現在のフランスの大統領は、2017年大統領選挙に勝ち39歳という若さで第25代大統領に就任したエマニュエル・マクロンですが、彼は史上最年少のフランス大統領にも関わらず、これまでのところさしたる問題も起こさず、順調に政権運営をしています。
一方、米国ではウクライナ疑惑にからんだトランプ大統領の弾劾裁判の関係で大騒ぎです。
そこで今回は、フランス大統領の任期中解任についていろいろ調べてみました。

フランス大統領と言えば、やはりドゴール大統領が有名だな。
フランス大統領、任期中の解任は可能か?
いろいろ調べてみましたが、国民議会による(国家)反逆罪での弾劾裁判以外には、現職のフランス大統領を解任することは出来ないようです。
そのため、任期中は大統領が自発的に辞職したり、死亡した場合以外、現実的には国民議会でも国民投票でも解任することはできないようです。
フランス大統領の権限や任期は?
フランスの政治システムは、大統領制と議院内閣制を折衷したようなもので、しばしば「半大統領制」と呼ばれています。その中で、大統領は国民による直接選挙で選ばれたという国民の支持に基づき、司法・立法・行政の上に立つ国家元首の位置づけです。
ただ、現実的には、大統領が外交や軍事を担当し、首相は国内政治を担当しているようです。
そして、その権限は・・・、
- 軍の指揮権
→ 仮に国民や議会が反対しても、自分の決断だけでフランス軍を自由に動かせる! - 外交権
→ 外国との条約交渉やその締結、またサミット等の外交の場で国の代表として発言する。 - 首相の任免権および首相を通じて閣僚の任免権
- 国民議会(下院)の解散権 (総選挙1年後以降)
- 法律や条約・憲法改正案を議会を通さず、直接国民投票にかける権利
- 共和国の制度、国家の独立などの危機に際し、憲法を一時停止する緊急措置発動権
いやー、大権ですね。しかも、前述の通り、その大権を持つ大統領を・・・、
「国民議会でも国民投票でも解任することはできない」のです。
そんな大統領の任期は、現行のフランスの法律では、任期5年、再選回数は1度までです。
つまり、ヨーロッパのみならず世界中に大きな影響力を持つフランス大統領を、最長なら10年間も続けられるということです。

米国大統領より凄い力だ・・・
大統領選挙はどんな仕組み?
4月23日に行われるフランス大統領選挙は、18歳以上のフランス国民なら誰でも投票に参加できる直接普通選挙です。
この投票(通称第1回投票)で、有効投票の過半数を獲得した立候補者がいれば、その人が次期フランス大統領で決まり!
ただ、過半数を獲得した者がいない場合は・・・、
第1回投票の2週間後(5月7日)に、得票数上位2名による決戦投票(第2回投票)が行われます。同然のことながら、得票数が多いほうが、次期フランス大統領で決まりです。
ちなみに、1965年以降のフランス大統領選において、第1回投票で当選者=大統領が決定した例は一度もないそうです。









