急速に進むアフリカの中国化

国際情勢

12億以上の人口を抱え、最後のフロンティアともいわれるアフリカ。
近年、そのアフリカへ中国が進出を加速させ、現地での影響力を急速に拡大させていると言われています。去年8月には、アフリカの海の要衝ともいわれる東アフリカのジブチに海外ではじめての基地の運用を開始しています。
そこで、今回は「中国のアフリカ進出」について詳しく見てみました。

貿易額はこの15年で20倍以上!

中国とアフリカとの経済関係は、1990年代末から著しい拡大を見せています。
中国のアフリカとの貿易総額は、2000年のには1兆円ほどでしたが、2014年には、およそ23兆円にまで急増しています。

また、中国の対アフリカ直接投資も、年々増え続け、いまやその直接投資残高は日本の3倍以上の325億ドル(約3.6兆円、2016年3月時点)に達しています。
さらには援助面も、以前はサッカー場の建設などの見栄えの良いハコモノが中心でしたが、最近ではケニアやエチオピアなどの重点国では、鉄道を敷設し物流の大動脈を築くとともに、国の安全を支える基幹システムも輸出、国造りそのものに深く関与しはじめています。

また、中国とアフリカとの間の航空便も増加し、産油国アンゴラとの間にはなんと直行便も就航しているのです。

このような状況下、アフリカの中国人居住者はすでに80万人に達するともいわれ、実際にアフリカの街中や工事現場では中国人の姿も目立ち始めているそうです。

急速にアフリカ進出を図る中国の狙いは?

この中国の急激なアフリカ進出の背景には、「中国が今後も持続的に安定成長していくためには、原油など不可欠な原材料を世界中から確保する必要がある」という中国当局の考えがあります。そのため、これまでの中国とアフリカ諸国との基本的関係は・・・、

中国がアフリカから原油などの資源を大量に輸入する一方で、アフリカ市場に中国国内で未曾有に生産される低価格の消費財を大量に輸出する

というもので「現代版植民地型貿易」と呼ばれています。
この中国からの輸出品は以前は日用雑貨が中心でしたが、最近では電化製品から自動車さらにはITシステムや武器に至るまで多岐にわたっています。

このような中国の進出に対して、アフリカ諸国の指導者からは中国批判はほとんど聞かれないそうです。その最大の理由は、彼らが、欧米諸国による条件つき援助にうんざりしていたことにあるようです。

アフリカの工事現場の中国人の姿

どんどん“中国化”が進むアフリカ

今、中国は、経済的な協力関係だけでなく、文化面でも中国の考え方、社会システムを、アフリカに広げようとしています。

例えば、中国政府が中国語を広めるために国外に設立している学校「孔子学院」は、アフリカでは39か国54か所もあり、実際に中国語を学ぶ人たちが急増しているそうです。

アフリカの孔子学院

また、中国の放送事業者がアフリカの30か国以上に拠点を置いて、中国のニュースやドラマも見られる事業を展開し、住民には衛星放送のためのアンテナや受信機を無償で提供しているそうです。そのため、この中国のテレビ放送の視聴者はアフリカ全土で1,000万人以上とも言われています。

驚くことにケニアでは、中国の通信大手「ファーウェイ」が以下のような国家の基幹システムを請け負っているのです。

・インターネットの通信網の構築
・国民の6割が利用する電子マネーのシステムの提供
・4K カメラを使った「セーフシティ」と呼ばれる国の治安維持のシステムの導入(最新の顔認証技術が使われ、個人が特定可能なシステム)

中国の通信大手「ファーウェイ」

政治・経済面で、アフリカ54か国と密接な関係を築き、世界に新たな秩序を打ち立てることで「アメリカを超える超大国」を目指している中国。
習近平国家主席も「中国が世界でより中心的な役割を果たしていく」とはっきりと宣言しています。

いったい、世界はどうなっていくのでしょうか?
そのなかで、日本はどうなっていくのでしょうか?

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