバー1のアップルは、たった1社で1,000兆円を超えているのです。日本の上位50社計の6倍以上なんです。日の丸連合で戦ってもかなうわけありません。

また、この50社全体の外国人持株比率は33.6%、金額でいうと54兆円もあるのです。
日本を代表する企業である、ソニー、武田薬品、任天堂、HOYA、日産自動車は、すでに過半数以上の株式を外国人に握られているのです。また、驚いたことに日本の代表的なメガバンクである三井住友FGや三菱グループの中核企業である三菱地所やこれぞ日本企業と思っていた日立、ファナック、花王、資生堂40%以上の株式を外国人に握られているのです。

さらに、ベスト50には入っていませんが、東芝が69.8%、シャープが67.6%、良品計画が50.5%、富士通が47.1%、参天製薬が46.8%、ツムラが45.6%、セコムが42.7%も株式を外国人に握られているのです。

もはや、純粋な日本企業と言えるのは、ゆうちょ銀行日本郵政JT、日本の国策銀行であった興銀が母体になっているみずほFG、それとユニクロのファーストリテイリングぐらいしかないのです。

みなさん、どう思いますか?

おやじ
おやじ

予想以上に、深刻だなぁ。

会社名時価総額
(兆円)
外国人
持株比率
1トヨタ25.220.6%
2NTT10.924.8%
3NTTドコモ10.014.3%
4キーエンス9.449.4%
5ソニー9.056.0%
6ソフトバンクグループ8.936.5%
7三菱UFJ8.034.8%
8KDDI7.430.3%
9ソフトバンク7.036.5%
10武田薬品工業6.950.7%
11ファーストリテイリング6.818.1%
12リクルート6.726.4%
13任天堂5.852.4%
14ホンダ5.737.2%
15中外製薬5.578.0%
16三井住友FG5.542.7%
17オリエンタルランド5.511.6%
18第一三共5.034.1%
19JT5.024.3%
20信越化4.937.0%
21ゆうちょ銀行4.81.8%
22日電産4.835.5%
23 日本郵政 4.711.3%
24 三菱商事 4.6 29.0%
25 ダイキン 4.6 33.1%
26 JR東海 4.5 22.3%
27 村田製作所 4.539.8%
28 みずほFG 4.3 23.1%
29 ファナック 4.3 49.2%
30 東京海上 4.3 37.6%
31花王4.245.6%
32キヤノン4.111.5%
33日立4.145.7%
34デンソー3.920.7%
35伊藤忠3.936.9%
36HOYA3.863.5%
37JR東日本3.733.3%
38東京エレクトロン3.79.4%
39セブン&アイ3.630.3%
40アステラス製薬3.649.2%
41三井物産3.430.1%
42SMC3.457.6%
43ブリヂストン3.326.3%
44三菱電機3.337.9%
45資生堂3.041.0%
46テルモ2.931.3%
47日産自動車2.860.9%
48京セラ2.833.5%
49三菱地所2.842.0%
50大塚ホールディングス2.719.4%

明るい未来が期待できる日本企業はほんの一握りだけ?

ここからは、自分の経験に基づいた完全な私見です。
多くの日本企業の外国人持ち株比率は、一部の独自ノウハウや独自先端技術を持つ企業を除けば急速に低下すると思います。もはや外国人投資家にとっては、少子高齢化で衰退が確実な日本の国内市場など関心がないはずです。しかし、独自ノウハウや独自先端技術を武器に、グローバル市場で欧米企業や中国企業にも勝てるようなわずかな企業には、世界中からお金が集まり外国人持ち株比率はどんどん高まっていくでしょう。

おやじ
おやじ

乗っ取られないか?

一方で、外国人投資家に見捨てられた多くの日本企業は、株価と業績が低迷しバブル崩壊後のように苦しみ喘ぐようなことになると思います。政府は、「日本人と日本企業はお金持ちだから、大丈夫だ。」といいますが、日本から撤退していくグローバル巨大資本と比べれば、日本人や日本企業の貯えなど「小銭」なのです。
さきほども書きましたが・・・、「日本の時価総額上位50社の時価総額を合計しても、アップルの時価総額の1/6倍以下」なんです。また、米ボストン・コンサルティング・グループによれば、世界の個人の金融資産2020年に224兆ドル(約2京4000兆円)に達するそうです。億でもなく兆でもなく、「京」ですよ。

自分は、株式の専門家ではないので具体的な未来が期待できる日本企業の具体名は書きませんが、次の半世紀、以下の分野では日本はかなり戦えると考えています。

1.アグリバイオビジネス
農協(JA)と現場の農家が長年培ってきた資産(=種子とノウハウ)は、世界のトップレベル。今この市場は、米国とドイツの企業が世界を牛耳っているようですが、日本も「農協&農家」、「バイオ企業」、「商社」が手を組めば必ず世界のトップになれると思います。

トマトの栽培

出典:special.nikkeibp.co.jp

2.再生医療ビジネス
京都大学の山中教授がノーベル賞を受賞したことで有名になったiPS細胞を用いた医療分野ですが、日本がかなり世界をリードしているそうです。一般医療機関での実用化は、2030年ごろになるといわれていますが、投資家から研究資金を集めれば早期実用化も可能なのでは?
iPS細胞

3.水ビジネス
世界中の水不足はますます深刻化しています。プレジデント社によれば、世界の水ビジネス市場規模は約7.5兆円ですが、2025年には10倍以上の約110兆円に膨らむと予想されています。実は、日本の海水の淡水化などの水処理技術は世界一で、他国の評価も抜群なのです。にもかかわらず、現在の日本企業海外での売り上げは1000億円強でしかありません。経済産業省は国内の水関連産業が世界シェアの約6%(2025年で6.6兆円)を獲得することを目標にしているのです。

なお自分は、よく成長が確実と言われているAIビジネスや自動運転車などの分野では欧米中などの企業との競争が厳しすぎて日本企業には勝ち目はないと考えています。

皆さんは、どう思いますか?

ppbear
ppbear

頑張って欲しいなぁ・・・

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