よく日本は先進国の中でも貧困率が高く、実は「6人~7人に1人が貧困ラインを下回っている」という話を時々目にします。
これってどういうことなんでしょうか?
自分はよくわからなかったので、今回は「日本の貧困」について色々と調べてみました。
貧困率には「絶対的貧困率」と「相対的貧困率」がある
一言に貧困率といっても、世界的な基準は「絶対的貧困率」と「相対的貧困率」というものがあるそうです。
まず、「絶対的貧困率」の方ですが・・・、
必要最低限の生活水準を維持するための食糧・生活必需品を購入できる所得・消費水準に達していない絶対貧困者が、その国や地域の全人口に占める割合。世界銀行では1日の所得が1.25米ドルを貧困ラインとしている。ただ、絶対的貧困の基準は国や機関、時代によって異なる。
つまり生きるにあたって、最低限必要と考えられている食料・生活必需品を購入するためのお金がない状況が「絶対的貧困」で、主にアフリカやアジアの発展途上国で起きている問題といえます。
次に、先進国での貧困問題でよく使われる「相対的貧困率」ですが・・・、
OECDでは、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割って算出)が全人口の中央値の半分未満の世帯員を相対的貧困者としている。相対的貧困率は、単純な購買力よりも国内の所得格差に注目する指標である。
日本でよく言われる貧困率はこの相対的貧困率で、比較的豊かな先進国でも所得格差が大きい国ではよく高い数値が示されます。
→→→ 所得の二極化が進み中間層が崩壊
確かに所得格差は想像以上に大きいな、日本は。
日本の貧困率は122.5万円以下で生活している人の割合
調べてみると、平成27年度の日本の所得の中央値は245万円。つまり、その半分の122.5万円以下で生活している人の割合が日本の貧困率です。
これに当てはまる人が、日本には15.6%、つまり6人~7人に1人いるということです。
その内訳と推移を示したのが下のグラフです。
驚いたことに、日本の貧困率は30年前から12%以上だったのです。それが徐々に上昇し、平成27年には15.6%にまで高まったのです。
近年、子供の貧困率が問題になっていますが、このグラフをよく見てみると・・・、
大人が2人以上いる世帯での子どもの貧困率は10.7%なのに、ひとり親世帯ではその貧困率は50.8%と非常に高い水準となっています。つまり、母子家庭や父子家庭の2世帯に1世帯は生活が厳しい状態なのです。
参考までに、厚労省の資料によると、このひとり親世帯は年々増え続け現在では全国に150万世帯以上あるそうです。
先進国35ヶ国中、日本の貧困率が7番目
では、この相対的貧困率を他の先進国と比較したものが下のグラフです。
米国、中国に続きGDP世界第三位の日本なのに、実は「相対的貧困率」という面では先進国のなかでもトップクラスの高さなのです。日本より高いのは、イスラエル、トルコ、米国、メキシコ、ラトビア、チリしかありません。
へぇ~、そうだったんだ。
また、「平成22年版男女共同参画白書」によれば、
65歳以上の相対的貧困率は22.0%
高齢男性のみの世帯では38.3%、
高齢女性のみの世帯では52.3%
と驚くべき数字となっています。ますます高齢者が増える日本、ただでさえ高い相対的貧困率なのに今後は更に加速して高くなっていくのではないでしょうか?
やはり、世界的に見ても日本(=自民党)は“弱者切り捨て、金持ち優遇”政策の国なんですね。
みなさんは、どう思いますか?
1人暮らし高齢者の貧困率はすごいなぁ・・・