エネルギー自給率や再生可能エネルギー比率、日本はどの程度?

社会・経済

現在、日本は中国、アメリカ、インドに次いで世界第4位のエネルギー消費国になっています。
しかしながら、国内の原油や天然ガスなどの化石エネルギー資源が非常に乏しく、使用しているエネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っている状況です。

そこで今回は、日本だけではなく他の主要国を含め、エネルギー自給状況について詳しく調べて見ました。

→→→ 食料自給率、日本はどの程度?

日本のエネルギー自給率は1割以下!

下のグラフは、OECD加盟35カ国の2015年時点でのエネルギー自給率とそれぞれの国ごとの資源の構成です。(データ出典:経産省HP

見ての通り、日本のエネルギー自給率は他国に比べ極端に低く、7.4%(2016年は8.3%)でワースト2です。
実は福島原発事故以前の日本の自給率は20%以上だったのですが、事故後停止している原発が多いため、現在のような数字になっているのです。

日本以外の他の主要先進国を見てみると・・・、

アメリカ 92.2%
イギリス 65.8%
フランス 55.9% 
ドイツ  38.8%

原子力依存型のフランスや急速に再生可能エネルギーに移行しつつあるドイツなど、国ごとに特徴はあるものの、各国とも日本とは比較にならないほど高い自給率ですね。

まじで日本って、ヤバくない?

OECD加盟35カ国の2015年時点でのエネルギー自給率

出典:通産省HP

日本はエネルギー資源をどこから輸入しているのか?

2016年度時点で、日本のエネルギー資源の構成比は・・・、

石油 39.7%
LNG 23.8%
石炭 25.4%

となっており、いわゆる化石燃料が約9割を占めています。

また、その輸入元はというと・・・、

原油 → 約9割が中東
LNG → オーストラリア、東南アジア、中東
石炭 → オーストラリア(8割弱)

となっており、やはり未だに「中東で何か」があるとヤバイ状態にあるのが今の日本です。
エネルギー政策を担当している経産省は、この50年の間にもう少しなんとかできなかったのでしょうか?

(データ出典:経産省HP

エネルギー資源の輸入元グラフ

再生可能エネルギーへの主要国の取り組み

下のグラフは先進主要国のエネルギー源の内訳です。(データ出典:経産省HP

先進主要国のエネルギー源の内訳グラフ

これを見ると欧州各国に比べ、日本の「再生可能エネルギー比率」の低さが一目瞭然です。

日本政府は福島原発事故以降も「様々な理由」をつけ、原発再稼働に向かっています。日本はフランスのように地震のない国ではないんだから。また「想定外」の地震が起きて原発が壊れたら、誰が責任取るのでしょうか?
いい加減、利権争いや責任の押し付け合いをやめ、「原発ゼロ」に大きく舵を切って欲しいものです。

主要国のエネルギー&環境政策の現状

■イギリス
環境問題対策として、CO2を排出しない電源である再生可能エネルギーと原子力発電を推進。ただ、太陽光発電や風力発電などは、日照時間が短い、風が弱いといった自然条件によって、望むような発電量が出せない可能性があるため調整電源(バックアップとして準備しておく電源)として火力発電を活用しています。

■アメリカ
再生可能エネルギーの拡大や原子力発電の利用推進に加え、シェール革命を受けた天然ガスの生産・消費を増加させていく方針です。オバマ政権下では、脱石炭火力の方向性が打ち出されていましたが、トランプ大統領に代わり、パリ協定からの脱退表明がなさ、現在エネルギー政策模索中。

■ドイツ
再生可能エネルギーを拡大する一方、福島原発事故を期に原子力発電の全廃を進めています。
  ▶▶▶ エネルギー革命で、ドイツは2022年には原発ゼロ!

■中国・インド
現時点では両国とも石炭火力発電が主要な電源になっているが、将来はともに再生可能エネルギー、原子力発電を拡大する方針です。

このように各国ともにおかれている状況に応じてそれぞれのエネルギー政策を取ってきていますが、いずれも再生可能エネルギーを急速に拡大していく方向です。

→→→ 世界の国別原発の数と今後の原発動向
→→→ チェルノブイリ事故で脱原発を決意したイタリア国民
 →→→ 国民不在で勝手に進められる日本の原子力政策

自民党もいい加減「原発政策」の幕を引き、これからの時代にふさわしいエネルギー基本政策に移行して欲しいものです。

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