先日、ニューズウィークのバックナンバーを眺めていたら自分の興味をやたらそそる記事が二つありました。それは“世界一「チャレンジしない」日本の20代”というタイトルの記事と“日本人の知的好奇心は20歳ですでに老いている”というタイトルの記事です。
「世界一チャレンジしない日本の20代」という記事については前回紹介したので、今回はもう一つの「日本人の知的好奇心は20歳ですでに老いている」という記事の内容を紹介します。
この記事はOECD(経済協力開発機構)が、加盟各国の16~65歳を対象に2012年に実施した「国際成人力調査(PIAAC)」の結果をもとに書かれています。
※国際成人力調査について
現代社会を生きる大人達が持つ読解力、数的思考力、ITを活用した問題解決能力の測定や現状の学習実態の把握などを目的にした調査。
その結果はというと・・・、能力測定の質問では日本の平均得点は軒並みトップで、マスコミには「日本は大人の学力世界一」と囃し立てられました。しかし、知的好奇心を探る「新しいことを学ぶのが好き?」といういう質問では、下図のように目を覆いたくなるほど悲惨な結果なのです。
見ての通り、日本は現時点で保有している能力はトップなのですが、国の将来を占なう上で重要な知的好奇心は韓国と共に圧倒的に低いのです。つまり、日本や韓国は今はいいが未来は暗いかもということですね。逆に、アメリカやラテン系のフランス、イタリア、スペインは、現時点の学力は低いものの、知的好奇心がギラギラみなぎっているので今後の躍進が期待できると言えます。さらには、学力も知的好奇心も共に高い右上の理想的なポジションにはフィンランドやスウェーデンなどの北欧諸国が位置しています。「生涯学習の先進国」としばしば欧米のマスコミで讃えられるフィンランドでは、実に成人(15-64歳男女)の9割が「新しいことを学ぶのが好き」と答えているのです。まだまだ北欧諸国の繁栄は続きそうですね。
変化の激しい現代社会では、日本や韓国のように「国民の知的好奇心が低い国」など、あっと言う間にガラパゴス化して衰退するのではないでしょうか?皆さんはどう思いますか?
20代の若者までもが老人化している日本!
一般的に年齢を重ねるに伴い、知的好奇心はしぼんでくるものと言われますが、どうやら現代日本では、20代前半から精神の老化が進行しているようです。
下の図は「新しいことを学ぶのは好きだ」という意見に対する年齢別の反応をスウェーデンと日本で比較したものです。
悲しいかな日本の20歳の知的好奇心は、スウェーデンの65歳とほぼ同じレベルなのです。ではなぜ、日本人や韓国人は未知のことを吸収しようという意欲がここまで低いのでしょうか?その理由は、両国に共通する「子供の意思を無視した詰め込み教育」→「テスト&学歴至上主義が生み出した受験戦争」に起因していると考えるのがきっと自然なんでしょうね。
この調査は10年前に実施されたものなので、ここいう20歳は今はもう30歳になっているのです。前回でも書いたとおり、「1億総中流時代」と言われた良き時代に生まれ、バブル崩壊後の日本が天国から地獄へと旧転落した時代に育ち、続く多感な青年期には「イラク戦争」「9.11事件」「リーマンショック」とまさに世界が大揺れした時代を経験しているです。
消極的で保守志向になりがちなのも理解できますが、そこはポジティブシンキングと若い力であなた達を苦しめ続けた「失われた30年」を必ず乗り切り、何とか日本そのものを正しい方向へと軌道修正して欲しいものです。















