最近のように寒くなってくると、楽しみたくなるのが「温泉」ですね。一方で、心配になってくるのが高血圧。
自分が脳出血で倒れた原因で、生活習慣病の代表格であるこの「高血圧」性疾患ですが、現在の日本国内の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は、なんと1,010万人にものぼるそうです。
ということで、今回は温泉の中で、“高血圧改善に効く泉質”について調べてみました。

自分も高血圧から脳出血で倒れたからなぁ。よく勉強しとこう。
高血圧改善に効く、4種類の泉質!
今回参考にしたのは・・・、
「温泉は、なぜ体によいのか? 温泉の何がどの病に効くのか?」というような様々な温泉に関する疑問に応えた
『医者がすすめる驚異の温泉』という本です。
この本の中で、「高血圧改善に効く泉質」として紹介されていたのは・・・、
硫酸塩泉、硫黄泉(硫化水素泉)、放射能泉、二酸化炭素泉(炭酸泉)
の4つです。以下は、この4種類の泉質の特徴を調べたものです。
硫酸塩泉
硫酸塩泉は、その主成分によって、石膏泉(せっこうせん・硫酸カルシウム)、芒硝泉(ぼうしょうせん・硫酸ナトリウム)、正苦味泉(くみせん・硫酸マグネシウム)の3つに分かれます。
どの湯も高血圧改善には効くようですが、それぞれ以下のような特徴があるようです。
「石膏泉」は、“傷の湯”と呼ばれ、主成分の硫酸カルシウムには鎮静作用があるため、痛みやかゆみを和らげる効果があるようです。
「芒硝泉」は、皮膚血行を刺激し、さらに体の表面をコーティングして体温発散や発汗を抑えて保温効果を高める固化があるようです。
「正苦味泉」は日本では珍しく、マグネシウムイオンのはたらきで高血圧症の血圧を下げ、動脈硬化を予防する効果があるようです。
硫黄泉 (硫化水素泉)
温泉場の鼻をつくような臭いの元である「硫化水素」が溶け込んでいるのが、この硫黄泉です。この「硫化水素」は、皮膚から吸収され、血管を広げる働きがあり、血圧を下げる効果があるそうです。
また、肌にやさしい上に美肌効果もあるので、“美人の湯”ともよく言われます。地下から湧出する際は、無色透明なことが多いが、空気に触れて酸化すると、黄色っぽくなるそうです。
放射能泉
微量のラドンやトロンなどの放射性物質を含み、ラジウム泉とも言われています。この放射能泉は、高血圧以外にも、糖尿病、循環器障害、神経痛などにも効能があるとされており、「万病の湯」とも言われ、なかでも、尿の排泄促進効果もあるので、「痛風の湯」とも呼ばれているようです。
二酸化炭素泉 (炭酸泉)
お湯の中に炭酸ガスが溶け込んでいる温泉です。湯船に浸かると体に炭酸ガスの気泡が付き、皮膚から吸収されて、血圧を下げる効果があるようです。
しかし、残念なことに日本には天然温泉として二酸化炭素泉はほとんどなく、その大半は機械を使い人工的にお湯に炭酸ガスを溶け込ませた人工炭酸泉です。
ただ、この人工炭酸泉の効果は、医学的にも立証されているそうで、実際に東大などの大学病院でもリュウマチなどの治療に使われているそうです。
また、この人工炭酸泉は普通の銭湯やスーパー銭湯でも設置しているところがあり、手軽に“高血圧改善”ができる温泉として人気があります。
炭酸泉が高血圧改善にいい理由
では、「なぜ、炭酸ガスが皮膚から吸収されると、血圧を下げるのでしょうか?」。
この疑問に答えるために、温泉に関する様々な情報が収録されている「全国温泉大事典」という、ぶ厚い本で調べてみました。
では、さっそく“炭酸泉が高血圧に良い理由”を、本の内容を引用しながらご紹介します。
■ヒトの身体と二酸化炭素
“もし、ある場所の血液中の二酸化炭素濃度が増えると、血管でそれを感知し、そこで多くの栄養やエネルギーを消費したという信号が送られる。その信号が送られると、その場所にもっと多くの血液が必要だと身体は認識する。すると、その場所の血管が広がり、循環血液量が増える。組織への血液量も増加し、血液循環が良くなり組織老廃物も除去されることになる。また、その組織の血液量が増えることで赤みを増した状態になる。”
*「温泉大事典」より引用
これを、例を使ってわかりやすく説明すると・・・、
「鉄棒などをやり腕の筋肉をいっぱい使う」
↓
「腕の細胞内の二酸化炭素が増える」
↓
「腕にある血管がそれを察知する」
↓
「腕にある血管が自動で広がる」
↓
「腕を流れる血液の量が増える」
↓
「腕にたまった老廃物や二酸化炭素が血液に運ばれる」
ということです。
このように人間の身体には、「二酸化炭素の体内濃度が高くなると、自動的に血液循環や新陳代謝を促す」働きがあるそうです。
ちなみに、炭酸泉から上がった人の身体がピンク色なのは、「循環血液量が増えているから」だそうです。
■炭酸泉入浴とその効果
“二酸化炭素は皮膚から体内に容易に取り込める数少ない物質であり、入浴により二酸化炭素が皮膚から吸収されると、皮膚の血管が拡張し循環改善する。血管拡張に伴い入浴中に血圧が低下し、多くの血液が流れるわりに、心臓などの負担がの少ない入浴が行える。また、血行改善に伴い筋肉痛や関節痛を和らげる効果がある。”
*「温泉大事典」より引用
つまり・・・、
「二酸化炭素がいっぱい溶け込んだ炭酸泉に入る」
↓
「皮膚から二酸化炭素が体内に入る」
↓
「血管が広がり、血圧が下がる」
↓
「循環血液量は増えるが、心臓負担は少ない」
ということで、
炭酸泉は筋肉痛・関節痛・冷え性に効くだけではなく、末梢血管拡張作用により、リュウマチや高血圧、動脈硬化症などにも良いそうです。
今回、ちゃんと調べてみて、自分なりに納得しますます“炭酸泉”のファンになりました。

自分も倒れてからは、いろんなところによく行きましたよ。お薦めは、スーパー銭湯なんですが、「おふろの王様 大井町店」の炭酸泉です。 →→→ 訪問記はコチラ
高濃度炭酸泉がある銭湯(東京23区)
●印の付いている銭湯は、高濃度炭酸泉の湯船以外に、天然温泉の湯船がある銭湯です。
●第一相模湯 (大田区西六郷)
・千代の湯 (目黒区鷹番)
・南青山 清水湯 (港区南青山)
●押上温泉 大黒湯 (墨田区横川)
・白山湯 (江東区枝川)
・仁岸湯 (江戸川区中央)
・庄楽の湯 (江戸川区上篠崎)
・アクア東中野 (中野区東中野)
・ゆ家和心ごころ湯 吉の湯 (杉並区成田東)
・秀の湯 (杉並区桃井)
・川場湯 (練馬区桜台)
・久松湯 (練馬区桜台)
・松乃湯 (練馬区石神井台)









