Whill C2に乗っての川崎駅周辺散策とバリアフリー状況観察記

片麻痺ライフ

早いもので、東京に緊急事態宣言が発令されて2週間以上経ちました。その間、自分は近所の商店街とスーパーでの以外の外出は控えていたのですが、一昨日は気温はやや低かったのですが天気が良かったので、昼間の暖かい時間にWhill C2に乗り散歩がてらに川崎駅周辺に出かけました。

今回はその時のことをつらつらと書きます。

自宅から蒲田駅まで!

冬の日差しで空気もかなり暖かくなってきた11時、Whill C2に乗り自宅を出発しました。自分は8階に住んでいるので、Whill C2に乗る自分にとっての最初の関門はエレベーターです。このエレベーターは普通のマンション用エレベーターなので、オフィスや商業施設にあるものと比べるとはるかに狭いものです。実際に測ってみると・・・、幅125cm奥行155cmで普通の大人なら6~7人でいっぱいです。

マンションの狭いエレベーター

エレベーター乗り口

マンションの狭いエレベーター内部

内側はこんな感じです。

自分も最初はビックリしたのですが、こんな狭いエレベーター内でも他に人が乗っていなければ、切り返し無しでものの3~4秒で回転出来るのです。しかも前後左右に5cm以上の余裕がとれるので、安心して回転できます。ただし、多少じれったくても必ず速度レベル1にしたほうがいいと思います。速度レベル3とか4だと回転速度が速すぎて壁にぶつけてしまう危険があります(自分も最初のころゴツンゴツンとWhill C2を壁にぶつけてしまう失敗をしてしました)。

エレベーターを降りた後、マンションの外に出てからは最寄り駅までは約350m、Whill C2でのんびり行って10分弱です。人や車に気をつけながら気持ち良く道路を走り駅に着くと、幅の広い自動改札機を通り、ホームへ。
普通の幅の自動改札機も通れることは通れるのですが、左右の余裕が2~3cmぐらいしかないため、ちょっとでもぶれてしまうと横壁にぶつかってしまうので、今は自分は必ず幅広の自動改札機を通るようにしています。

幅の広い自動改札機

車椅子利用者にはマル必の幅の広い自動改札機

また、ホームで待っている間は、コントローラーの誤操作でホームに転落しないように、当たり前のことですが線路駅のホームで電車を待っている間は、Whill C2を線路と並行して止め電源も切っています。

この後、来た電車に乗り蒲田まで行きました。東急の蒲田駅の改札を出たのは11時半頃でした。
Whill C2を使うようになってからは家を出てから電車を使い蒲田までは、今回同様に毎回30分前後です。以前はタクシーで2,000円以上(往復で5,000円)かけて行っていたのに、今では往復でも252円です。全く昔の生活が嘘のようです。

また、自分の住んでいる都の城南地域は、東急線が網の目のように張り巡らされているため、車椅子生活でも電車さえ乗ることができたら日常生活で不自由することはまずありません。加えて、東急電鉄自体が非常に親切かつ車椅子乗車補助に慣れているので、非常に助かっています。

乗降りの際にホームと電車の隙間をスロープで埋めてくれる東急の駅員

改札でひと声かければ、乗降りの際にホームと電車の隙間をスロープで埋めてくれる東急の駅員さん。

実は自分は神奈川出身なのですが、大学が慶応だったのでそれ以来40年以上もずっと東急さんのお世話になっていたので、いつの間にか私鉄では東急さんのサービスが当たり前と思うようになっていました。自分は8年前に半身不随になった後も、たまに車椅子でJRや地下鉄、私鉄各社の電車や駅を利用していましたがそのサービスの質は全然東急さんの方が上でただただ感謝しております。

ここまでお読み頂いてお気づきの方もいると思いますが、実は自分の最寄り駅がある東急多摩川線は、全ての駅でホームと電車の隙間が小さいため、ホームと電車の隙間を埋める板による駅員の方のサポート無しで自分一人で乗降りが可能なのです。そのため、最近では本当に気楽に多摩川線を利用しています。

ホームと電車の隙間

この車椅子では、介助の方が持ち上げないと前輪は確実にはまってしまいます。しかし、Whill C2なら前輪も20cmあるのでこのくらいならなんとか走破できます。

東急蒲田駅からJR川崎駅まで

東急の蒲田駅改札からとJRの蒲田駅中央改札までは、ビル内通路を通り100m弱。JRの場合は先程の東急多摩川線とは違い、そのほとんどの駅でホームと電車の隙間が広く段差も大きいめ、Whill C2でJR線に乗降りする際には必ず駅員さんのサポートが必要になります。そのため、今回も自動改札機ではなく駅員さんのいる改札を通り、同時にサポートのお願いをします。

このような駅員さんによるサポートはどの鉄道会社も非常に親切で、乗車する駅で降車駅を伝えると降車駅に連絡をとってくれます。そのため、自分の乗っている電車が降車駅に着くと、自分のいる電車のドアの前でサポートをしてくれる駅員さんが待っていてくれるのです。乗り換えがある場合は、電車を降りるところから乗り換える電車に乗るまでずーっとサポートしてくれるのです。驚くことには、乗り換える電車が別の会社でも連携してサポートしてくれるのです。駅員さんがここまでのサービスサポートしてくれるのは、まず日本だけだろうなぁといつも思っています。ほんと、ありがたいことです。

ということで、JR蒲田駅&川崎駅の駅員さんと警備員さん(JRの場合は手配以外はたいてい警備会社の人)のお世話になり、12時前には何の問題もなく無事川崎駅に到着しました。

川崎駅周辺でのショッピング

川崎駅改札を出た後は、駅と直結しているラゾーナ川崎に行ってみました。いつ来ても買物客で混んでいるラゾーナ川崎ですが、さすがに緊急事態宣言下、しかも平日の昼間だったので気持ちいいぐらいすいていました。

ラゾーナ川崎

川崎駅中央改札を出てほんとにすぐのラゾーナ川崎、昔はよく家族で来ました!

ラゾーナ川崎のルーファ広場

ルーファ広場もパラソルやテーブルが撤去されていました。

人もまばらなルーファ広場では、寒いなか何人かの大道芸人の人達が芸を披露していましたが、立ち止まる人もまばらで寂しそうだったのが印象的でした。

パントマイムの役者さん

最初通りかかった時は、ただのアーティスティックな銅像だと思いそのまま通り過ぎてしまいました。

パントマイムのユニークな投げ銭箱

見事なパントマイムでしたが、可哀そうなことに“ロケットの燃料費”はあまり集まっていないようでした。

ここラゾーナ川崎では、ビックカメラやダイソー、ロフト、丸善などで3時間ほど気ままに買物を楽しみました。こんなに長時間普通に歩いて買物したらどこかで座って休憩したくなるのですが、自分は車椅子に座りきりなので全く大丈夫でした。ただ、身体のためには本当は1時間に1回は車椅子から降りて膝や腰を伸ばした方が良いそうです。

今回、3時間以上とかなり長い時間滞在してみて、ここラゾーナ川崎のバリアフリー化で気になった点がありました。
それは「多目的(多機能)トイレ」の扉です。この種の公衆トイレの扉には自分の知る限り3種類あります。

  1. 電動式スライド扉
    これは車椅子利用者にとっては、ベストな扉だと思います。特に自分のような片手しか使えない者でもには非常に簡単に扉の開閉ができます。
  2. 手動式ストッパー付きスライド扉
    これはやや苦労しますが、最後まで開けてしまえば手で押さえていなくても開きっぱなしになるので、片手しか使えない者でも扉の開閉が可能です
  3. ただの手動式スライド扉
    問題なのはこの方式の扉です。設置サイドとしては扉が開けっ放しになるのを防ぐためだと思いますが、片手しか使えない者が車椅子に乗ったままで、この自動的に戻ろうとする扉を押えながら中に入るのは至難の業です。実際自分は、この手の扉のトイレに入る時は、片手で扉を強く押し開き扉が独りでに動いている間に急いで中に入ります。まあほとんどの場合、間に合わず戻ってきた扉に挟まれてしまいますが、何度かやっているうちに力加減やタイミングがわかり成功しますが・・・、何とかして欲しいものです。
多目的(多機能)トイレ

最近増えてきた電動式です。東急さんの新しいトイレはこれなので非常に助かっています。

古いタイプの多目的(多機能)トイレ

ラゾーナ川崎の多目的(多機能)トイレ。ストッパーが付いておらず、しかも右開きなので左手しか使えない自分には中に入るのは無理と思い、使用を諦めました。

なお、コロナ禍ということだからと思いますが、ラゾーナ川崎やそのあとに立ち寄ったアトレ川崎や川崎ルフロンの建物内にある喫煙室は悲しいことに全て閉鎖されていました。もともと神奈川県は喫煙に対して地域だったのですが、コロナ禍以降我々愛煙家はほとんどタバコが吸える場所は無くなったようですね。😢😰😭

この日自分は、久しぶりの外出・ショッピングを十分に楽しんだ後、通勤ラッシュを避け16時過ぎには、来たルートと逆ルートで帰路につきました。
17時前には家に戻れましたが、久しぶりの外出だったためか家に着いた途端に疲れがどっと出、すぐにへたばってしまいました。

首都圏で急速に解決策が進むホームと電車の隙と段差の問題

前でも触れたホームと電車の隙と段差の問題ですが、どうやら東京オリンピック・パラリンピックの関係で東京近辺の駅では急速に対応策が進んでいるそうです。下記は朝日新聞の2020年11月4日の記事の一部です。

「段差3センチ」駅ホーム改修中 車いすも補助無し乗車

車いすの人が1人で列車に乗り降りできる――。そんな設備の駅が整備され始めている。ホームと車両にはすき間や段差ができやすく、危険もあったが、昨年8月に国土交通省が目安を示したことで整備する鉄道が増え、100以上の駅で乗り降りできるようになった。・・・略・・・

10月中旬、JR山手線神田駅のホーム。6号車の4番ドア前のホームの床には「ホームと列車のすき間をせまくしています」の文字とともに、ピンク色の下地に青い車いすマークが描かれていた。床は周囲よりもかさ上げされ、ホームの先端にはくし状のゴムがつけられている。・・・略・・・

ホームの先端のくし状のゴム

残念ながら自分はまだ一回もお目にかかったことがありません。

ホームの床に描かれたピンク色の下地に青い車いすマーク

バリアフリーホームのを知らせる床に描かれたピンク色の下地に車椅子のマーク

 

車いす利用者にとって、駅には段差やすきまをはじめ、階段など様々な「バリアー」がある。最近はエレベーターやスロープの設置が進み、車いすでホームに行ける駅が増えたが、列車に乗り降りする際は駅員に補助を頼む必要があり、乗るまでに長いと十数分待つこともあった。・・・略・・・

東京五輪・パラリンピックが近づいていたこともあり、国交省は、様々な大きさの手動、電動車いすを使って単独乗降できるすき間と段差の範囲を試験。昨年8月に「すき間7センチ、段差3センチ」という目安を示し、各社に整備を促した。・・・略・・・

どうやら、JRだけでなく東京メトロや都営地下鉄でも急ピッチに整備が進んでいるそうです。ただ、「乗車した駅はサポート無しで大丈夫だったので乗車したものの、降車駅に着いて見ると隙間が大きすぎて降りられなかった」という苦い経験が自分もあるので、駅ごとの整備状況をネットで明示していただければと思います。

なお、自分はWhill C2を使うようになってからは、まだ山手線には乗っていませんが、もし本当に山手線が駅員さんのサポート無しで乗れるのなら自分の行動範囲が格段に広がるので、近いうちに是非試験したいと思います。その際には、山手線の主要な駅の視察レポートでも書きたいと思います。

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