北朝鮮と国交のある国は、162ヶ国も!

金正男と金正恩政治・行政

何かと人騒がせな北朝鮮ですが、マスコミの報道も「細切れ」なので、北朝鮮の実像がよくわからないと思ってる人も多いと思います。

そこで今回は、北朝鮮というものをあえて俯瞰した目線で整理して見てみました。

金正恩は、建国の父として国民に愛された金日成の孫

もともと北朝鮮は、太平洋戦争後の混乱の最中、1948年に旧ソによって作られた国です。翌年に生まれる中国とともに、言ってみれば「旧ソの子供」のような存在でした。

その後しばらくの間は、旧ソからの膨大な経済支援及び軍事支援で、国は成り立ってきました。しかし1991年のソビエト崩壊により、北朝鮮の後ろ盾は、ソビエトから中国に変わりました。

建国以来、北朝鮮では世襲制をとっているので、今の最高指導者金正恩氏は、実は建国の父と呼ばれ国民に愛された金日成氏の孫なのです。
金正恩氏が今の地位に着いたのは、父親である二代目最高権力者金日正氏が、2011年に急死(心筋梗塞)してからです。

金日成  金日正

ご存知の通り、金正恩氏が政権を継いでからの北朝鮮国内では、政敵の粛清の嵐。

また、海外では、ポンポン公海上にミサイルを打ち込むなど、完全に国際社会のルールや国際世論を無視したハチャメチャな行動。

まるで、「徳川時代のバカ殿」と同じですね。

世界的にみると、日本の政策はマイノリティ

驚いたことに北朝鮮と「国交のない国」は、日本含め世界で35カ国だけで、逆に「国交のある国」は、中国をはじめ164カ国もあります。それぞれの代表的な国をあげると、

■国交なし:韓国、日本、台湾、フランス、アメリカ、アルゼンチン
■国交あり:中国、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、イギリス、ドイツ、イタリア・・・

信じられないことに、北朝鮮の首都平壌にはイギリスやドイツの大使館があり、逆にロンドンやベルリンには北朝鮮大使館があるのです。

北朝鮮のイギリス大使館

出典:huffingtonpost.jp

北朝鮮のことも、標的になっている日本に住む日本人には大問題ですが、
遠く離れた欧州のみならず東南アジアの国々ですら、大きな問題とは考えていないようです。

きっと「狂犬が暴れている知っているけれども、自分たちには関係がないので、近づかない方が無難」と考えているのでしょう。

しかし、これだけの国に大使館を持ち 、外交特権を持つ外交官が、ベールに包まれた北朝鮮との間を自由に行き来していれば、金正恩氏はやりたい放題のことができるのでは。

実際に今回の事件でも、世界中で生産すら禁じられている猛毒vxは、北朝鮮からマレーシアまで、外交特権を持つ外交官が持ち込んだとされています。

となれば、金正恩氏がその気になれば、「地下鉄サリン事件」のようなことを、ロンドンやベルリンあるいはシンガポールでも実施することが可能なのです。

誰の言うことも聞かない金正恩氏と大量殺戮兵器である化学兵器は、まさに「馬鹿に刃物」状態なのです。

地下鉄サリン事件の新聞記事

出典:ASAHI.com

 

経済交流があるのは、基本的に中国だけ

JETROのデータで、北朝鮮の2015年の対外貿易を見てみると、輸出は26億9,700万ドル、輸入は35億5,500万ドルで、その相手国の上位は下の表の通りです。

2015年の北朝鮮の10大貿易相手国・地域

出典:JETRO

つまり中国以外の国は、国交があっても、経済的結びつきはほとんどないのが現状です。
こんな状態では、金正恩氏に首輪を付けられるのは、やはり中国しかないようですね。

自由に核兵器や化学兵器を開発・製造できる立場

北朝鮮の兵員数は、中国・インド・米国に次いで多く、その数は120~190万人と言われている。ただ、使用している兵器の大半は、何十年も昔のものであるため、兵員数は多くても、その交戦能力は非常に低いと言われています。

北朝鮮の旧式戦車

ご存知の通り、北朝鮮は2003年に核拡散防止条約から脱退しているので、基本的に核兵器の開発も製造・保有も自由にできます。
また、化学兵器禁止条約にも加盟していないため、基本的に化学兵器の開発も製造・保有も自由にできます。
そのため、今回の事件で使われたような危険な化学物質は、以前から国内で製造し、すでに5000トン以上隠し持っていると言われています。

こう見てくると、中国は米国との様々な交渉事に、北朝鮮の存在を上手く利用してくることは、容易に予測できます。それも、ゆっくりと時間をかけて。

しかし、米国はたとえトランプ政権でなかったとしても、そのような面倒かつ一時しのぎの解決手段は選ばないと思います。

過去の共和党政権時の米国と同じように、力で解決を図ってくるのではないでしょうか。

世界の他の地域では、日々いろいろな出来事が起こっています。
ISによるテロや東日本大震災のような災害も、またいつどこで起こるかわかりません。
今回の事件も、時が経てば経つほど、北朝鮮の思惑通り闇に埋もれてしまいます。
しかし、その間も北朝鮮は核兵器や化学兵器よる攻撃準備を進めるため、日本の北朝鮮への脅威は、どんどん高まっていくはずです。

 

 

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