諸悪の根源「厚労省」から医療分野を切り離せ!~明るい未来への選択

政治・行政

超高齢化社会に突入した日本。労働力不足と共に医療費の増大が日本再生の大きなカギと言われています。では、いま現在日本の医療費はどのくらいなのか、皆さんもご存知でしょうか?
最新の数字は昨年9月に厚労省が発表した「2021年度国民医療費」で、その額は44.2兆円。その内の約36兆円が国家負担(といってもその原資は私たちが毎月収めている健康保険料なんですが)し、残りが患者の自己負担分となります。ちなみに2021年度の国家予算総額は約107兆円なので、その1/3以上が医療費なのです。ちょっと余談ですが「国債の利払い費」と「医療費」だけで56%も占めているのが日本の実態なんです。しかも今だにこの2つは増え続けているいるのです。

ということで、今回はこの医療費について詳しく調べてみました。

ここ20年GNPはほとんど変わらない中、医療費は5割増!

医療費推移グラフ

“青天井”状態の続く医療費。このままで日本の医療保険制度は維持していけるのか?

下のグラフは、ここ80年間の日本の医療費推移とGDP(国内総生産)及びNI(国民所得)に対する国民医療費の比率を表したものです。(出典:厚労省HP)

もの凄いグラフですね、これがGNP推移ならば日本は非常に豊かな国になっていたでしょうね。まあ、冗談はさて置き、グラフをよく見るとわかるのですが、実は昭和時代はGNPもNIも順調に増えていたため、医療費が増えてもさほど問題はなかったのです。ところが平成に入ると日本の成長は止まり、GNPもNIも停滞してしまいます。一方、国の高齢化は進み続けそれに伴い医療費は増え続けたのです。その結果、平成に入ると医療費のGNPやNIに占める割合は急激に上昇し続けたのです。最近でも何ら変わっていないはずなのに2012年度辺りからこれらの突然上昇が止まったのは、安倍政権のもとで様々な統計上の処理が行われた結果と思います。

では、医療費はいったいどのくらいまで増加するのでしょうか?政府や民間シンクタンクなどで様々な予測がありますが、おおむね2040年代半ばがピークでその額は50-55兆円となっています。金額的には現在の3割前後の増加なので「大したことない」ようにも見えますが、問題なのはその頃の日本の生産者人口比率は50%近くまで低下していることです。この間に移民が大幅に増加し保険料を収める人が急増するするとは思えないので、きっと政府は患者の自己負担率をまだまだ上げていくつもりなんでしょうね。

医療費増大の原因は高齢者の医療費

下のグラフは、2019年度の日本の医療費における年齢階層別構成比を表したものです。(出典:厚労省HP)

医療費における年齢階層別構成グラフ

驚くなかれ、なんと医療費の半分以上が70歳以上の高齢者によるものなのです。多くの人は「まっ、お年寄りなんだから仕方がないよ!」と考えると思いますが、本当にそうなんでしょうか?

下のグラフは「年齢階級別の1人当たりの年間医療費」です。
(出典:ニッセイ基礎研究所、データ→2015年度)

年齢階級別の1人当たりの年間医療費

50代から急増していく医療費。“人生100年時代”へと邁進している日本は、どうすればいいのだろうか?

予想以上に高齢者の医療費が高いと思いませんか?自分も50代までは病院とはほとんど無縁でした。しかし、60歳を過ぎたころから急にお医者さんのお世話になることが多くなったので年とともに医療費が増えるのは分かりますが、それにしても凄い増え方ですね。
詳しく調べてみると、この急増の原因は「入院費」にありました。「家に戻ってもやることないし病院にいれば楽だし、話相手もいるし・・・」ということで無駄に入院を続ける人も多いそうです。まあ、個人で生命保険等に入っいる人なら、医者の診断書さえあればほとんど自己負担ゼロで入院し続けられるのです。これは患者も病院もWinWinなんですが、国の負担する医療費はうなぎ登りに増えていきます。
さすがの厚労省は「いくら何でもこれはまずいだろう」と15年ほど前からメスを入れ始めたのですが、時すでに遅し、本格的な高齢者増加が押し寄せて来てしまい、にっちもさっちも行かなくなり今があるのです。

日本の医療制度を維持していくには、まずは高齢者の意識改革が必要!

実は、内閣府が政策立案のために定期的に実施している世論調査の一つに「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」というものがあります。驚いたことにこの調査は、昭和55年度から5年ごとに定期的に行っており最新版は第9回で2020年度に実施されていました。以下のグラフはその調査結果の一部を抜粋したものです。

調査概要
【対象国】 日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデン
【対象者】 60歳以上の男女
【サンプル数】 各国約1000人

あなたの現在の健康状況は?

各国とも9割以上が健康と回答しています。まあ、病気の人は調査に対応できない可能性が高いから非常に高いスコアになっているのかもしれませんが・・・。また、ドイツについては「完璧主義かつ厳密主義」のドイツ人らしい回答ですね。いづれにしても、各国とも「健康な高齢者」を対象とした調査と考えて構わないと思います。

次の質問はそんな人達の医療サービスの利用状況を聞いたものです。

あなたは医療サービスを日頃どのくらい利用しますか?

この結果を見る限り、「日本の高齢者は病院に行き過ぎでは?」という疑問が浮かび上がってきても不思議ありません。確かに「大したこと無いのに暇だから病院に行く」という人もいると聞きます。確かに町医者は「お年寄りのたまり場」化している感も否めないと思います。

前述した通り、日本の高齢者は病院を無料の老人ホームと同じ様な福祉施設と勘違している感が否めないと思います。その原因の発端は、行政サイドとマスコミにあると思います。「医療」と「福祉」を1つの行政機関(=厚労省)が担当し、マスコミもすぐ「医療福祉」と両者をセットにした表現を使います。最悪なのは、「医療福祉施設」と「医療福祉関係者」などという言葉が一般化していることです。
医療と福祉を一緒にするようでは、いつまで経っても日本の医療や福祉は欧米のようにビジネスとして独り立ち出来ず、国(税金)に頼り切った親のすねかじりのボンボン産業のままでしょうね。もう、親のすねは削られすぎていつ折れても不思議ないのに・・・。皆さんはどう思いますか?

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