そろそろスーパーの店頭でも真っ赤に熟れたいちごが見られる季節になりましたが、皆さんは「いちごの生産量が多い都道府県は?」というと、どこを思い浮かべますか?
湘南地方で子供時代を過ごした自分は、「いちご=静岡県日本平の太平洋を臨む段々畑でのいちご狩り」のイメージが強く、収穫量が多い都道府県となると真っ先に静岡県を思い浮かべました。しかし、意外にも・・・静岡県は4位でした。
いちごの生産量日本一は栃木県!
農林水産省によれば、平成30年(2018年)におけるいちごの全国計の生産量は161,800tで、生産量が最も多い都道府県は・・・、暖かい地域ではなく意外にも北関東の栃木県でした。その生産量は24,900tで、シェアは15.4%だそうです。また、2位は福岡県で10.1%、3位は熊本県で6.9%、4位は静岡県で6.7%.、5位は長崎県で6.3%のシェアとなっています。
やはり、いちごの生産量が最も多いのは栃木県以外はすべて南国県です。
いったいなぜ、栃木県のような寒い地域がいちごの生産量1位なんでしょうか?
<都道府県別いちごの生産量とそのシェア>
順位 | 都道府県 | 生産量 | シェア |
---|---|---|---|
1 | 栃木県 | 24,900t | 15.4% |
2 | 福岡県 | 16,300t | 10.1% |
3 | 熊本県 | 11,200t | 6.9% |
4 | 静岡県 | 10,800t | 6.7% |
5 | 長崎県 | 10,200t | 6.3% |
6 | 愛知県 | 9,670t | 6.0% |
7 | 茨城県 | 9,150t | 5.7% |
8 | 佐賀県 | 7,910t | 4.9% |
9 | 千葉県 | 6,730t | 4.2% |
10 | 宮城県 | 4,460t | 2.8% |
11 | 群馬県 | 3,160t | 2.0% |
12 | 埼玉県 | 3,150t | 1.9% |
13 | 香川県 | 3,080t | 1.9% |
14 | 宮崎県 | 2,640t | 1.6% |
15 | 愛媛県 | 2,520t | 1.6% |
16 | 岐阜県 | 2,470t | 1.5% |
17 | 福島県 | 2,390t | 1.5% |
18 | 山口県 | 2,370t | 1.5% |
19 | 奈良県 | 2,320t | 1.4% |
20 | 三重県 | 2,000t | 1.2% |
21 | 北海道 | 1,830t | 1.1% |
22 | 兵庫県 | 1,810t | 1.1% |
23 | 新潟県 | 1,210t | 0.7% |
24 | 青森県 | 1,180t | 0.7% |
出典:農林水産省作物統計
実はいちごは夏の暑さが苦手な果物!
いちごと言えば、レモンと同様に「南国の太陽の光をいっぱい浴びて育ちビタミンC豊富な果物」のイメージと共に、レモンのように酸っぱ過ぎず「甘酸っぱい美味しい果物」というイメージも強いのではないでしょうか?
でも、なぜ冬には木枯らしも吹き雪も降る北関東の栃木県でそんなにいちごが取れるのでしょうか?
いろいろと調べてみると、実はいちごは17~23℃前後の比較的涼しい環境を好み、夏の暑さを苦手としているそうです。逆に寒さには強く、雪の下でも越冬出来るそうです。また、日当たりの良い環境を好む一方で乾燥には弱いので、こまめな水やりが重要だそうです。
そのため、このような特徴を持ついちごは、冬~春の日照時間が長く、きれいな水が豊富な地域での栽培が最適だそうで、世界的に見ても温帯から亜寒帯地域が産地となっているそうです。さらに、昼間と夜間の寒暖の差が大きいと甘みと酸味のバランスが良くなるそうです。
実は、栃木県はきれいな湧き水が豊富で日照時間も長く、一日の寒暖の差が大きい美味しいいちご栽培に最適な土地だったのです。しかも栃木県は冬場の雪も少ないため、太陽の光を最大限に利用したハウス栽培で、温度と湿度を最適に保ちながらゆっくり成熟させることで、甘くて美味しいいちごが育まれるそうです。
そのため、栃木県は1968年から50年以上も「いちご生産量日本一」の座をずっと保ち続けているそうです。
そういえば、ほとんどいちごを食べていなかった自分でも、「とちおとめ」といういちごブランドはスーパーでよく見かけるような気がします。
いちごの栄養と美味しいいちごの見分け方
いちごは、レモンやキウイと共にビタミンCが豊富に含まれている果物で有名です。その量はというと、それぞれ100gあたり・・・、いちご→62mg、レモン→100mg、キウイ→69mgとなっています。
さすがにレモンとキウイには及びませんが、それでもいちごはレモンの6割ほどのビタミンCが摂取できるです。しかも、レモンやキウイはそのまま食べることはできませんが、いちごは食べる直前にさっと水洗いをするだけで食べることができるため、非常に手軽にビタミンCを摂取できる果物と言えます。
このビタミンCは、風邪予防や肌再生・アンチエイジングなどに効果があると言われています。
また、いちごには赤ちゃんの脳や脊髄をつくるために欠かせない栄養素と言われいる葉酸も多く含まれているそうです。そのため女性は妊娠初期からいちごを食べるのがいいと言われています。もし、あなたの周りに妊婦さんがいたらいちごをプレゼントすると喜ばれますよ。
この他にも、いちごには以下のようなたくさんの栄養素が含まれています。
「キシリトール」→虫歯予防効果
「ペクチン」→ 腸内環境を整える効果
「カリウム」→ 体内の余分な塩分を排出する効果
「ポリフェノール」→活性酸素を減らす効果(動脈硬化予防)
このようにいちごは美味しいだけではなく、非常に身体にいいのでたくさん食べましょう!
最後に、美味しいいちごの見分け方です。
いちごは、熟すると赤くなるので果実全体が赤く色づいているいちごが最もおいしいそうです。実が大きくても白っぽい色が残っているいちご、まだ食べごろではないそうです。また、形の良し悪しは味にはあまり関係なく、大きめで、光沢があるいちごが美味しいそうです。
皆さんも今年の冬は、たくさんいちごを食べて風邪を予防しながら健康な身体作りをしてみてはいかがでしょうか?